最近の読書記録:2024年9月後半
こんにちは。Nyupyです。
9月後半も「夏?」っていうくらいの気温で読書にはつらい日々でしたね。
私の理想的な読書環境、シチュエーションは
☆ 焙煎もしているコーヒーショップの奥の席で
☆ 湿度の低い夏の高原、気温は25℃くらいで、大木の木陰のベンチでそよ風に吹かれながら
☆ 秋晴れの日、窓際のソファーでコーヒー片手に
☆ 冬の朝、寝起きのベッドの中でぬくぬくとしながら
なかなか理想的な読書をするのは難しいけど、秋らしいさわやかな気候の中で読書ができることを楽しみにしつつ、9月後半に読んだ本のご紹介です。
2024年9月後半に読んだ本
『老人ホテル』 著:原田ひ香
おすすめ度:★★★★☆
勝手に本の帯コメント:一歩踏み出せば、人と繋がり未来が広がる
生活保護や大家族として生活を晒すことで暮らす家庭で育った主人公。天使(エンジェル)というキラキラネームも親のセンスや生き方を現していて秀逸だ。
働くことが負けで楽してお金を得ることを勝ちとする家庭に育つ子供は少なくない数居るんだろうな。高校で金融教育が始まったけど、本当に必要な子供は高校に行かなかったり中退することも多い。なので、中学生に国民の三大義務(教育の義務(教育を受けさせる義務とする場合もある)、勤労の義務、納税の義務)と一緒に金融教育も教えてほしい。
『倒産続きの彼女』 著:新川帆立
おすすめ度:★★★★★
勝手に本の帯コメント:倒産続きは偶然?それとも計画的?
『元彼の遺言書』の続編的小説。
主人公は剣持麗子の後輩の美馬玉子。庶民的でぶりっ子で頑張り屋でそして他人に頼るのが苦手。玉子の事情はネタバレになるので期さないけど、近くに居たら抱きしめたくなる。
今回は闇の世界の一端を覗き込んだようなお話。完全なるフィクションではないだろうなと思わせるのは、筆力と弁護士なら知っているだろうなと思わせる経歴だろう。
利益を追求すると数値や勝負が最優先になり、人が置いてきぼりになる。ある程度は仕方がないかもしれないけど、やっぱり商売は「三方良し」じゃないと歪になると改めて感じた
『メイド・イン京都』 著:藤岡陽子
おすすめ度:★★★★★
勝手に本の帯コメント:京都で作るのは、家族?作品?それとも…
関西人が読んでも京都の良いところと「いけず」なところに共感できる作品だった。京都のボンの上品で我儘なところや、良い人だけど心の底では人を信用していない感じも。
ハラハラドキドキの展開はないけど、穏やかで真直ぐなお話は読んでいて心地よかった。」
『先祖探偵』 著:新川帆立
おすすめ度:★★★★☆
勝手に本の帯コメント:祖先を知ると自分が解る
戸籍を基軸とした連続短編。
幽霊戸籍、棄児戸籍、焼失戸籍、無戸籍、棄民戸籍など、戸籍にはいろいろな背景がある。無戸籍の短編であったように他人の戸籍を得ること不可能ではなく、現状でも他人の戸籍で生きている人が居るんだろうなと感じた。
マイナンバーになってもこの問題は変わらないだろう。
平野啓一郎の「ある男」や宮部みゆきの「火車」など戸籍乗っ取りや売買の話は読んだことがあるが、棄児戸籍や棄民戸籍など初めて知ることも多く、考えさせられるお話だった。小説の展開としては最後まで分からない部分などもあって間延びしたように感じたのは残念でした。
『偉大なる、しゅららぼん』 著:万城目学
おすすめ度:★★★★★
勝手に本の帯コメント:フィクションを超えたフィクションは面白い
関西に住む者にとって琵琶湖は身近な存在です。
湖畔を散歩すると周辺道路と湖面の高低差が少ないことに驚き湖には潮の満ち引きが無いことを思い出したり、湖水浴をすれば身体が塩でべたべたしないことに感謝したり。
そんな琵琶湖と関西人にとっては遠い土地である湖北を舞台にしているのが本作だ。主人公の涼介は物語の中では一番普通っぽいがそれでも変わっている。奇想天外な人たちがあり得ない状況を不思議な力で切り開いていく。シチュエーションや能力は非現実的だけど、心の動きや考えは現実的で読み進めるにつれて涼介や淡十郎、棗、清子に寄り添ってしまった。
あり得ないと思いつつ地図アプリで石走を探してしまったのは、作者の術中にはまっているからに違いない。
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