クスノキノ女神を読んで
父がいらない本の整理をしていて、処分しようとしていた本の中にクスノキの番人があった。以前東野圭吾の人魚の眠る家を読み、面白かったので他の東野圭吾の作品も読みたいと思っていたので貰うことにした。クスノキの番人を読んでいたころにちょうどその続編であるクスノキの女神が発売されたため、クスノキの番人とクスノキの女神を続けて読むことができた。タイミングが良すぎる。
東野圭吾といえばミステリーとか推理のイメージがあるが、この作品は心温まるような。「人生の教訓」を数えてもらえるような作品だった。
この作品から私が受け取ったメッセージは一言でいうと「今を生きよう」である。この表現はあまりにも簡潔すぎるが笑
でも本当にこの作品を読めば誰でも「今を生きよう」という気持ちになると思う。
寝ると記憶をなくしてしまう中学生の元哉と家庭に問題を抱えた女子高生の佑紀奈
偶然出会った二人が、クスノキからインスピレーションを受けて一緒に絵本制作していく。
その絵本の内容が物語の肝となる。
絵本の中では「自分の何年後の未来が知りたいか」というのが大きな問いになっている。
クスノキの女神にはクスノキによる記憶の伝達や、記憶障害の元載、認知症の千舟が登場し、記憶に関して様々な視点で考えることができる。
記憶は永遠ではなく、いつ消えてしまうかわからない。未来は不確かで誰にもわからないのである。
どれだけ未来を心配しても、過去を悔やんでもどうにもならない。明日さえ不確かなのだから。
今どれだけ幸せでも、明日も幸せだとは限らないのだ。
だから今を大切に生きるべきなのだと思った。
今したいことをして、今の感情を全力で受け止める。
私はよく未来のことを考えて、これは将来役に立たないとか、無駄なことだとか、この先後悔するだろうとか、先のことを考えて行動することが多かった。
でも、今の自分の気持ちに正直になって今を楽しむことのほうが大切なのではないかと思った。
これからはもう少し今やりたいことをやって、今を全力で楽しもうと思った。明日どうなるかさえ分からないのだから。
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