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【陽だまり日記】焼き芋

晴天。
ゆえに、取り込んだ洗濯物が良く乾いている。

晩秋は、其のまろい陽の光に哀愁をほんの少し混ぜているから、毎回律儀に見惚れてしまう。
夕暮れにはまだ少し遠い15時過ぎ、セピア色に近づく世界をゆっくりと眺める。

ふっくりと太陽に温められたお布団は、なんとも香ばしいような、懐かしい匂いを孕んでいた。
今夜は、このふかふかに埋まって朝までぐっすり眠れそうな気がする。

タオルを畳みながらカーテンが揺れる度に、部屋に差し込む光が水面のような優しさで揺れる。
遠くから子どもの声がする。はしゃいだ音色でお母さんを呼んでいた。
良いことがありましたか、そう、それは何よりです。


少し小腹が空いたので、先日いただいたさつまいもで焼き芋を作ることにした。

こちらを育てたおじさまの、「寝かせるともっと甘ぇんだ!」という景気の良い声でのアドバイスのもと、本日までオネンネしていた子達をいただく。

食べ頃に食べる。
それが美味しく食べるコツ。
幸せは、やるだけやって、寝て待つが吉。

お芋さん、おふたつ。 

濡れた新聞紙で巻いてから、更にアルミホイルでぴっちりと包む。

あらやだ、向きを失念してたわ。

あとはトースターで焼いていく。
ポイントは気長でいること。
気長に、気長に、難しく考えないこと。

ほっこりとした香りが漂う頃、竹串がすっと通った。

ほくほく

食べてみるとねっとりと言うよりは、ほくほく。
窓の外を眺めながら、優しい甘さを口にして、西へ沈む夕陽を見送った。


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