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仕事をしてるふりのテレワークからVUCA時代への転換

ある意味、コロナという非常時はVUCAを体感する良い機会になったはずなのに、このままでは緊急事態宣言の解除により、また元の状態に戻ってしまいそうだ。そうなってしまうのは「従来の仕事をテレワークで置き換えただけ」に留まっているからだ。今回のテレワークを意義あるものにするための進め方、考え方を提示してみたい。

①まずテレワークではなく、リモートワークと言葉を変える

電話やZOOMといったツールではなく、遠隔で働くという行動に視点を変える。固定した会社・場所ではなく、自宅に限らず柔軟に遠隔地から仕事をする発想をもつ。これで視野が広がる。

②就業時間の20%をクリエイティブな自由時間とする

グーグルなど新興企業や新事業創出に熱心な企業で導入されている20%ルールの適用である。暇な時間にも仕事をしてるふりの日報を書くより、意義ある時間になる。

かつての日本企業ではアンダー・ザ・テーブル(机の下で密かにやる研究)が行われていた。これを組織として就業時間内にやることを認めるのだ。

ブラックにならないためにor若手が他の社員に遠慮することなく、「管理したがり」の上司にも反論可能な環境を創るのである。

③就業時間の80%で何をするかを再考する

就業時間が減った分、やることを絞らなくてはならなくなる。
そこに頭を使うのが管理職の仕事である。独りで抱え込まずにチームメンバーにアイデアを求めれば可能だろう。

80%に業務を削減するための考え方、進め方を下図に示す。
これは以前「RPA導入に必要な視点と起点」というタイトルで書いたnoteで提示したものの再掲である。

IT導入の進め方_2020-05-27

④やるべきこと、やりたいことを可能にするIT環境を整備する

ここでようやくITツールの話になる。
通信が切れる、必要なファイル・書類が会社にしかない、FAXや電話対応がある、紙・押印を必要とするものがある、など今回のテレワークで困った事例を書き出す。

その業務が必要な業務であるなら、デジタル化・オンライン化でリモートで実現できる仕組みを構築する。ここで注意すべきはITベンダの言いなりにならずに主体的に考え、判断することだ。冗長な業務と冗長なITほど生産性を下げるものはない

➄自由時間の20%をVUCAへの備えとして最大限に活かす

コロナへの対応は緊急性が求められた。
顧客に迷惑をかけずに通常業務を遂行させるため、慌ててテレワークを導入した企業も多かった。

一方で、コロナ前から私たちは時代の大きな転換期にいる。
目先の通常業務、オペレイティブな業務がついつい優先され、DX(デジタル・トランスフォーメーション)への対応は重要性が高いのに緊急性が低いもの(黄色の部分)のように据え置かれていた。しかし、コロナ前から既に重要性も緊急性も高いもの(赤色の部分)として対応を迫られていたのである。

緊急性重要性のマトリクス_jpeg_ 2020-05-27

日常業務で忙しいと言い訳できない、仕事をしてるふりをして逃げてはいられない事態になっている。

この際、コロナを良い意味での「言い訳」に使ってはどうだろうか?
顧客が求める過剰なQCD(品質・コスト・納期)への対応をもう一度見直してみるのも有りだと思う。短期と中長期の視点、戦略性が必要だ。

自由時間の20%の捻出が最も必要なのは管理職や経営層である。

オペレイティブな業務を80%に削減し、浮いた20%をDXに向けたイノベイティブな、クリエイティブなものを生み出す時間に使う

VUCAの時代は個人も組織も変化に対する柔軟性と創造性が求められる


なお、進める上では以下のことが求められるだろう。これはコロナにより、慣れないテレワークを強いられた個人と組織に存在した問題でもある。

<社員・スタッフ側に求められること>
・短時間で成果を出すための創意工夫(個人・チームでの仕事)
・空いた時間を何に当てるかの再考(自己研鑽、家族との時間等)
・タイムマネジメント、広い意味でのセルフマネジメント

<管理職・経営層に求められること>
・求めている「成果とは何か」の再定義と再提示(ジョブディスクリプションに限らない)
・成果を適正に捕捉・評価する仕組みづくり(ジョブ型+メンバーシップ型のハイブリッド)
自律と共働・共創・共育を促す土壌づくり


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obanote@ミラリスト
歩く好奇心。ビジネス、起業、キャリアのコンサルタントが綴る雑感と臍曲がり視点の異論。

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