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何でも言い合える関係性のゆくえ   映画「恋人たちの予感」感想

製作 1989年
監督 ロブ・ライナー
脚本 ノーラ・エフロン
出演 メグ・ライアン
   ビリー・クリスタル
   キャリー・フィッシャー

あらすじ
サリーがはじめてハリーに出会ったのは、大学卒業後NYに向かうまでのドライブ。歳月が過ぎ、空港でばったり再会した2人は「何でも話せる異性の友達」というスタンスを崩さずに接し、お互いの恋人についても相談し合う仲。だが、それぞれが独り身になった時、二人の関係は微妙なバランスに……。(アマゾン商品紹介より)

いわゆる友達以上恋人未満のような微妙な関係の男女の話です。
余計な恋敵は出てこない。三角関係もない。
二人のやり取りに焦点を絞って、じっくり微妙な心境の変化を描いてく。
恋愛ものの数あるスタイルの中でも好きなタイプの話です。
世間的にも、メグ・ライアンの出世作として知名度は高い作品ですね。
ビリー・クリスタルにとっては本作が代表作といっても過言じゃないでしょう。
「スタンドバイミー」や「ミザリー」などの名作を手掛けた、監督はロブ・ライナー。
脚本ノーラ・エフロンは後に「めぐり逢えたら」や「ユーガットメール」などの監督を務めメグライアンのラブコメ女王への道を確立した人。
そんな面々が作った作品です。
僕にとっては今までの人生で1,2を争う最高の恋愛映画と思ってきました。
しかし、数十年ぶり、久々に見返してみて、正直、あれ?
と思ってしまいました。
あくまで「最高の恋愛映画」からはちょっと陥落だけど・・・ということで
決してディスってるわけじゃありませんよ。
この映画の魅力を一言でいえば、主演二人のアケスケな会話にあります。
「男と女の友情は成立しない」とか
「女は誰でも1度はイク演技をしたことがある」とか
下心がないから何でも言いたいことが言える関係と豪語しての
無遠慮なやり取り。

ケンカも絶えないのですが・・
徐々にそういう関係性がかけがえのないものに思えてくるという・・
20代に見ればなかなか衝撃的でしたが・・
今観ると、そういう話題自体が古臭く感じてしまいました。
リアルな世界でもさんざん語り合い、映画でもさんざん語られ、観てきたテーマで・・。
僕にとってはそういう話の原点的な作品ではあるけれど。
ま、古かろうが何だろうが普遍のテーマではありますよね。
恋愛における、人間関係の価値基準?
なんでも思ったことズケズケ言い合える関係をよしとするか、
少々緊張感があったり、いろんなこと遠慮したりして、あまり会話は続かないんだけど
内心でドキドキ、キュンキュンしてる関係をよしとするか。
皆さんはどっち派ですか?なんて。
どっちでもいいんだろうけど、すくなくともその渦中の二人は、その価値基準が一致してないとうまくいかないのかなぁ。
などと考えたりして。

そんなわけで
ストーリーとセリフに昔感じたほどの輝きはなくなってしまいましたが
この映画は、若さ絶頂のメグライアンの容姿
あの頃、ほとんどの男が虜にされていたであろう彼女独特の表情、仕草。
ビリークリスタルのニヒルなジョーク。
さんざんまくしたてた後のふとした瞬間にみせる哀愁漂う目。
そしてラストの名セリフ
「一日の最後に・・・・君だ」
以前は気が付かなかったキャリー・フィッシャー(スターウォーズのレイア姫)の
メグライアンの友達役。
もしも未見の方は、その魅力だけでも一見の価値ありですぞ。

※2018年8月自身投稿記事に加筆修正を加えた再投稿です。

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