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Bottle message-宇宙に漂う手紙-

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そっと宇宙(そら)に放ったお手紙みたなもの。ボトルメッセージよろしく宛名なんてあってないような、行き場があるようなないような揺蕩う散文。
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押し付けないでと言えなくて。

「勉強しなさい。」 「やれば出来るのに、どうしてもっとやらないの?」 そんなの知らない。分からない。 だって私、勉強しておけば良かっただなんて後悔したことないもの、あなたと違って。 だから後悔しないように先に言っている、なるほど。 つまりあなたは、かつて勉強しなかった自分を後悔したのですね?そうですか、ああそうですか。 だからといって何故あなたは、未来の私の気持ちがお分かりになるのでしょうか。未来の私は、あなたと同じように、勉強しておけば良かったと後悔するのでしょうか。本当

おはよう、おやすみ。

 朝、目が覚めたら、まず自分の身体におはようっていうの。 ベッドから出て、寝室のカーテンと窓を開けて、お日様に向かっておはよう世界って言うの。 玄関と家中の窓を全て開けて、おうちの中の空気を入れ替える。時々カーテンが開いてしまうほど大きな風が吹き抜ける。龍でも通ったのかななんて思ったりする。見えないけれど。  歯を磨いて顔を洗ってコップ一杯の水を飲んで、それから着替えて、脱いだパジャマは洗濯機に入れる。そうしたら花瓶の水を変える。家にいる観葉植物の子達みんなに、おはようって

世界の扉。

 小さい頃の私は、なんでなんで博士だった。一事が万事、全てのことに「なんで?」と言っていた。  「夕陽が赤くてきれいだね。」  「なんで?」    「今日は空が澄んだ青、気持ちいいね。」  「なんで?」  「早くご飯を食べなさい!」  「なんで?」  「早く寝なさい!」  「なんで?」  こんな具合に。  今より遥かに語彙も説明力も表現力も乏しかった私は、全てが「なんで?」の一言に集約されていた。別に反抗しているわけでもなかったし、気に食わないわけでもなかった。ただた

命が私を世界に繋ぎ止めてくれていた。

 私は自分が生まれた時の歓声も痛みも知らない、覚えていない。    まだ目も開いておらず喋ることもできず、頭蓋骨も半開き、水の中から出てきたばかりで浮腫んだ体。何もできない。 けれども誕生の瞬間、ただそこにあるだけの命を祝福されてきたのだろう。 「おめでとうございます!可愛い女の子ですよー」なんて言われたかもしれない。  自分の頭が通るか通らないか分からないほどの狭さの道を、ドリルのように体をグリグリと回しながら生まれてきたのだろう。母体がいきみ、それに押し出される。きっと

怒ったっていいし、不安になってもいいし、泣いたっていい。だって人間だもの。

日々些細なことで一喜一憂してしまうことがある。そりゃ、毎日ハッピー!だったら嬉しいのだけれど、そうも都合良くいかない。そんな感情とどうやって付き合っていけば良いのだろうという話。 こんばんは。にゃんちーです。星読み屋さん時々タロット使い。noteは徒然なるままに、筆ならぬ指を走らせよう。(キーボード打ってるわけだし) 何者でもない私としてを徒然なるままに書こうと思います。 ネガティブな感情ってダメなの?例えば怒り。 アンガーマネジメントとか聞く。すぐ怒るやつは未熟だとか言