「優しさ」って「相手に付き合えること」だと思う。
最近「優しさとは?」を考えされる出来事がたびたび起きています。
今回はそれについて、思ったことをまとめていきたいと思います。
この前「マツコ会議」というテレビ番組を見ていたのです。
ゲストはクリーピーナッツのお二人。
ヒップホップの今後やテレビ業界での生き方について話す、とても深い内容のものでした。
30分番組で、CMを除くとほぼ20分。とても濃密な会話で、DJ松永さんの涙につられるように、マツコさんが珍しく泣いていたのも印象的な回でした。
そのあと、たまたまお二人のオールナイトニッポンを聞いたら、お二人が「マツコ会議」に触れられていました。
実は「マツコ会議」によってDJ松永さんが炎上してしまったと。なのでその説明をさせてほしいというものでした。
本題とそれるのでここには書きませんが、否定も肯定もせず問題提起として言ったことを、肯定していると勘違いされてしまい、炎上に至ったことを言っていました。
そこで話されていたのは、そもそもこの番組は2時間以上の対話を20分にまとめられているということ。
そして、そんな20分じゃ話しきれないような大きな問題を振ったにも関わらず、マツコさんが2時間以上、彼らに寄り添い、意見を交わし、DJ松永さんとR-指定さんの苦悩に共感して涙したという事実でした。
それを聞いた時、これってとんでもない優しさだなって思いました。
仕事とはいえ、2時間も相手の葛藤に付き合い話をするって、並大抵のことじゃありません。
それに、かなりの知識と真摯に向き合う気持ちがないと、あんな深い話にはなりませんし、本気じゃないとあの涙は考えられません。
そしてそれが出来るって、優しい人でないと無理だと思うのです。
もちろん、マツコさん自身も似た経験をしていて共感しやすかった部分もあるのかもしれません。
でも今はコスパならぬ、「タムパ」という言葉が出来るくらい「タイムパフォーマンス」が重要視される時代です。
「時は金なり」なんてことわざもあるので、感覚としては昔からあるものの、最近訴訟問題になっている「ファスト映画」やYoutubeやネトフリを2倍速で観ることなども普通になってきています。
つまり自分に有益か、効率的に感じるかどうかで、もの(コンテンツ)や人(相手)に使う時間をカットすることが普通になってきているのです。
そのため、めんどくさい問題や付き合いにできるだけ関与しないようする人も増えているように思うのです。
例えば、仕事で上手く成績を挙げられていない同僚がいた場合。
もちろん、いろんな接し方があると思うんですが、優しさを考えるために例を用意してみました。
<Aさん>
「うまくいってないみたいだね」などと問題に触れ、相手の考えを聞きながら一緒に解決法を考える。
<Bさん>
「困ったことがあったら言ってね、協力するから」などと言って、相手が協力を求めてくるまで様子見する。
<Cさん>
「みんな今はそんなもんだよ、大丈夫大丈夫」などと励まし、特に協力はしない。
<Dさん>
「最近人気の○○って知ってる?」などと話し掛けはするものの、相手の問題には一切触れない。
あなたはどの人の対応が、優しいと思いますか?
もちろん個人差や言動の背景に持つものも異なると思うので、一概には言えないと思うのですが……
私だけかもしれませんが、最近なんとなく身の回りの人はCさん・Dさんあたりの反応をする人が多いような気がします。
Cさんのような言葉で、相手を思いつめないように気遣う気持ちは大切だと思いますし、自ら問題を解決させようという意図もあるかもしれません。
それに「きっと悩んでいるだろうから気晴らしに別の話をしよう」というような、Dさんなりの気遣いもあるでしょう。
問題に向き合ってもがいている人にとっては、そういう言葉はとてもありがたくて、心の支えになることも多いと思います。
ただ一方でそういう一見優しい言葉や気遣いの裏に、
「相手の問題に首を突っ込みたくない」
「そんなことしてる時間はない」
という思いを隠している人も一定数いるような気がするのです。
それが社会の厳しさと言われたらその通りかもしれません。
でも、そういう優しさによって余計に思いつめたり、逆にさして問題じゃないのかも…と現実逃避することも起きたりします。
そういう出来事を見ていると、
『好き』の反対は『嫌い』じゃなくて『無関心』だな。
と、私は思います。
なので、仮にAさんやBさんみたいな動きをしたとしても、相手に寄り添う気持ちがなければ同じです。
相手に付き合うこと、
時間を割くことそのものが優しさだと思うし、
愛情だと思うのです。
もちろん、全員に時間を割くことも付き合うことも出来ません。
人がどんどんタムパを意識するようになっているのは、そうしないと生きられなくなっているということでもあると思います。
でも少しでもそういう気持ちで、相手の考え方やペースに付き合うことができたらなと思うのです。
自分自身できていないことも多いですが、
自戒と目標を兼ねて記事にしておこうと思います。
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