腰痛に悩む人必見!Oswestry Disability Index(ODI)日本語版のスゴさとは
みなさん、腰痛に悩んだことはありますか?
現代社会では、腰痛はとっても身近な問題ですよね。
仕事で座りっぱなしだったり、
家事で重いものを持ったりと、
腰への負担は増えるばかり。
そんな腰痛の程度を「科学的に」測れる方法があるんです。
今回は、その代表的なツールである
Oswestry Disability Index(ODI)について、
日本語版を紹介していきます。
そもそもODIって何?
ODIは、1976年に慢性腰痛患者のために開発された質問票です。
これは、腰痛が患者の日常生活にどれだけ影響を
与えているかを数値で測れるもので、
世界中で使われています。
ちなみに、日本語版は2003年に公式に翻訳されて、
国内でも広く使われています。
ポイントはここ!
ODIは、単に「痛みがあるかどうか」を測るだけじゃないんです。
日常生活でどれだけ不便を感じているか、
例えば「歩くこと」や「座ること」など、
具体的な状況を評価します。
これが、医師の診断だけではわからない
「患者自身が感じる困難さ」を測るために重要なんですね。
ODIの構成はシンプル!でも奥が深い
ODIの質問は10項目から成り立っています。
それぞれの項目は、6段階で評価できるようになっていて、
簡単に答えられます。
たとえば、次のような質問が含まれています。
痛みの強さ:今どのくらい痛いか?
身の回りのこと:着替えや洗顔など、日常の動作ができるか?
物を持ち上げること:どれくらいの重さのものを持ち上げられるか?
歩くこと:どのくらいの距離を歩けるか?
座ること:どれだけ長く座れるか?
立つこと:どれだけ長く立てるか?
寝ること:どれだけ続けて寝れるか?
性生活:どれだけ影響があるか?
社会生活:どれだけ影響があるか?
旅行:どれだけ長く移動できるか?
ここがODIのいいところ。
単純に「腰が痛い」と言っても、
人によって影響はさまざま。
ある人は重いものを持てないし、
別の人は座っていられないかもしれない。
ODIはそうした個々の「生活上の困難さ」を
把握するために作られています。
じゃあ、ODIのスコアってどうやって計算するの?
ODIのスコアは、0%から100%までの範囲で表されます。
スコアが高いほど、腰痛による障害が重いということです。
具体的には、10項目の合計点を計算して、
その合計を満点の50点で割り、%に直します。
結果の解釈
ODIスコアの解釈は以下のように行います:
0-20%: 軽度の障害
21-40%: 中等度の障害
41-60%: 重度の障害
61-80%: 著しい障害
81-100%: ベッド上での生活や症状の誇張
例えば、「歩くこと」の項目で、
100メートルしか歩けないならスコアは3点。
それを他の項目と合わせて計算していきます。
回答にかかる時間はわずか7分程度。
つまり、短時間で患者がどのくらい不便を
感じているかがわかるというわけです。
ODI日本語版の信頼性と妥当性
ODIは世界中で広く使われていますが、
日本語版はどうなのでしょう?
信頼性や妥当性がしっかりしていなければ、
使う意味がありません。
そこで、研究者たちは日本語版ODIがどれだけ
「信頼できる」かを検証しました。
まず信頼性について。
これは、同じ患者が何度回答しても結果が
ほぼ同じであるかどうかを確認するものです。
日本語版ODIは、24時間のインターバルでテストしたところ、
相関係数が0.93という非常に高い値を示しました。
つまり、回答の結果が安定している=信頼できるということです。
次に妥当性です。
ODIが本当に患者の日常生活における困難さを
正確に反映しているかを調べました。
その結果、他の腰痛評価法(RMDQなど)とも
強い相関があり、ODIのスコアが正確に患者の状態を
評価していることが確認されました。
ODIの使い方は自由自在
ODIは、患者自身が感じている痛みや不便さを
評価するためのツールですが、その応用範囲は広いです。
例えば、患者が治療を受けた後の経過を
追跡するのにも役立ちます。
ODIを使うことで、治療の効果を具体的な数字で確認できるんです。
さらに、ODIは国際的に広く使われているため、
過去のデータと比較することも簡単です。
たとえば、日本国内で治療を受けた患者のスコアを、
海外の患者と比較してみることもできるんですね。
まとめ
腰痛に悩む人にとって、
日常生活がどれだけ不便かを正確に把握する
ことは非常に重要です。
ODI日本語版は、そのための信頼できるツールであり、
患者自身が感じる症状や障害を正確に評価できます。
ODIは、日常生活における具体的な困難を測る質問票。
短時間で信頼性の高い結果が得られる。
日本語版も信頼性と妥当性がしっかり確認されている。
このように、腰痛患者が自分の状態を正確に把握し、
治療の効果を確認できるツールとして
ODIは非常に役立つ存在です。
今後も、腰痛の評価にODIを使っていくことが期待されます。
論文タイトル: Oswestry Disability Index ─日本語版について─
著者: 藤原 淳, 野原 裕
掲載誌: 日本腰痛会誌
巻号: 15巻1号
ページ: 11-16
発行年: 2009年
所属: 藤原整形外科, 獨協医科大学整形外科
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