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「笑ゥせぇるすまん」THE STAGEの世界観は新たな2.5次元の試みかもしれない。

久々に観劇へ。
昨年、紙切れになってしまった作品のリベンジ…。「笑ゥせぇるすまん」です。

新しいものを作るときには…

最初に舞台化が発表されたときには、賛否両論で話題にもなったりして。これって、新しいことをするときには大切なことだと思います。

ちょっとズレますが。
チキンラーメンができるときも日本発の車ができる前にも…賛否両論というか「どうせできない」という世間の目があります。今では、チキンラーメンも車も当たり前で、なくてはならないモノなのに。

喪黒福造に全く似てない?いや本質的には似ているのかもしれない。

2.5次元作品の概念は。
・原作はアニメやマンガ、ゲーム
・作品をそのまま舞台化する
・登場人物も忠実に再現させる

だからこそ、キャストのビジュアルが発表されると「似てない」という声が聞こえます。この2.5次元の概念でも重要な「キャラクターの再現」から離れているのが、「笑ゥせぇるすまん」THE STAGEだと思いました。

原作であるアニメ版をリアルタイムで見ていた年代である私は、今回の観劇を見たときにどのタイトルも知っていました。で、ふと思い出しながらその画像もよりぎりながら…ステージに注目していました。

アニメ版の喪黒福造は、悪意というよりは「いたずら心」から自分のお客を選んでいるところもあって。主演の佐藤流司さんに、ピッタリなことにステージで演じる彼の姿を見て感じられ…ゾクっとしたんです。

全然似てない…のに。瞬きひとつしない表情や不気味な笑い声とか…だんだん、喪黒福造に見えてくるから不思議。

2.5次元作品から新たなジャンルへの革新

キャラクターに似せて、2次元の俳優は自分を消す…これ2.5次元作品の根本。2次元キャラクターを俳優が命を入れ、演じることで成立している…。ハズだけど。

キャラクターより俳優の個性を重視している作品もあるんです。

実は、この「笑ゥせぇるすまん」THE STAGEでも、演出と音楽を担当している小林顕作さんが手掛けた舞台版「パタリロ!」

パタリロを演じたのは、個性派で有名な加藤諒さん。彼のトレードマークと言えば、太い眉毛。一方、パタリロは超極細眉。役作りのために加藤さんは、眉を剃る覚悟でいました。

しかし、制作側は加藤さんのトレードマークを残したままパタリロを作りあげたんです。

この流れ?を更にグレードアップさせたのが、「笑ゥせぇるすまん」THE STAGEなのかもしれないと。

キャラクターのイメージさえ超える力

佐藤流司さんが演じている「刀剣乱舞」の加州清光。原作のゲームキャラクターと比べてしまうと似ていないんです。(←コレは、本人も言っていることです。)

でも、佐藤さんが演じている加州清光は、年を重ねるたびに加州らしさが出て…今では、すっかり加州清光で定着しています。

キャラクターに似せずとも、キャラクターに見える

キャラクターをそのまま再現することにこだわって、時にキャラクターに飲まれ苦しんだ時期もあるという佐藤流司さん。これは、さまざまなメディアでもインタビューで答えているので、ご存じの方もいるのではないでしょうか?

NARUTOのサスケ。
本人の佐藤さんも「あの時は2.2だった」と苦笑いしているシーンが、印象的です。

そこから脱却して。
キャラクターに似せずとも、そのキャラクターに見えるような演技をする。作品やキャラクターへの敬意は、しっかり持つことはそのままに…。スゴイことです。

これからの「2.5次元作品」にも変化が見られる?予感。似せるだけの作品ではなく、作品やキャラクターに敬意を払い演じる俳優の個性が前にでるようなものも多くなるのでしょうね。今から、楽しみです。


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