腰椎手術後の復職について考えてみた
今回のテーマは「腰椎手術後の復職」です。
皆さんの中には、腰痛で悩む方や
手術を検討している方もいるかもしれませんね。
実は、腰椎手術後に仕事に復帰するまでの
プロセスについて詳しく調べた興味深い研究があるんです。
難しい論文ですが、わかりやすく解説してみます!
なぜ「復職」が大事なのか?
腰椎手術を受ける患者さんは、
日常生活や仕事に支障をきたしているケースが多いです。
手術後に仕事に戻れるかどうかは、
生活の質を左右する大きなポイント。
収入を確保するだけでなく、精神的な健康にも関わります。
一方で、仕事量(デスクワークか重労働か)や
手術の種類(軽い処置か大がかりなものか)によって、
復職までの時間が違うことが予想されます。
この研究では、それを科学的に調べています。
どんな研究なのか?
今回紹介するのは、カナダの多施設で実施された大規模な研究です。
研究対象はなんと1,290人!
18歳以上で腰椎手術を受けた方々です。
ポイントは「術前にすでに働いていた人」に絞っていること。
つまり、手術後に職場復帰できるかどうかが
現実的に問われる人たちですね。
仕事量は次の3つに分類されています:
軽作業: デスクワークなど、ほとんど体を使わない仕事。
中程度作業: 20~50ポンド(約9~22kg)の荷物を扱うような仕事。
重作業: それ以上の重いものを扱う仕事。
手術の種類も
「非融合手術(軽めの手術)」と「融合手術(重めの手術)」
に分けて、復職率や復職までの時間を比較しています。
結果から見えてきたこと
さて、結果がどうだったのか。これがとても興味深いんですよ!
全体の復職率
まず、1年以内に復職できた人は全体の82%!
思った以上に多いですね。
軽作業の人は84%が復職。
重作業の人でも77%が復職。
「手術後は働けなくなるのでは…」と
不安になる方も多いと思いますが、
7~8割以上が復職できるのは希望が持てます。
復職までの期間
復職までの日数も重要です。
軽作業の人は平均47日で復職。
中程度作業の人は61日。
重作業の人は73日。
つまり、仕事の負担が軽いほど早く復職できる傾向があります。
一方で、融合手術を受けた場合は、
仕事量による違いはあまり見られず、
約10週間で復職していました。
外科医のアドバイスと現実
研究では、外科医が患者にどんなアドバイス
をしているかも調査しています。
ここが面白いポイント!
非融合手術の場合、軽作業なら2~6週間で復職可能とアドバイスするケースが多い。
重作業なら7~12週間の休養を勧めることが一般的。
融合手術の場合は、重作業だと12~24週間の休養を提案する外科医が多いようです。
実際の観察結果を見ても、
外科医の推奨とほぼ一致しており、
復職時期の指導が重要な役割を果たしていることがわかります。
ここから学べること
この研究、実は私たちの日常生活にも応用できるんです。
腰椎手術に限らず、「どうやって職場復帰するか」
というテーマは、多くの人が直面する課題です。
この研究から、次のような教訓が得られます。
手術前に計画を立てることが重要: 復職のタイミングを現実的に考えておきましょう。医師と相談し、自分の仕事量や仕事内容に合った計画を作ることが大事です。
無理をしない: 手術後すぐに無理をすると、回復が遅れるリスクがあります。特に重作業の方は、少し長めの休養を取る方が賢明です。
医師とのコミュニケーション: 外科医のアドバイスを信じて、自分のペースで復職するのが成功の鍵です。ポジティブな姿勢も重要ですよ!
結論:復職は現実的なゴール!
腰椎手術後の復職について心配している方へ。
この研究は、手術後に仕事に戻れる
可能性が高いことを示しています。
軽作業であれば、1~2ヶ月程度で
復職可能なケースが多いですし、
重作業の方でも少し時間をかければ復職できるケースが大半です。
手術を受ける前に、
「どのくらい休む必要があるか」
「どんなペースで復帰するか」を考えておくと、
心の準備ができますね。
ぜひこの記事を参考に、前向きにリカバリーを進めてください!
「まだ腰が痛い…」という方は、
手術の前に他の選択肢も検討してみましょう。
健康第一でいきましょうね!
論文タイトル
Effects of Workload on Return to Work After Elective Lumbar Spine Surgery
(腰椎選択的手術後の復職における仕事量の影響)
著者
Supriya Singh, MD, MSc, FRCSC
Greg McIntosh, MSc
Nicolas Dea, MD, MSc, FRCSC
掲載誌
Global Spine Journal
Vol. 14, Issue 2, Pages 420–428
発行年:2024年(原稿完成:2022年)