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最近の読書記録:2024年12月前半

こんにちは。Nyupyです。

寒くなってくると、温かいカフェでの読書が心地良い。
深夜に毛布にくるまりながら読むのも楽しい。
子供の頃は、押し入れでこっそりと本を読んでいたなぁ。
読書は小さな空間が落ち着くのかも(笑)

12月前半は6冊を読了。

旅行で訪れた福井県立年縞博物館で購入した解説書は、科学に関わった人にもそうでない人にも読み応え十分でした。プロジェクトxとか小説になるくらいドラマチックで熱い想いが詰まった博物館とエピソードだった。誰か書いてくれないかな。。。


2024年12月前半に読んだ本

『かがみの孤城』 著:辻村深月 

おすすめ度:★★★★☆
勝手に本の帯コメント:孤立した人の再生と未来の物語

装丁に惹かれてファンタジー小説とは知らずに読み始めた本。
それぞれ悩みを抱えながら、かがみの城で過ごす中学生たち。
最後の伏線回収は心地よく、心が温かくなるお話だった。


『カフネ』 著:阿部曉子 

おすすめ度:★★★★★
勝手に本の帯コメント:読み終えた時、心が澄んでいることに気づくはず

阿部曉子の小説は初読。
みんなに愛された弟・晴彦の死から始まるお話は、努力で人生を切り開いてきた薫子さん(ついつい「さん付け」してしまう)に努力ではどうにもならない事を突きつけてしまった。
離婚、不妊治療など努力ではどうにもならない事が重なって努力の人の薫子さんは崩壊寸前。誰にでもマイナスが重なるときがあるから、自堕落になり自分を大切にできない気持ちはよくわかる。
そして薫子さんだけでなく、チケットの訪問先に抱えている問題も他人事じゃない。

普通の家庭で愛情もお金もあり、でも愛という支配下で息苦しさを感じている人は多いだろう。小説にありがちな特殊(貧乏、シングル、虐待…)な環境ではなく、普通に見える環境の中でもがいている人が描かれていて、最後は涙が止まらなくなった。


『となりのナースエイド』 著:知念実希人 

おすすめ度:★★★★☆
勝手に本の帯コメント:患者の寄り添うナースエイドは頼りになるのだ

エンターテインメントを追求した医療小説。
知念実希人はハリウッド映画のように正義と悪を明確にしつつ、話題性のある事象(がん治療の救世主になる細胞、VR手術、カルト宗教など)をちりばめて小説を鮮やかな色付けをしていくのが心地よい。
その展開が青臭く感じることもあるけど、2時間ドラマを見たような痛快感もあって面白い。
読後に本について調べると、ドラマ化が前提にこの小説が書かれているようなので、この軽さと爽快さは必然性があったのだろう。


『傲慢と善良』 著:辻村深月 

おすすめ度:★★★☆☆
勝手に本の帯コメント:いい子=傲慢x善良

第一部は真実の言葉で語られることは無いから、真実の不安定さや気持ち悪さが染み出してくる。まみ(真実)という名前もしんじつ(真実)とのギャップと奥深さを想像させられたのは作家の意図なのだろうか。
架が真実を探している様子は身をつまされるようでありつつ自分を納得させるためのようでもある。自分の努力(婚活)を無駄にしたくない思いが見え隠れして、真実を想う気持ちが薄く感じ、架もまた自分の事を優先する傲慢さが気に障るのだ。
真実も架も真実の両親も架の女友達も自分の価値観の世界で生き、親切という良心の元で周りの人を傷つける。
親切にするということは相手を下に見ていることになっていないだろうか?
自尊心を保つために傲慢になっていないだろうか?
自分自身を客観視しないといけない、自尊心は他人を下げる事ではなく自分を上げることで保ちたいと、改めて強く感じた。


『箱根5区』 著:佐藤俊

 おすすめ度:★★★★☆
勝手に本の帯コメント:いかにして山の神は生まれたのか?本人が語る

三浦しをんの「風が強く吹いている」を読んでお正月の箱根駅伝を見始めた影響されやすい私。
その年から、3人の山の神と呼ばれる圧倒的な力を持つ5区のヒーローが順番に活躍し、1月2日・3日はTVの前で夢中になってしまった。どうしても直接で見たくって現地に見に行ったこともあるくらい箱根駅伝、若者たちのそれぞれの物語が好きになった。
そのきっかけになった山の神3人とその時勝負をした選手たちにスポットを当てたのがこの本。それぞれの選手の考えや走っているときの状況が分かり、来月の箱根駅伝がますます楽しみになった


『臨床の砦』 著:夏川草介

 おすすめ度:★★★★★
勝手に本の帯コメント:ギリギリで頑張っている人が、世の中を支えているのだ

ずいぶん前に購入していたが、気持ち的に読めなかった1冊。
このタイミングで読んで自然と涙が出た。この話はフィクションでありノンフィクションなのだと思う。淡々と綴られている小説から真実と心の葛藤と誠実が伝わり、胸が熱くなり涙が止まらなくなる。
日本中に居る敷島先生、三笠先生…がギリギリの中で頑張ったから穏やかな生活があるのだということを忘れてはいけない。


『年縞博物館 解説書』 

福井の三方五湖の近くにある「福井県立年縞博物館」の解説書。
サイエンスの分野の中でもマイナーな地質学。その中の基準値を作った科学者たちの楽しくも苦労をした結果が実を結び、実績を見せるための博物館となった。湖畔の経つスタイリッシュな建物は朝昼晩、どの時間帯でも絵になるけど、解説書にのっている苦労話?今になったら良い思い出?が胸に熱く響くのだ。
それにしても日本は研究費をケチり過ぎじゃないだろうか?本成果もイギリスやドイツの研究費が無ければ成し遂げられなかっただろう。
評価された後に建てられたこの建物は福井県の罪滅ぼし?って思える(苦笑)


これまでの読書記録はこちらです
ご興味があれば読んでもらえると嬉しいです

https://note.com/nyupy/m/mb0bbaa53ed1d


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