成功者にはモラル破綻者が多い
前回に引き続き、
高所得者の仕事は本当にその報酬を受け取るだけの価値があるものなのか?
という話をしていく。
高所得者の中には、倫理的に問題のあるやり方で金を稼いでいる人間が少なくない。
たとえばSNSやブログの世界で成功者を装っている者の多くは「稼ぐ方法を教える」というやり方で稼いでいる。
彼らは自分の教える方法を実践すれば誰でもカンタンにお金が稼げるのだとそそのかす。
だが『ブログで稼ぐ系の話は95%嘘』で述べたように、実際にはブロガーのほとんどは月1,000円すら稼げていないのが現状だ。
つまり彼らの目的は情報商材を売ったり紹介報酬を得ることであり、目的を達成するためなら平気で嘘をつけるのである。
そもそも楽に稼げる方法があるのなら自分で実践すればいいわけで、わざわざそれを広めてライバルを増やすような真似はしないだろう。
これはFXや仮想通貨などをやたらと勧めている者にも同じことが言える。
本当に稼げるのなら、ひっそりと自分だけ稼いでいればいい話だ。
にもかかわらずどうして「必勝法」と称した情報商材を売ったり、見ず知らずの他人に口座開設を勧める必要があるだろう?
あるいは以下の記事で述べたような手法で信者ビジネスをする者もいる。
(教祖化したインフルエンサーや活動家はほとんどがこのカルト的手法を使っている。Twitterはもはやカルト集団の巣窟だ。)
こうしたモラル破綻はネットの世界だけでない。
身近な仕事の中にも、倫理的にどうなのかと思われる商売手法はたくさん見られる。
たとえば中古車の買取業者の多くは査定時にこんなセリフを言う。
「どこの業者でもこれ以上は高く売れないと思いますよ」
「目一杯がんばってもこの金額ですね」
だがこれはマニュアルに設定されたセリフであり、実際には高確率でそれより高い金額を引っ張り出せる。
これはある意味、相場の知らない客を騙していると言えるのではないだろうか?
ブランドの世界もそうだ。
ただの布切れに価値があるように見せるのと、ただの壺に価値があるように見せるのとではいったい何が違うのだろうか?
本質的には大差ないように僕には思える。
これらはほんの一例であり、市場主義社会では少なからぬビジネスマンが営利目的の嘘をついているのではないだろうか?
あるいは直接的ではなくても、モラルの希薄な営利主義の企業で働くことで間接的に悪行に手を貸しているかもしれない。
以上のように、道徳的には問題のある仕事でも、市場的には高い価値を持ってしまっているケースは多々ある。
もちろん高所得者の仕事がそんなものばかりだというつもりはない。
だが決してごく一部の特殊な例というわけでもないだろう。
続く