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ムーンライト・シャドウ/吉本ばなな
風邪はね。
今がいちばんつらいんだよ。死ぬよりつらいかもね。でも、これ以上のつらさは多分ないんだよ。その人の限界は変わらないからよ。またくりかえし風邪ひいて、今と同じことがおそってくることはあるかもしんないけど、本人さえしっかりしてれば生涯ね、ない。そういう、しくみだから。
そう思うと、こういうのがまたあるのかっていやんなっちゃうっていう見方もあるけど、こんなもんかっていうのもあってつらくなくなんない?
この作品のなかでいちばん好きな言葉
風邪ひいて辛い時いつも思う
こんなに辛いなんてもう無理だ
これ以上辛いことなんてない
いつもの当たり前の健康が尊くて、はやくそれに戻りたい
もう二度となりたくないやって。
人生まだ20年ぽっちしか生きていないけど死にたいくらい辛いことは山ほどあった
むしろそれが大半だったかもしれない
その度にこれ以上に辛いことは無いとおもう
それの繰り返し
でもなんやかんやずぶとく生きているし限界を乗り越えてきた自分なら今後どんなに辛くても生きていける気がする
自分の限界は決まっている
それって意外と当たり前に分かってるはずなのに限界が来てる瞬間は気づいてないもんだ
私は幸福なことに親しい人の死に目にあったことがない
今後長く生きていけばたくさん出会うことになるだろう
その度にこの言葉を思い出したい
自分の限界は決まっている
想像を超える辛さというのはきっと存在しない
限界の辛さをもう、何度も乗り越えてきてる
だから私は大丈夫