おはぎってNEOカワイイ

おはぎって好きですか?
ショートケーキとおはぎならどちらを選びます?


私は最近まで某CDショップで、邦インディーを守備範囲としていた“おはぎ”と名乗っている。
もちろん、本名じゃない。
名前に“はぎ”が付きそうだけど、名前に“はぎ”がつくわけでもなく、おはぎが特別すんごい好きな訳でもない。「おはぎ好きなの?」と、上司に聞かれた時も「いいえ」と即答できる位には好物ではない。
どっからおはぎなんてきたんだよ!って話を勝手にしようと思う。

昔から容姿にコンプレックスを持ってた。
いた、というより今も。
真顔なのに「眉毛がハの字になってるよ、体調悪いの?」と心配される程に泣き顔。
「お子様のお洋服お探しですか〜?」と弟と買い物に行くと言われる程老け顔。
常に実年齢より上に見られて年齢を当てられた事なんてなかったし、学生ならではの若々しさは皆無。
十二単衣が似合いそうな雰囲気を醸し出し
「平安時代ならモテたかもね」と言われる始末。
年頃の私はどうしても『今っぽガールになりたい!』という想いを抱えながら常に生きていた。

高校生になって飲食店でアルバイトを始め、髪を帽子に全てしまい顔が全方位へ晒しながら働いていた。結構恥ずかしかったし、やっぱり生きる時代を間違えてる感。周りの先輩方は大学生、フリーターの方が多く全方位にへ顔を晒しているのにも関わらず、みんな可愛い。まさに私の憧れていた今っぽガール。真似してみようかなぁ、なんて思い化粧をしてみても、やっぱり、滲み出る平安時代感。「何が違うんだよ…」と思い悩んでいたある日バイト先の店長が、私をまじまじと見つめてこう言ってきた。
「○○さんって、“おはぎちゃん”って感じよな」と。
私は『いきなりディスられてんじゃん。これはラップバトルか?』と思いアンサーを探していた。そうすると、その表情があまりにも悲しい表情だったのか「悪い意味じゃない!“ショートケーキちゃん”か、“おはぎちゃん”かって言われたら“おはぎちゃん”。おはぎにしかない美味しさを持ってる。その辺の量産されたショートケーキの美味しさにはない、おはぎならではの美味しさ。俺は子風で好き。それでいいねんで。“おはぎちゃん”って可愛いくない?“おはぎちゃん”って呼ぶわ!」と続けてきた。『いや、まさにその量産されたショートケーキちゃんになりてぇんだわ!』という心の叫びをなんとか抑えて「なんですか…それ」答えた。この勝負、完全に負けてる。

自宅で、やっぱり今っぽなガールにはなれないのか…と。母親にはなしてみると
「わかる、ショートケーキちゃんじゃない。“おはぎちゃん”。可愛いやん。あんたにしか出されへん味やねんからええやん。それ褒め言葉やで。」との事。
まぁ、たしかに傷ついても仕方がないし、もうこれは事実なんだし。その日から、徐々に事実を受け入れるようにした。
高校卒後に受けた面接では「19歳って書いてたからどんなチャランポランが来るかなと思ったらしっかりしてて驚いた。19歳にみえない」と褒められ採用された。初めて心の底からおはぎで良かったと思えた。

そんな事を、仕事で使うニックネームを考える時に、思い出して私は“おはぎ”を名乗るようになった。

今となれば、言っていた事も理解できる。
みんな同じじゃつまらないし、これでいいと。
それに、間違いなく私もショートケーキとおはぎならおはぎを選ぶ人間。
あの時は傷ついたけど今となっては“おはぎちゃん”は結構気に入ってる。

みんなちがってみんないい、NEOカワイイ〜!って話でした。

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