やはり家がいちばんなのか
週に2回の定休日のうち、少なくとも1回は家で夕食を作るようにしています。
我が家の家族構成は、私(43歳女)と私のパートナー(44歳女)とパートナーの息子(中3男子)の3人暮らしですが、いちばん食いしん坊なのは紛れもなく私です。休みともなろうと、朝から食べ物のことで頭の中はいっぱい。かねてからチェックしていたレストランに予約して、ランチにディナーに出かけまくります。
というのはぜんっぜんなくて、大抵は普段できない事務仕事や雑務や家事に追われているので、ランチタイムを逃してしまってランチ難民になったり、珍しく新規開拓したレストランが残念な結果だったりと、なにかと外食偏差値が低い私たち。
休みの日くらい外で人様が作ってくれたお料理を上げ膳据え膳で食べたい私と、お家で食べた方が絶対美味しいと信じてやまないパートナーとの言葉に出さないプレッシャーバトルは、結局家で(私が)作った方が美味しいという嬉しいような嬉しくないような結論に至り、いつものように彼女に軍配が上がるのでした。よって、私は週に1度は家で料理するように心がけていて、時短やら自粛やらで時間のできた今ももちろんいわずもがな。家庭の平和は大切です。
ここでは、そんな我が家の「おうちご飯」を紹介しようと思います。
冷蔵庫のお宝掘り出しキーマカレー
私が家や店のまかないでカレーを作るとき、市販のルーを使うタイプとスパイス(もしくはカレー粉)だけを使うタイプを、全く同じくらいの頻度と熱意で作ります。どちらも好きだし、どちらも本気。
そしてこのキーマカレーはスパイスだけで作りました。30分程度でできるちょー簡単時短カレーなので、皆さんも冷蔵庫の中でちょっとずつ余った野菜をどうにかしたい時に試してみてください。
ざっとレシピみたいなものを書いてみます。分量などははっきり言って適当ですので、細かいことは気にせず、おおらかな気持ちで料理しましょう。ただし、具の大きさを揃えたり、炒める順番などは死守してください。大事です。
材料(4人分)
A------具
・主となる肉類(ここでは鶏もも肉2枚を2センチくらいの角切りに。鶏ミンチ、豚ミンチ、合い挽きでも良い。牛ミンチは違うかな)
・冷蔵庫の中で忘れられてた根菜(ここでは菊芋。シャクシャクした食感が面白いのでスライスしました。じゃがいも、里芋、レンコン、ごぼうなどなら1センチ角くらいのサイコロに。ごろごろほくほくしゃくしゃく、歯応えのアクセントになる野菜がよい)
・冷蔵庫の中で忘れられてた葉野菜(ここではのらぼう菜とほうれん草。火を通したら甘く柔らかくなる葉野菜をたっぷり使います。キャベツ、小松菜、蕪菜、ケールなどなど。仕上げに入れるので他の具材よりも細かめに刻みます)
B------ベース
・玉ねぎ 1個(繊維に垂直にスライス。そんなに薄くなくて大丈夫)
・トマト缶 1缶(ホールトマトでもカットトマトでも粗ごしでも可。ホールトマトの場合は手で潰す)
・ヨーグルト 200ccくらい
・ニンニク、生姜 (すりおろしたものを大さじ1ずつ)
・基本のスパイス4種類を小さじ2〜3くらいずつ
クミン(ホール)/ コリアンダーパウダー / チリパウダー / ターメリック
(もしくはカレー粉でもいいんです。SBでもインデラカレーでも好きなもので)
大事なのは、ベースの材料(B)は常に変わらないということです。肉と野菜の具のパターン(A)は無限ですが、カレーのベースは基本的に同じです。ヨーグルト入れない時があったり、ココナッツミルク使う時があったりしても、まあだいたいこんな感じだと思ってください。
手順
1. 材料は全て切ったり、潰したり、おろしたりして準備しておく。
2. 鍋やフライパンにサラダ油をまあまあたっぷり入れて火をつけたら、クミンを投入して香りを出す。さあ今からスパイス使ってカレーを作るんだ、という気分になってきましたね。ターバン巻いてもいいんですよ。アゲていきましょう。
3. クミンからプチプチと泡が出ていい感じになったら、玉ねぎを加えて炒める。時短でいきたいので中〜強火で。鍋の大きさに対してちょうどいい玉ねぎの量というのがあります。短い時間で飴色の玉ねぎを作るには、鍋底に玉ねぎを広げた時に薄く(2センチ程度?)敷き詰まるくらいがいいです。それ以上だと時間がかかるし、それ以下だと焦げやすい。
4. 玉ねぎが飴色になったら(色が濃ければ濃いほどカレーの味も深くなります。逆にいうと、あっさりしたカレーにしたければ玉ねぎを炒めすぎなければいいということ。この辺は、好みや具とのバランスです)、すりおろしたニンニクと生姜を投入。(ニンニク・生姜は焦げやすいので玉ねぎが炒まってから入れるのです)
5. そこに残りのスパイス(コリアンダー、チリパウダー、ターメリック)を入れて香りを出す。スパイスの香りは油脂に溶け出すので、この順番は大事です。
6. 部屋がインドの香りで包まれたら、トマト缶(カットトマト、潰したホールトマト、あらごしトマトどれでもいいです)を加えて煮詰めます。中〜強火で木ベラやゴムベラで絶えず混ぜながら、しっかり水分を飛ばしてカレーベース(グレイビーともいう)を作ります。飛ぶこともあるので白いシャツは着ない方が無難です。エプロンあれば着けてください。
7. 水分が詰まってきたら、水分(=ヨーグルト)を足します。水分が詰まるというのは、要は旨味が濃くなるということです。そこに別の旨みを持った水分を入れるとさらに美味しくなりますよね。イメージできますか?
8. ヨーグルトを混ぜたところに具を入れていきます。火の通りの悪いものからいきましょう。まずは、肉類。ここでは鶏肉です。火はずっと中〜強火をキープします。水分が少なければ水を足します。
9. 鶏肉にあらかた火が通ったら、根菜。根菜にだいたい火が通ったら、葉野菜。そんな感じでどんどん具を入れて、さー、鍋の中が賑やかに楽しくなってきた!
10. だいたい全部煮えましたか? 味見しますよ。味見は一番大事です。味付けしてない状態から味見をして、調味料を入れるごとに味見をします。ここでは味付けは塩のみです。塩は、あれば岩塩など使いましょう。スープや煮込みなど、水分の多いものの味付けに岩塩を粒ごと入れるとミネラルたっぷりで味に深みが出ます。まちがっても食塩は料理には使いません。トゲトゲしい塩みしかありません。岩塩がなくても、せめて、スーパーで売ってる「なんちゃらの塩」「どこどこの海の塩」を買ってください。
11.「うん、美味しい」と思うところまで塩を足していってください。仕上げの塩は岩塩みたいな大きいのではなく、細かい(ふつうの)ものを使ってください。微調整がしやすくなります。入れるごとにちゃんと混ぜて味見をします。何度もしたらいいんです。少しずつ味が変わっていって、どれくらい入れたらどうなる、というのを自分の舌で感じてください。塩を入れると塩味がつくだけではありません。スパイスも際立つし、野菜の甘みも引き立ってきます。その感覚を体に覚えさせるのです。とっても大事なことです。そしてもう一つ大事なことは、カレーはご飯と一緒に食べるので少し味が強いくらいがいいということ。
「うん、おいしい」と思ったら、もうひと塩強気で入れてみてください。そこがプロの領域です。
カレーって美味しいですね。(しみじみ)