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日本酒地図を作ろう!!〜㊷石川の巻〜
みなさん、こんにちは。米好き酒好きTKDです。
朝晩はすっかり涼しくなったので、そろそろコイツの出番じゃないでしょうか?
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「おでんって、ちょっとのつもりがいっぱいできちゃうよね(つぶやきシロー先生風に読んでね)」
おかげで大人はテンション爆上がりでしたが、子どものテンションは墜落しました。まぁ、分からなくはないんです。自分が子どものときも「今日のご飯はおでんだよ」って母ちゃんから言われたときに、ちょっとがっかりした記憶がありますので。
味が薄い
脂っ気がなくて物足りない
練り物の味がみんな同じだ
ご飯のオカズとして認めたくない
「分かるなぁ、パパも昔はそうだったよ」と、ちょっとだけ共感できちゃいます。
さて、こういう場合ひょっとして普通のご家庭ならば「好きそうなお肉でも炒めてオカズにしてあげようかなぁ、、、」と、お考えになるのでしょうか?一方、TKDん家では「ここまで子どものテンションが下がったのならこれ以上は下がらない。ならばオカズは徹底的に大人目線で!」という発想となります。その結果、
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いいですねぇ、この「茶色さ」。いくら食べても身体のためになってくれそうな気がしませんか?大人たちのテンションは成層圏に達するわけですが、子どもたちのテンションは墜落後地中深くまでめり込んでいきました。
圧倒的な大人ご飯✨子供たちよ、大人って楽しいぞ!こんなウキウキした気持ちでお迎えしました「天狗舞 百万石乃白」です。
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口に含んだ瞬間私は、「なんとまぁ、上品なお味だわ」とつぶやいてしまいました。「純米大吟醸とはかくあるべし」と言わんばかりの王道ど真ん中。「雑味がなくてクリア」「華やかでフルーティ」という表現がピッタリな味わいです。まるで、大人がオカズで存分に楽しめるように、口の中をクレンジングしてくれたかのようで、鯖もおでんも本当に美味しくいただくことができました。
やがて身体がほんのりと温まってきて、今度は大人の会話が弾み出します。この日のテーマは「アラフォー夫婦の成長論」となりました。お互いが、一社会人として、一人の親として、何を心がけて過ごしてきたのか、そしてどんなことができるようになったのか、それを手放しで讃え合うというような会話になったんです。
妻:「息子のお弁当のオカズ、必ず一つは朝作るようにしてるんだよねぇ」
俺:「へぇ〜、毎朝早いのに凄いじゃん!」
妻:「去年はできなかったことが今年できてるって、やっぱりイイよね」
俺:「それで行くと俺は、哲学者とか評論家が書いた単行本を読了できるようになってきたよ」
妻:「あぁ、それは凄いわ。。私も何か他のことトライしてみようかな」
これ、TKDん家では非常に珍しい光景です。
どちらかというと我々はお互い、人の良いところを褒めるタイプではなく、良く無いところを指摘するタイプの人間です。酒が進むとネガティブな方向にボルテージが上がってしまい、ちょっと気まずくなってしまうケースもあるのですが、この日はとってもポジティブで、気持ちよく1日を終えることができました。
それもこれも、天狗舞のおかげなんじゃないかと思うんです。
自分は一切の主張をせず、さりげなく周りを引き立てるような味の特徴を活かして、私たち夫婦の周りを優しい空気で包んでくれたから、こんな会話ができたんだと思います。おかげでお互いの承認欲求が適度に満たされて、「明日も頑張ろう」って思えています。
醸造元である車多酒造さんのHPにお邪魔すると、「入社3年目の若手蔵人が、天狗舞をライバルと見立てて新しいお酒作りに挑戦していて、それを極上の杜氏が支援しながら技術を伝承していく」というプロジェクトがあったようです。
新しいことへの挑戦と、それを支援する文化。これが、味にも染み込んでいるのでは無いかと思います。
人を活かせば、自分も高まる。
とても大事なことを教えていただきました。