むかごの季節
駅までの道で、むかごがなっているのを見かけます。山芋の蔓になる、小さな丸い実のようなものです。
子供が幼稚園の頃は、帰り路でむかごを摘んだりしながら、おしゃべりをして帰ったものです。ちょっとずつしか採れないから、貯まったらご飯に入れたり、煮物に使ったりしました。
すごく美味しいものではないけど、何処に山芋の気配があり、野趣のあるものです。
小布施や軽井沢の竹風堂さんだと、今の季節栗ご飯の定食に、むかごの小鉢がついていました。甘じょっぱく、美味しい料理になったいました。こういう素材を扱い慣れているのが、よくわかります。
実は、私がむかごを知ったのは、一人暮らしをしていた杉並のアパート。山芋の蔓がベランダに絡んで、むかごがなっていたのです。遊びに来た母に、教えもらったのです。
馴染みない食材だし、タダだし、と色々使ってみたものです。(少しずつですけど)皮を剥くと、本当に小さくなってしまうこと、薄い剥くと黄緑色になることなど、新しい発見でした。
子供は、こうしたものを採取するのは、楽しいだろうと思い、子供と二人で集めていました。
ある時、子供の友達に、「むかご嫌い」と言われてしまいました。濃い灰色の実は、綺麗には見えなかったのでしょうか?それとも、ご両親の実家で食べさせられて、好みの味では無かったのでしょうか?
今は、子供も私も帰宅が遅くて、一緒にむかごを探すことはありません。むかごを見つけと、そっと積んでいた小さな手を思い出します。
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