【R4】永瀬麗子になれた日
皆さんはレーシングゲームの名作、「R4」をご存じでしょうか?
『R4 RIDGE RACER TYPE 4』は、1998年からいままで愛され続ける、リッジレーサーシリーズの集大成ともいえる作品です。
父親がプレイしていたので幼少期から身近に感じていたゲームでしたが、高校時代に初めて『R4』を自分の手でプレイしたとき、そのしびれるカッコよさにハッとしました。
※幼少期の話👇️
PSの高性能を最大限に引き出した美しいグラフィックや、耳に残る洗練されたBGM、陰影が美しいコースの演出、シンプルな操作性ながらも爽快感抜群のドリフト、ゲームを進めるたびに語られるグッと来るドラマ、そしてなにより、超エモいOPムービー。
アシッドな音楽が脳天に響き、胸を熱くする演出に心を奪われました。なぜかパワーウィンドウを搭載するレーシングカーなど突っ込みどころも多々あるのですが、それすらも愛おしく感じる完成度の高さ。当時の私は思いました。
「永瀬麗子になりたい。」
それから十数年たち、現在。
遅刻ギリギリに起きてしまい、パンツスーツにヒールで、駆け足で通勤していた私は、階段で足を踏み外しました。
「ガコッ!!」
派手な音とともに崩れ落ちる膝。左足を確認すると、なんとそこには、無残に折れたヒールが。
これって!!!もしかして!!!
「永瀬麗子!!!!!!念願の!!!!!永瀬麗子になれた!!!!!!!!!!!✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌」
私は興奮冷めやらぬまま、ビゾンテ(ゲーム中の車)の代わりに都営地下鉄に乗り込みました。正直なところ、挙動はゾンビゲーでケガした時のそれでしたが、心は車さながらに疾走していました。
窓ガラスに映るのはボロボロの格好ににやけ顔の三十路でしたが、いいんです。
あの日、確かに永瀬麗子になれた。
つらい日があっても、この思い出を胸に生きよう。
そう思えた朝の一幕でした。
その後、退勤時に履いていく靴がなく、寒空の下職場用のサンダルで帰宅する羽目になったのは秘密です。
永瀬さんは退勤時どうしてたんだろう…レーシングカーに送って貰ってたんかな…