脊髄後角とゲートコントロール理論をシンプルに理解しよう
みなさん、「脊髄後角」って聞いたことありますか?
ちょっと難しそうに聞こえるかもしれませんが、
要は痛みがどのように感じられているかを
コントロールしている場所の話なんです。
今回は、痛みがどう脳に伝わって、
どうすれば痛みが弱まるかを説明する
「ゲートコントロール理論」について、
ざっくりと解説していきます。
1. 痛みってどうやって感じるの?
痛みを感じる仕組みって結構単純で、
皮膚にある「自由神経終末」っていうセンサーが
刺激されることでスタートします。
この信号は、痛みを伝える
「Aδ線維(素早く痛みを伝える神経)」や
「C線維(遅く痛みを伝える神経)」を通じて、
脊髄後角に向かっていきます。
例えば、足の指をテーブルにぶつけたときのあの
「ズキッ!」って痛みも、
この神経たちが「痛い!」って信号を
脳に送っているからです。
脊髄後角でこの信号が処理され、
痛みとして認識されるわけですね。
2. ゲートコントロール理論って?
ゲートコントロール理論は、
脊髄後角で痛みの伝達が「ゲート(門)」のように
制御されているという考え方です。
このゲートが開いたり閉じたりすることで、
痛みが強く感じられたり、逆に弱まったりします。
たとえば、痛い部分を軽くさすったりすると、
痛みが和らぐことがありますよね?
これは「Aβ線維(触覚を伝える神経)」が活性化して、
脊髄後角で痛みの信号を抑えているんです。
つまり、ゲートが閉じている状態です。
逆に痛みが強く感じるときはゲートが開いていると考えられます。
3. 脊髄後角での信号処理
脊髄後角には、痛みや感覚を処理するための
「層(lamina)」があります。
例えば、lamina I層は強い痛みを受け取り、
脳へ送る役割をしています。
一方で、lamina II層は、痛みを和らげる処理をしています。
この層でバランスを取ることで、
痛みが強すぎないように調整されているんですね。
4. 痛みと触覚の違い
痛みと触覚は、脳に伝わる経路が違います。
触覚は「Aβ線維」が速く伝え、
「柔らかい」「硬い」みたいな感覚を伝えます。
一方で、痛みは「Aδ線維」や「C線維」を通って遅く伝わり、
その強さや種類によって異なる痛みが感じられるんです。
痛みの伝わり方も細かく仕組まれてるんですね。
5. 痛みを抑えるメカニズム
脊髄後角には、痛みを抑える「抑制性介在細胞」
という細胞が存在します。
触覚を伝えるAβ線維が働くと、
これらの細胞が動いて痛みを感じにくくしてくれるんです。
一方で、痛み信号が強くなると「興奮性介在細胞」が活性化し、
痛みが強く感じられます。
痛みをどう感じるかは、
この細胞たちが頑張って調整してくれているんですね。
6. 最新の痛み研究
最近の研究では、
Aβ線維が痛みを和らげる仕組みがさらに解明されています。
これを利用して、痛みをコントロールする
新しい治療法が開発されるかもしれませんね。
痛みがつらいときも、今後の医学に期待です!
まとめ
ゲートコントロール理論は、
痛みの感じ方を脊髄後角でどう調整しているかを
説明する重要な理論です。
痛みは脳にただ伝わるだけじゃなくて、
脊髄でしっかりと「ゲート」を使ってコントロールされているんです。
この理論が進化することで、
痛みの治療もどんどん進んでいく可能性がありますね。
参考文献:
土井 篤, 脊髄後角における感覚伝達とゲートコントロール理論を考える, 保健科学研究誌, 熊本保健科学大学大学院保健科学研究科リハビリテーション領域, Journal of Health Sciences, No.14:17-27, 2017