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自分探しに終止符?

なぜ人は自分探しをし、悩むのか。

ズバリ、原因は「選択肢過多効果」だ。


選択肢過多効果とは、何かをする際に選択肢が多すぎて、何を選んだらいいか混乱してしまい、悩んでしまうことである。
そして、合理的な判断・決断に至らないという認知バイアスの一つである。

例えば、お店に帽子が50種類あって、どれがいいか試してみたり、比べているうちに何が良いか分からなくなったり、帽子自体いらないのではないかと考えたりと悩んだりして、結局何も買わずに帰ったりと、みなさん経験がおありだろう。
これが選択肢過多効果である。

また、高校に入学して、部活動は何をしようと色々調べて、色々な部に体験入部しているうちに、「何部に入ればいいのだろう」「自分は本当は何がしたいのだろう」と悩み、そのまま時が過ぎていくという自分探しパターンも同じく選択肢過多効果である。

大人になっても、PC・スマホを使ってみても、ありとあらゆるアプリがあり、色々な用途に使え過ぎて、色々なことがやれ過ぎる。
趣味もありとあらゆるものの中から選べ過ぎる。
学習も色々なものの中から選べ過ぎる。
職業選択が自由過ぎる。
よって、現代は選択肢過多効果で自分探しをしてしまう方が多いと思われる。

昔は、家の仕事をそのまま継ぐなど職業選択は限られる。
結婚相手は勝手に決められる。
余暇のアクティビティは今ほど選択肢が少ないなど、選択肢過多効果が発生しづらいため、自分探しをする人は少なかったと思われる。

では、選択肢過多効果を発生させないためにはどうすればいいか。

指輪選びで例えよう。
今、お店に自分のサイズに合う40種類の指輪がある。

  1. その中からいいと思うものを複数(例えば8つ)選び、トレイに並べる。

  2. そのトレイに並べた(8つの)指輪の中から1つ(ないし2つ)を選ぶ。

  3. 2で選んだものを購入。

このように、多くの選択肢の前で何をやろうか決める際に、その中から面白そうだったり興味があるものをリストに書いて、次にそのリストの中から選べば決められるということだ。

自分自身については、その人が置かれた環境の中でのその人の役割・立ち位置・振る舞いによって説明しやすいものだ。

例えば、「仕事は派遣でExcelを使用する一般事務です。段々高度なことができるようになって、頼りにされてきました。」
「近頃DIYに凝ってます。友達からDIYを教えてと言われ始めました。」
「趣味でベースを弾いていて、SNSに演奏動画を上げるとたまにイイネがつきます。」
「カフェ巡りが好きで、店員さんに顔を覚えられ始めました。」
「FP資格取得しました。履歴書に書いたらその分野の有識者と認められました。」
「家庭では飼い犬の散歩係です。その間に妻は家事をやってくれます。」
「**のライブに仲間と行くのが楽しみです。」
「バイトを始めました。店長にすごく感謝されてました。」
「家族に自分の作ったオムライスが好評です。また作ってと言われました。」
「家で子供の勉強を見てあげてます。教えたら、子供が算数の計算がよくできるようになりました。」などだ。

このように、社会や置かれた環境の中で、自分の役割や立ち位置・振る舞いが説明できた時に、その人は自分が見つかっている。
その証拠に、その時その人は自分を探していない。

それは「自分」を構造主義的に捉えることであったり、「自分」という言葉の言語ゲームであるという説明もできる。

簡潔にまとめる。
何かをやっている時に他者との関係性ややりとりや、周囲(環境)との関わりで自分が見つかる。
また、選択肢過多効果によって「自分は何をしたらいいんだ? そもそも自分は何が好きなんだ? あーもう自分がわからない」で自分探しになっているだけだとわかれば、自分探しは終わる

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Hayato Nishio@音に囃子
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