【最新作云々㉞】今度の相手はベトナムに潜伏する牛刀でバッタバッタの凶悪誘拐殺人犯?! 怪力刑事と強力班のゆかいな仲間たちふたたび...な映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』
結論から言おう!!・・・・・・こんにちは。
先週末、起き抜けに近所をランニングしてたら地面のコンクリの凹凸でコケて擦り剝き青タンでトホホのホ・・・なO次郎です。
今回は韓国の最新映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』です。
ハリウッドでも活躍中のアクションスターマ=ドンソク主演かつ製作にも携わった大人気クライムアクションシリーズの第2弾!!
銃器に頼り過ぎない骨太で血飛沫の舞う超絶肉体派アクションおよび絶妙なコメディーセンスは前作に勝るとも劣らない見せ場満載で、三つ巴の複数勢力群雄割拠の抗争感は若干薄れたものの代わりに獲物を追い詰める大捕物の醍醐味は増し、特に終盤は人質奪還を巡ってのカーチェイスに頭脳戦を絡めた緊迫感で、練りに練られた一大傑作となっております。
解り易くエンタメとスリルを盛り込みやすく粗製乱造されるのがアクション映画であるなら、ジャンル映画として守るべきお約束が多いがゆえに翻ってちょっとした演出に製作側の個性が光るのもアクション映画。
アクション映画好きもそうでない方も参考ばかりに読んでいっていただければ之幸いでございます。
ネタバレ含みますのでご注意をば・・・まぁ、ネタバレ云々で楽しさが半減する類いの作品ではないですが。
それでは・・・・・・・・・・・・"こけちゃいました"
Ⅰ. 作品概要
※日本語版ページが存在しないため、翻訳等でご覧ください。
主なストーリーラインとしては、「ベトナムで誘拐ビジネスに手を染めていた犯罪者が自首してきたため、その身柄を引き受けに訪越した韓国警察のマ=ソクト副長とチョン=イルマン班長。そこから彼と組んでいたものの仲違いした金目当ての誘拐殺人の常習凶悪犯カン=ヘサンの存在が浮上する。ベトナム国内で接敵するも惜しくも取り逃がし、カンは自分に殺し屋連中を差し向けた韓国ビジネス界の大御所チェ=チュンベクに意趣返しするべく韓国へ秘かに帰国する。金のために誘拐殺人を繰り返す凶悪なカン一味、息子と面子を奪われたチュンベクと彼の配下の殺し屋たち、そしてカンを捕らえて一連の誘拐殺人を終わらせつつその裁きを受けさせようとする韓国警察強力班の三つ巴の戦いが始まる。」というもの。
作品内容的にあまり時代背景は重要ではありませんが、登場人物みんなガラケーを使ったりしていることから察するに2000年代後半のようです。冒頭のベトナムのホーチミン市での犯罪者天国ぶりの描写が問題視された向きがあるようですが、10年以上前の話とすることで一応のエクスキューズとする製作側の意図も有ったのかもしれません。
Ⅱ. マ=ドンソクを十二分に愛でられるマブリー描写と展開の数々
物語冒頭、ベトナムのだだっ広いリゾート建設予定地に不動産投資家青年(上述の韓国ビジネス界の大御所チェの子息でもあります)を誘き寄せて瞬く間にバンに連れ込んで暴力雨あられで屈服させるカン一味。のっけから耳チョンパの激痛描写で振り切りの覚悟のほどを見せつけてくれます。
で、処は変わって韓国へ・・・・・・非番で合コン中だったマ刑事が刃物で人質を取ってスーパーに立て籠もる錯乱状態の男を難無く制圧します。
中盤後半のコメディー描写は作品テンポを損なわないためにも短いギャグに集約されていくため、持って回ったゆったりコメディーは序盤に集中していますが、本作ではそれがベトナムでの犯罪者引き渡しのシークエンスに集約されています。
移送対象の犯罪者に自首の真意を吐かせようと捻り上げたり、街に出れば韓国から流れてきたであろうチンピラに目を光らせたり、そして彼らの外国での明らかな越権行為に怒りをあらわにする現地警察とそれを必死に宥めようとする外交官…。
描写としてはコミカルながら、海外ロケといえど悉く殺伐とした風景は本作のダーティーさをそのまま体現してもいます。
で、数年前から断続的に起こっている韓国人旅行者の誘拐殺人の下手人であるカンの存在がクローズアップされるのですが、早くもベトナム内でマ刑事VSカンの直接対決第1ラウンドが行われるのが演出としてニクいところです。当然ながら痛み分けにはなりますが、いきなりの頂上対決でアクションの総量を嵩上げしつつ、終盤の第2ラウンドへの期待を煽ってくれます。
そこからは自らに刺客を送られたことで逆恨みを募らせたカンがチェを新たな金蔓の人質とすべく韓国へと密航するのですが、警備が厳重なハズのチェの息子の葬式に忍び込んで難無く拉致に成功してしまうのが常軌を逸しているというか展開としてもやり過ぎというかなんというか。
とはいえさすがに多勢に無勢なのでカンは過去に一緒に仕事をした殺し屋兄弟を仲間に呼びますが、さすがに彼らもカンに負けず劣らずの狂犬ぶり。
カンの襲撃を迎え撃とうと控えていた殺しのプロたちをまたもや瞬く間にハンマーでモグラ叩きしていきます。
ここまで警察側はほとんどマ刑事の一人舞台(チョン班長はごめん……)でしたが、ここに来て強力班の若手二人が殺し屋デュオの一人を苦闘の末に逮捕する大金星!
