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アニメ主題歌に出来そうなEDM曲をAIと一緒に作る

7/27にEpic Vanguard5作目のシングル「Eternal Soar」をリリースしました。

今後、Epic Vanguardの主な音楽性にしていきたいものとして、メロディックで幻想的なダブステップ・フューチャーベースと、サイバーでダークな重いミッドテンポ・サイトランス・ドラムンベース、という二本柱の方向性が今自分の頭の中にありまして、

その「メロディックで幻想的」サイドの方を担当する曲として作りました。


着想はアニメ

最近のアニメって、エンディングテーマとかに洋楽曲が流れたりすることも多くて、たとえば怪獣8号とか、少し前だとジョジョもそうでした。あとは、菅野よう子さんとか澤野弘之さんも劇中歌で海外のボーカリストが歌うボーカル曲をサウンドトラックに入れたりしています。

そこで、Epic Vanguardがもしアニメの主題歌に抜擢されたら、というテーマで1曲作ってみることにして、アニメの曲らしく歌をちゃんと聴かせる方向性で、でもドロップはちゃんとメロダブしてる、という今のJ-POPじゃまずないだろう曲調にしてみました。

以前からいつか作りたいなと思っていたのは「ヴァイオレットエヴァーガーデン」をモチーフにしたもので、少女の形をした戦争兵器が何らかの理由で戦場を離れて、兵器としての能力を放棄して本当の自分の生き方を探す、というストーリーを考えてました。

メロディックダブステップ自体、アートワークやビデオに少女が謎にモチーフとして描かれていることがよくあり、そんな世界観や雰囲気に親和性あると思っていたのもあって、

イメージ的には、深夜アニメで、絵がめちゃくちゃ綺麗で、でも話が超どシリアスな内容で凄惨な場面もあって賛否分かれそうで、だけど好きな人は本当に好き、みたいな作品がもしあったら自分ならこんな曲をつける、という妄想作品をベースに作りました。

歌詞はChat GPTとコライトしてみた

作詞も自分でやったんですが、作詞の作業って結構辛くて、メロディ+後ろのトラック(音)を作る労力と同じくらい、つまり実質2曲作ってるくらいの作業量があってなかなか腰が重いところがあるので、

今回は実験的にChat GPTを使って歌詞を作るという試みをしてみました。

曲が一通り出来てメロディもほぼ完成した段階で、こんな形でまず(雑な)プロンプトを打ってイメージを伝えると、

秒でフルコーラスの歌詞をざざっと出してくれるので、それを元に頭からメロディに乗せて歌ってみて、もし合わないところがあったら、

という感じで代替案を出してもらって、そこからまた歌って確かめて、をひたすら繰り返します。

あとはメロディに対して単語数少なくて足りないところに、自分から言葉を入れて、

こちらからの確認も挟んで、といった形で、こんなやりとりを合計50往復はやりました。

歌入れ前の制作はいつも一人なので、誰かと共同作業、コライトしてる感じがあって結構楽しかったです(しかも無茶苦茶言っても一切嫌がらないので、人間とやるよりスムーズだった笑)

やっていて一番助かったのは合わなかった場合の代替ワードを出す時で、自分でやるとかなりしんどい作業になるんですが、

こんな風にいくつかパターンを同時に出してもらってこちらから選べる、というのがとてもよかったです。

このやり取りでおよそ2〜3時間ほど経て、サクッと全体が完成しました。(完成した歌詞は全てこの動画で出てきます↓)

かなり助けてもらったので、「作詞のクレジットをChat GPTにした方がいいの?」と確認すると、

ということだったので、Chat GPTがやってることはユーザーが創造したストーリーに基づいて言葉を並べて提案しただけ、それを選んで歌詞に仕上げたのはあくまでもユーザー、という建て付けみたいです。

