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競争すると、孤独になるのか?孤独が薄れるのか? 

先日、週刊文春WOMANにて東畑開人先生と対談した。とても楽しく勉強になったので、ぜひ読んでもらえたら嬉しい。kindle unlimitedでも読めるよ! 

東畑先生は陽のオーラがすごく感動した。人文系でもっとも根が明るい人ではなかろうか。あっでも信田さよ子先生も根本的に明るそうな空気をまとっており感動したので、臨床心理士とは人を照らすくらいでないとできない仕事なのかもしれない……。

という話は置いておいて、対談のなかで東畑先生がおっしゃっていたことで「なるほど!」と思ったのが、麻痺、という言葉だ。

東畑 うーん、ゾンビ化は悪いことではないからねえ。ただ、ゾンビ化の辛さはあると思うんですよ。寂しさや痛みを放置するということだから。

 一緒にいるのに1人だと感じてしまう、この寂しさを埋めるために、仕事に打ち込むかもしれないし、不倫するかもしれないし、酒を飲むかもしれない。なんにせよ、痛みは痛みですね。でも、これを臨床の場で指摘するとクライエントは苦しくなりますね。

三宅 「ここがあなたは痛いんでしょう」と指摘されるのが嫌ということですね。

東畑 「なんでそんな面倒臭い話するんですか」って。面倒臭い、疲れる……これは麻痺の語彙ですね。

三宅 ああ、面白い。疲れって麻痺なんですね。

対談より引用

そして、最近読んだ本のなかでも「麻痺」の問題が出てきて、どきっとした。この本だ。

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