そして後半は意外や意外の本格的な身代金受け取りを巡っての犯人グループと警察との頭脳戦とカーチェイス!
警察を翻弄しようと身代金受け渡しの車の進路を何度も変更させるカンと、その間になんとかカンのアジトと囚われのチェ会長の居所を突き止めようとする強力班たち。ガチムチの男たちによる格闘アクションがメインながら、後半はそこへ誘拐映画の緊張感の張りつめた駆け引きの面白さが加わります。
特にチェ会長の妻キムを演じるパク・ジヨンさんが実に良い存在感を見せており、身代金を要求するカンに対して一歩も引かないばかりか、デパートの中を悪漢から逃げ回るくだりはもうヒロインの域です。
強力班の活躍でなんとかチェ会長は保護されたものの身代金を死に物狂いで奪い取って逃走しようとするカン。
検問をまんまと突破しようとしたカンですが、マ刑事の根回しが功を奏して遂に逃走途中を押さえます。
前作のラストバトルの舞台はなんと空港のトイレ内であり、広さ的には十分だったもののなんとも奇抜さの印象ばかりが突出して肝心のバトルに集中しきれませんでしたが、今回はバス車内での最終決戦です。
狭い空間ではありますがそれだけにカメラが両者の一挙手一投足と憤怒の表情を画面いっぱいに捉えており、二人だけのデュエルを最高潮に盛り上げてくれます。
あれだけのえげつなく図太い二の腕だけにパンチばかりに目が行きますが、今回は渾身の蹴り技も披露してくれるのがマブリー的にも嬉しい限りです。
中盤でこのカンの起こした事件が危うく外務省の管轄に渡りそうになり、チョン班長の機転で捻りだした猶予の一週間で死に物狂いの捜査による解決に導きますが、作中で管轄のたらい回しが更なる凶悪犯罪の呼び水となったかもと思うと薄ら寒いところでもあります。
Ⅲ. 今後のマブリー映画について云々かんぬん
これだけのスターになってきてかなり出演映画も絞られてきたというか、入魂の大作に時間を掛けて取り組んでいる感が有りますが、せっかくコワモテと正反対なコミカルなイメージもお持ちなので、アクション控えめかいっそのことアクション無しのコメディー作も合間合間に刻んで欲しいところで。
Ⅳ. おしまいに
という訳で今回は最新の韓国映画『犯罪都市 THE ROUNDUP』について語りました。
韓国映画の歴代興収レベルの売り上げのようで、聞くところによると3作目のみならず4作目も既に企画されているとかなんとか。
Wikiによると次作である3作目は所轄から広域捜査隊に栄転のうえで韓国に渡った日本のヤクザを相手にするとかなんとか。せっかくの強力班メンバーが出なくなるのは寂しいところですがそこはスピンオフなりやってもらいたいし、新しいサポートメンバーの個性にも期待したいところで、対する日本のヤクザがどういうキャスティングになるのかも大いに楽しみなところです。
今回はこのへんにて。
それでは・・・・・・どうぞよしなに。