C-C-B楽曲レビュー㉔「流星のラストデート」
空気が澄んできて空がきれいな季節になってきました。
何日か前には三日月がきれいに出ていて、
1989年の青春真っ盛りだった頃、
専門学校のビルの屋上から屋根に上がって
(本当は登っちゃだめなんだけど、斜めになっていて座れた)
ひとりたそがれていたのを思い出しました。
夕方から夜に変わる、
オレンジと紫のグラデーションに浮かぶ三日月を、
物思いにふけってずっと眺めてましたねー。
(中二病の発展形、十九病とでもいう状態でしたかね。 ^ ^;)
10月の夕方はセンチメンタルな気分にさせますね。
どこからともなく金木犀の香りが漂ってきたりして。
これ、9月だとまだ気温が高くて、11月だとちょっと寒い。
この絶妙な10月の夕方5時が大好きです。
さて、数日前に関口さんの記事がまた出ていましたね。
この件に関する記事はファン的には賛否両論ありそうですが、
本人は大真面目に訴えたいんだろうな。
かく言う私も複雑な思いで読みましたが、
でも記事の中で浮かび上がるのは、
やっぱりお母さんの事が大好きなんだろうなと言う事。
そして真っ先にこの曲が頭に浮かびました。
「流星のラストデート」は、
関口さんがお母さんの事を歌った歌だそうです。
表面的には男女の別れの歌に聞こえますが。
という事で今日の楽曲レビューは「流星のラストデート」です。
作詞・作曲が関口さん、編曲は田口さんなんですね。
ボーカルも通しで関口さんという事から、
関口さんを代表する曲の一つになっています。
なかなかクセ強な曲を生み出して来た関口さんですが、
この曲は関口さんの曲の中で一番きれいな曲じゃないかな?
美しい音作りに長けた田口さんのアレンジも効いてますね。
星がチカチカと光るようなイントロの音、
歌い出しのバックに流れる「ファー」というシンセサイザーの音は、
満天に広がる星空をイメージさせます。
私の個人的な感覚かもしれないけど、
関口さんの哀愁のある曲は「エレジー」って感じのものが多いのだけど、
この曲に関しては「バラード」って感じがしますね。
歌声は渋くて安定感があります。
関口さんは過去にボーカルスクールに通っていた経験があるせいか、
メンバーで一番歌い方がしっかりしている気がしますね。
滑舌もはっきりしていると言うか。
また、感情の乗せ方も上手いなぁと思います。
歌詞は男女の別れの話なんですけど、
お母さんに置き換えてみると切なさが募ります。
「ケンカなんかいつもの事だろ」とか
「2度と行かないね 午後の水族館に」とありますが、
それはお母さんとの思い出なのかな?と思ったり。
「流れてくイエスタデイ とりのこされたボク 君ひとり、星になって」
この部分は、
関口さんの育ってきた背景を思いながら聞くとぐっときますね。
7歳でお父様を亡くし、20歳でお母様を亡くす。
わりと過酷な運命です。
20歳だってまだお母さんに甘えたいよね。
(ベタベタするとかじゃななく、
弱った時に励ましてくれる存在とか、
バカやらかしても絶対味方でいてくれるとか)
それをひとりで乗り越えて来た深みみたいなのは、
当時から他のメンバーと比べてもあったかもしれない。
ステージではそこまでの憂いは感じさせずに、
どこまでもロマンチックに歌い上げていましたが。
ステージと言えば、関口さんが抜けた後、
この歌を引き継いだのは笠くんでした。
4人になって主に関口さんパートを担ったのは、
米川くんや田口さんと言った、比較的低音ボイスなメンバーでしたが、
「流星のラストデート」を笠くんが歌った際には、
観客は「おぉ!」となりましたね。
武道館ライブで、つぶつぶのライトが星空のように
天井からワッと降ってくる演出は見事でした。
そしてこの曲を笠くんに歌わせたのは大正解でしたね。
きれいな曲がきれいな声によって、
浄化作用高めの楽曲になった気がしました。
関口さんの渋い声バージョンは、
リアリティのある世界観って感じでしたが、
笠くんバージョンは完全に癒しの世界というか。
関口さんバージョンは歌っている本人が主人公で、
笠くんバージョンは、主人公を優しく包み込む
何か別の存在のような感じがします。
同じ曲なんだけど、
ボーカルが変わるだけで全く違う雰囲気になるんだなと。
改めて、C-C-Bというバンドは、
一粒で何度でも美味しさを味わえるバンドだなと思いました。
(ほんと、他にこんなバンドそうそうないと思う)
そんな「流星のラストデート」、
秋の夜長にぴったりの曲です。
良かったら聴いてみて下さい♪