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ゼロイチか、バチか ~世界に一つ?のペット用品の話~⑦(最終回)「メッセージ、蕾のままで」
こんにちは。
よく最後まで辿りついて下さいました!
本当に感謝しています。
一応、前回でこのストーリーは終わりになってます。笑
この先の事は、未来の話です。
どうなるか自分でも分かりません。
2024年7月現在、商品は海外の工場にて、量産を見据えた最終的な試作に入っているのですが、まだ発売できるまで時間がかかりそうです。
だから、これはこれで終わりって事で、むしろいいんじゃないの?と思ったりもします。
蕾のままで美しく終わります。
…なんてね。笑
さて、ここまで読んで、この蕾が一体どんな花になるのか、ちょっとは気になってくれましたか?
もしそうなら、私の企みは成功したと言えます。
勘の良い方は、薄々お気づきになったかも知れませんが…
この話自体が、私の「ブランドストーリー」なんです!
やだ…何コレ
どうしよう…
なんかダセェ…
長ぇし…。苦笑
もっと革命的で情熱的で尊くて洗練されたもんじゃないっけ?
世の中のブランドストーリーってさ…
まあー無理でした。笑
これ以上でもこれ以下でもない、これが私の手垢だらけのリアルストーリーです。
何しろ、予算がない…。
プロモーションに掛けるお金がありません。
そして今の期間は工場に出した無茶振り要望に対してのフィードバックをひたすら待っているだけの事が多くて…
せめて、その間にできる事がないか考えた末の苦肉の策だったんです。汗
なんか小賢しいことしてすみません…
でも、ここまでの事は全て本当の事ですし、この取り組みにかける意気込みも本当です。
そしてこの取り組みを通じて、私が得たものも本物です。
お金以上のものを得たんです。
なぜ、まだ商品をリリースしてもいないのに、それが言えるのか?
確かにまだリリースしてませんし、バチが当たるのはこれからなのかも知れません。
でも、きっと、このあとの未来がどう転ぼうとも、私が得たものはこれからも私の中で生き続ける!と確信したからです。
私はこの挑戦を、自分への試金石だと捉えました。
個人で特許取得に挑戦する人は、そう多くはないと思います。
いるとしてもその多くは、自分で製造まではせずに、ライセンス供与などでその権利を活用している事が多いようです。
その方が楽なんだろうけど…
でも私にその考えはありませんでした。
無事に権利を取得できるかも、引き受けてくれる企業があるかも分からないっていうのもありますが、何より私はこの挑戦を、これまでの情けない自分を払拭し、自分のアイデンティティを確立させる最後のチャンスだと思ったんです。
この商品…そしてこのブランドは、自分自身なんだ、と。
この商品を、自分の力で形にし、世に送り出す…
「ゼロイチ」を達成する。
それが、自分のミッションだ、と。
そして、天国の父に、もう大丈夫だと、伝えたいんです。
まだ始まってもいないのにこんな語りをかますなんてぶっちゃけ恥ずかしかったし、正直後悔してます。笑
受け取ったお金はもうありません。
足りなくて結局他から持ち出してます。笑
でも、この取り組みだけは、どんなに苦しい事があっても絶対に投げ出さないと誓いました。
でもその結果、普通にしていたら通ってこれないような貴重な経験と、上手くいかないときも慌てず投げ出さず、しっかりじっくりと物事に立ち向かう姿勢、というか精神力を手に入れたと思っています。
一言で言ったら、「胆力」みたいなものでしょうか?
そして、気づいたんです。
「あ、俺こんな時代でも大丈夫だわ。生きていける。」
って。
自分に「自信」がついたんです。
たとえこの先に何があろうとも、それを受け止め知恵を振り絞って前に進む。
家族背負って何度でも立ち上がる。
このマインドで、生きていくんだ、と。
もうこれだけでも、今まで恐々と生きてきた自分には十分すぎるほどなんです。
しかしホントに、なんでこんな時代になっちゃったんでしょうね…
父は、というか今までの私たちは、金利が下がり切った今でさえタンス預金よりはマシと、疑う事なく銀行に預金しています。
しかし、あらゆる物価上昇の勢いは増すばかりで、私たちの貯金の「価値」は、相対的に目減りしています。
何にもしていないのに…
そう、何にもしないと、減っちゃう時代なんですよね今は…
こんな状況を、ただ指を咥えて見ているだけなんて嫌なんです。
だから、これからも、もがいてもがいて、流されないように、自分をしっかり持って踏ん張ってみようと思います。
たぶん…この国は、本当の意味で自分達を守ってくれてはいないと思います。
ただの肌感ですけど。
だから、何かが変わるのを待っていても仕方ない。
自分が変わって、自分で変えるしかないんだと思います。
日本人は今こそ、もっともがくべきだと思うんです。
私が皆さんに伝えたかった事は、以上のような感じです。
最後は、父に対してのメッセージで締めたいと思います。
正直、自分にとっては本当に怖い存在で、喧嘩…というか一方的に怒られて疎遠がちになってから、まともな会話をする機会もなく、病に倒れて息を引き取ってしまいました。
今生きていたら、また絶対に怒られるでしょう。
でも今の私は、勢いだけで突っ走ってしまったあの頃の自分を戒め、一歩ずつ噛み締めながら歩んでいます。
音も光もない海の底でもがき続けた日々に、時空を超えて現れた父が、私を救い、叱咤してくれたんだと、勝手に思っています。
そして、そのおかげで私はこれからの人生において、自分の力で突き進む船を手に入れつつあると感じています。
しかし、よくぞまあこんな時限爆弾みたいな仕掛けをしてくれたよね…
死んで何年経ったと思ってんだよ。
もう何にも言えないじゃないか。
導火線、長すぎだろ…
カッコ、良すぎだろ…
やっぱりバチあたりかな?
苦笑いする顔が目に浮かぶよ。
でもきっと、最後のチャンスをくれたんだよね?
そうだろ?
だから、伝えます。
「ありがとう、父さん。」
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございました。
進展があったら、別記事でお伝えしますね。
それでは!