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2018.9.22 だれかに読まれなくても

以前古本屋で手に入れた村野四郎の『今日の詩論』(宝文館出版)を読む。村野四郎は昭和の詩人なのだけど、詩論が有名だと思う。の割に読んだことがなかったので読めて良かった。

詩とか詩情ってそもそもどういうふうに紹介・批評したらいいのだろう、という疑問はつねにある。もし自分がするとしても、どうにも、たとえば道端に咲いてるきれいな花畑からぶちっと一部の花をひっこぬいて花瓶にむりやり入れる、みたいな作業であるという意識から抜け出せないのだ。で、結局花瓶に入れてみると「そんなにきれいか、これ?」と見た人に首を傾げられそうなものになる、と。ちがうよ花畑で見たときはめっちゃきれいだったんだよ! と言いたくなるけれど、部屋に持ってきて見せたくなったのはほかならぬ自分だしょうがない、と諦める……みたいな結果になることが多い気がする(うーむ抽象的でわかりにくいですかね)。論文とかならともかく、とくに和歌や詩をふつうの文章でその魅力を伝える、というようなことになると、ちょっと上手くいかないことが多い。ほんとは和歌の話とかもっとしたいのだけど、なんか和歌の解説ってあんまり誰もうまくないよなあ、といつも思う。私を含めて。やっぱりあの取ってつけたような現代語訳があかんのだろうか。「しみじみと眺める夕日」みたいな言葉で切り取られてもその詩情は伝わらねー! と思うのだけど。

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