心理相談室O-Live便り『甘えたっていいじゃない』
こんばんは、心理相談室O-Liveです。
O-Liveと書いて(オーライブ)と読みます。
O-Liveはオンライン専門の相談室です。
全国どこからでもカウンセリングを受けることができます。
詳しくはHPをご覧ください。
本日はカウンセリングで扱う事例について書こうと思います。
以下に挙げる内容は,特定の相談者様のお話ではなくこれまでセラピストが経験したケースをもとにした架空のものです。
カウンセリングの中でよく聞くワードの一つに「甘えているだけではないか」というものがあります。仕事での対人関係が辛くてしばらくの間休みたいけど、そんなことで休んでいいのか、と自分自身に問いかけるものであったり、学校を休むのは甘えているだけだろうと周囲の人に言われたり。
場面や相手は様々ですが、『甘えているだけ』と結論づけられてしまうと、それ以上辛いを気持ちを話すことを躊躇してしまう方が多いように感じます。
せっかく勇気を出して現状を変えたい、よくしたいと思った結果が甘えだったのだと思うと、努力が足りないと言われているような、もっと言えば人格そのものを否定されたように感じる方もいらっしゃるかもしれません。
その結果、休みたいけど休めない、話してもわかってもらえないから1人で抱え込んで余計に症状を悪化させてしまう、といった悪循環に陥りかねません。
私はこのテーマには二つの視点があると考えています。
まず一つは、辛く感じる現状から物理的に距離をとることは果たして『甘え』なのかどうか、ということです。
自然界に生きる動物は、命を危険を感じた際に本能的に逃げることを選びます。人間も同じように逃げることが、ときには心身を守るために大切なことなのではないでしょうか。それはあくまで危機管理の一環であり、その人が甘えているわけでも弱いからでもないと思います。
エネルギーがあるときにしか向き合って戦うことはできません。
そして戦うことを全員が選ぶ必要もないでしょう。その人に適した環境を選びながら生きていく、というのも大切なことだと思います。
もう一つは仮に『甘え』だったとして、それはよくないことなのでしょうか。甘えと聞くと幼い子が駄々を捏ねているような、ネガティブなイメージがわきやすいのかもしれません。ただ、心の拠り所があるという風に言い換えてみるとどうでしょう?
いざという時に、逃げる場所や心の拠り所になる居場所があるというのは何よりの支えになります。そしてその場所の安全と安心が保証されていることではじめて、休むという選択肢が取れるのではないかと思います。
適切に甘える場所や人がいることは、心の健康を保つ上でとても大切なことであり、欠かせないものであると私は考えています。
上記のような思いになった時、また一人で抱え込んでしまってどうしたらいいかわからない時にはぜひ、カウンセリングをご利用ください。
こんなことで相談していいのだろうか、と思うようなことでも構いません。
心理相談室O-Liveはあなたからの相談をお待ちしています。
担当するカウンセラーは臨床心理士・公認心理師という専門の資格を持っており、幅広い分野での勤務歴がありますので安心してご相談いただけたらと思います。
心理相談室O-Liveではこの秋、個人向けのオンラインカウンセリングだけでなくオンラインセミナーや心理職向けのSVなども行えるよう、現在少しずつ準備を進めているところです。
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臨床心理士・公認心理師
有馬 佐知江