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長年の罪悪感を、見知らぬ金髪ママが軽くしてくれた

あまり大きな声では言えないのだが、夕食後にちょっとしたお菓子を食べるのが好きだ。

一人暮らしをしていると、やることが多い。
特に夜は夕飯を作って皿洗いして拭いた皿をしまい、明日の朝ごはんやお弁当を作り、シンクを洗ってレンジをアルコールで拭いたり、要領が悪いこともあって気がつくと1~2時間は経ってしまう。

たまに全てが面倒くさくなってカップ麺で済ませることもあったが、最近カップ麺や出来合いのものを食べると、年のせいか胃が重くなる。疲れていても明日の自分のため、ちょっと野菜を茹でたりお肉を焼いたりするようにしている。

そして私は夕食前にお風呂に入るようにしている。
コロナ前までは食事→お風呂のルーティーンだったが、コロナをきっかけにお風呂→食事の順番になった。

お風呂に先に入ることで、食後「ああお風呂に入らなくちゃ・・」とウダウダする時間がなくなった。貧血気味なこともあり、お風呂上がりはしばらく横になっていたい。あと髪を乾かしたりスキンケアをしたり浴槽を洗ったり、そうした面倒くさいことを全て食前に済ませられるのが好きなのだ。

そんなわけで食後、皿洗いやキッチンの掃除も全て終わるとプチ達成感に包まれて「ちょっとお菓子とお茶でも・・」となる。
基本は小さいクッキーと小さいお煎餅と、甘いのとしょっぱいのを交互に、よもぎ茶やカモミールなどノンカフェインのお茶と頂く。最近は暑いので麦茶とアイスなんか食べてる。

子どもの頃は偏食気味で、あまり食事が食べられない分お菓子を食べる悪い子だった。
夕食後にお腹が空いておせんべいをこっそり食べてるのを見つかって怒られるような子どもだった。

当時は祖母と暮らしていたので、毎日子どもが好きそうなおかずというわけにもいかなかったのだろう。でも当時は「なぜ美味しくない食事を食べなくちゃいけなくて、美味しいお菓子はちょっとしか食べちゃいけないんだろう」などと不届なことを思っていた。

あの時はわからなかったお出汁の旨みや繊細な味が今は大好きなのは、子どもの頃から丁寧な食事を作ってくれた母のおかげだ。
いまだに夕食後にお菓子を摘んでいると、祖母の怒る顔、母のガッカリしている顔、食事を残してお菓子を食べている自分を思い出して胸がちくっとする。

先日お昼過ぎ、近所の神社に参拝しようと信号待ちをしていた時、ギャルのような女性3人が歩いて来た。「野菜食べないよね~」「そうそううちも!」など、話の内容からすると3人はママ友っぽい。

そのうちの金髪の女性が「うちの子、2口3口食べて『もういらな~い』ってお菓子食べててさ~まじでウケる!」と言って3人がゲラゲラ笑っているのをみて、なんだか私はちょっとホッとするものがあった。信号は青になり、3人は道路の向かいのイタリアンレストランに吸い込まれていった。

多分今日も私は夕食後にお菓子をぽりぽりしてしまう。大事な憩いの時間になっている。でも今度実家に帰ったときは、母の好きなおかずを作って差し上げようなどと思ったりした。










今日もお疲れ様でした。
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最後までお読みくださりありがとうございます。
明日も適当にしっかりで参りましょう。


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小澤仁美
最後までお読みくださり、ありがとうございます。書き続けます。

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