卒育》結婚式の花束贈呈と涙
心を動かすのは、言葉の量じゃないんだな。
あたりまえだけど。
花嫁の父、おおかみは、長女ブーの結婚式に出席。
これでもう、子育てからは完全に卒業だね♪
事前に「証人のサイン以外は出番ないよ~」と言われていたのに、披露宴では何度も前に引っ張り出された。マジか。
そしておおかみは、大泣きしてやる~!と意気込んでいたものの、ついに泣かなかった。
限りなくリスキーだったのは、やっぱり花束贈呈ってやつだ。
今回は花束じゃなくて、
ママぶたには、ブーが生まれたときの重さのぬいぐるみ。
おおかみには、写真とメッセージが彫られたおしゃれなボードだった。
会場からも ”ここ泣くところでしょ?泣くよね?泣け!” オーラが出ていた…と思う。
おおかみが受け取ったボードには、メッセージがビッシリと書いてあった。
それをシッカリ読んでいたら、泣くタイミングを失った。
メッセージ、長くね?
これには伏線がある。
ブーのメッセージはいつも短い。中学卒業のときも、親への手紙は一言だけだった。
そのくせ後輩からのメッセージには手厳しく。バドのジュニア時代からの後輩には「一言しか書いてないじゃん!」と文句を言ってた。
長女ってワガママ。
一方のおおかみ、メッセージがやたら長い。半分成人式ではブーの良いところを100個も書いて、小冊子にして贈った。
なので、おおかみは事あるごとに「ブーのメッセージは短い!」と文句を言っていた。ひょっとするとそれで、今回は頑張ってたくさん書いたのか。
でも、言葉ってのは不思議なもので。
花束と一言メッセージだったら…泣いてたな。
いや、言葉なしで涙目で渡されたら、爆泣だったな。
メッセージは、長ければ良いってわけでもなかったようだ。
結局、短くても長くてもブーのメッセージにイチャモンつける…
おおかみってワガママ。
まあ、親子だから。
お涙レスの、笑顔あふれる宴を目論んでいたなら、長めのメッセージは大成功だ。夢と魔法の王国らしい、明るく、楽しい披露宴だった。
たしかに、2人はそれを狙っていたのかも知れない。
ボードを渡すときのブーはニコニコだった。
そう言えば、卒業のときもブーはニコニコしてた。
もし、いつもおおかみとママぶたを微笑ませるメッセージを考えていたのだったら、ビンゴだ。ブーはたいしたもんだ。
ブーに涙は似合わない。
これでよかったんだ。
心のこもったメッセージ、ありがとう。