時短家電は子どものためのものでもある、と思った話。
引っ越して、家が広くなってよかったことの一つは、ドラム式洗濯機が置けるようになったことだ。
乾燥力がイマイチだよ、とか、洗浄力は負けるよ、とか外野に言われて戦々恐々としていたのだが、初めての洗濯→乾燥を終え、扉を開けて現れたほかほかの洗濯物を前に、そんな不安は吹き飛んだ。
子どもたちが「せんたくものからはなれたくない……」と、ふかふかタオルにしがみつきうっとりするくらいふかふかであった。
そして、置きたくて置けなかった家電その2「食器洗浄機」はビルドインで家に内蔵されていた。拍手!
こちらも、予洗いに気をつけつつ、使った食器を端からセットしていくだけ。朝起きるとピカピカになった食器がお目見えとなる。
住んで1週間しか経っていないのに、既に一枚二枚と皿を手洗いすることが面倒だなぁと感じるようになっており、人は贅沢な方に流されていくのだなぁとしみじみ思うのであった。
荷解きが終わる気配のないぐちゃぐちゃの部屋の中で、エネルギーを使わずとも衣服と皿だけでもピカピカで居られることは、夫婦のメンタルを保つのに非常に有効だ。
自然と浮いた時間を別のことに、という思考が生まれる。
ある夜、ご飯のあとにお茶を入れて、お菓子と一緒に食卓に出した。
それを家族4人で食べていると、息子がハッとして言った。
「これ、くつろぎタイム……?」
くつろぎタイム!
確かに、紛うことなきくつろぎタイムではあるのだが、そんな新発見したみたいに言う?
今までもそういう時間を作ってきたつもりだったが、忙しない両親との時間はあまりくつろぎ感がなかったらしい。
息子は二人揃って食卓の椅子に座る両親の膝に体を横たえると、「ぜいたく〜!」と言ってニコニコ笑った。
なんというか、申し訳ない。
家族一緒にお茶を飲み、おやつを食べ、両親に甘える。一見当たり前の家族団らんを「贅沢」と思わせてしまう状況が、申し訳無さすぎる……。
時短家電で浮いた時間は、家族のため、子どものために使うからね。
そう誓う、新居での夜だった。