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Excelを使った統計解析(4) - 4、試行、確率、期待値と正規分布の関係

試行


今回はじゃんけんやくじ引きなど、偶然と確率に関わる統計について考察していきたいと思います。じゃんけんで手の形を決める事、くじを引くことなど、確率が関わる事象を観測することを試行といいます。
試行の重要な性質は、試行そのものの結果は分からないが結果の取りえる内容は分かっているという事です。
試行の結果現れる値を、確率変数と呼びます。例えばサイコロの確率変数は1-6であり、それぞれの目が出る確率が1/6になります。
そして、このような確率の合計は常に1( 100% )になります。

確率変数と期待値


次に、サイコロ周しの確率変数と期待値について考察してみましょう。
標本平均値を求めたのと同じやり方で、「試行の平均値」の平均値を求めてみます。

試行の平均値と「試行の平均値」の平均値は
(確率×確率変数)の合計
この値に近い値を取ります。この値を期待値と呼びます。
また、サイコロを回した試行全体の母平均も期待値に近い値を撮ります。
試行を無限回繰り返すと、母平均・試行の平均は期待値に収束します。

サイコロ回しの場合、母集団が一様分布なので試行の平均値もまた中心極限定理に基づき正規分布となる、という事が予測できます。

2項分布


2項分布とは、ある試行を行い2つの結果の内片方の現象が起こる確率をpとする場合、n回の指向でその現象がr回起こる確率の分布です。2項分布の確率は、

$${_nC_r * p^r * ( 1-p )^{n-r}}$$

$${_nC_r = \frac{n!}{(n-r)!} }$$

という数式で表されます。今回はコイントスを1-6回行うケースをBINOMDIST関数を用いて計算してみようと思います。

確率変数が一様分布である場合と同様、確率変数が2項分布である場合もその確率の合計は1になります。次に、試行の回数を20回に増やした場合を検証します。

確率が1/2の場合の二項分布は、正規分布となります。なぜ確率が1/2の場合の二項分布は10を中央値とする正規分布となるのでしょうか?
次回は、母集団・分布の性質に深くかかわっている正規分布に関する考察をしていきます。お疲れ様でした!

確率変数と正規分布の面白い性質

①一様分布な母集団の試行の平均値は正規分布となる
②試行を無限回繰り返すと、母平均・試行の平均は期待値((確率×確率変数)の合計)に収束する
③確率が1/2の場合の二項分布は正規分布となる


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