まあ、僕は完全に丸投げしたわけじゃなく、自分からも確認したり、出されたものを組み合わせたりとAIを使役して歌詞を作ったわけだからそれはそうですね。

だから、メディアが一時期煽ってた「AIが人間の創造性を奪う」なんてことはなく、あくまでもPCとかスマホのような、人間の能力を補助する道具、という立ち位置が今の生成AIみたいです。

作業としては非常に楽で助かりました。依頼されて作る仕事での曲でこれをやるのはちょっと躊躇してましたが、補助ツールとしてなら全然問題ないな、と思いました。

アートワークもAIにお願い

歌詞の世界観やストーリーを知ってるわけだから、そのままの流れでアートワークもお願いしてみました。

「この歌詞でアートワーク作って」と頼んで一発目に出てきたのは

イメージ合ってるんだけど、ヴァイオレットエヴァーガーデンが元ネタなんだから人物はおっさんじゃないよな〜と思い、「アニメ美少女にしてくれ」と頼んだら、

おお、今度は結構いいな!でも色々ゴチャついてたり、真ん中の光が意味不明だな、別パターンください、ということで、

なんかどんどん絵柄が変わっていくのと、謎の文字が入っている、鎖が物々しい、あとミニスカートはちょっとヲタクっぽくてなんかな〜、と思い、その辺りを修正してくれと頼むと、

「スカートを膝丈にしました!」と自信満々でこれが返ってくる(笑
なんか顔不気味だし、鎖は消してくれと言ったはずだが、と伝えて、何度かのやりとりを経た結果、今の状態になりました。

(ヴァイオレットエヴァーガーデンというよりはニーアオートマタっぽいかも)

文字は自分で入れました

何やら調べたところによると、Chat GPTの画像生成はDALL-Eという画像生成AIを別で使っていて、ユーザーが入れたプロンプトをChat GPTが受けてDALL-E用のプロンプトに1回書き直し、DALL-Eから画像をもらってChat GPTが返してる、という下請け構造になっている仕様で、

Chat GPTとDALL-E間でたまに意思疎通が上手くいかず命令が一部ロスしたりするらしい…ということが分かりました。中抜きダメゼッタイ。

出てきた画像を元に、Google画像検索とPixivのドメイン内画像検索で画風が完全一致してる人いないかなという確認だけ一応して問題なさそうだったので完了、としました。(なんか絵の雰囲気的には日本というより中国のアニメーターとか絵師っぽい感じがします。僕は結構好きですが)

Epic Vanguardはこれまでの4作品、抽象的なアートワークでやってきたんですが、今回はサイバーファンタジーというコンセプトを端的に表現した、かなり具体的なものになったなという印象があります。

ボーカルはがきえさん

ボーカルは僕の曲で言うと一番よく聴かれてる雪月花を以前歌ってくれたがきえさんにお願いしました。

歌もめちゃくちゃ上手い上に英語歌唱もいける人なので、Epic Vanguardでもお願いしたいな〜と思っていたところ、この曲の幻想的、浮遊感みたいな部分がマッチしそうと思ってお願いし、結果とてもいいものが出来たと思います。

ギターも弾いた

Eternal Soarではガッツリギターも弾きました。

今回の使用ギター

クリーントーンでのアルペジオやストローク、歪みでのリードは右側のIbanez AZで、エンディングのアコギのストロークは左のアコギを部屋で録りました。(生録りは相変わらず難しいですね…)

ギターは積極的に入れていって自分のサウンドの特徴にしたいと思ってるので、早速今回の曲で実行できてよかったです。

最後に

Chat GPTという仲間を加えて、がきえさんにも協力してもらって出来たEternal Soarの制作過程をお話しました。

世界観重視のEpic Vanguard的には作ってる過程を赤裸々に話すのもどうなのだろう、という気もしてますが、出来るだけ多くの人に興味を持ってもらいたいし、依頼案件じゃなく自分の作品ならこういう制作過程を話しても問題ないだろということで解説してみました。

個人的にはすごく気に入ってるEternal Soar、今後のEpic Vanguardの代表曲の1つにしていきたいので、ぜひ聴いていただいて感想をもらえると嬉しいです。


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