その⑱『ドクターマリオ』
このソフトは医者のマリオが投げ落としてくるカプセルを回転させ、ウィルスを退治する落ちものパズルである。むかし配管工だったのにキノコ王国を救うため奔走し、傍らでテニスやボクシングの審判を務めたかと思えばいつの間にか医師免許を取得しているという……どう考えても節操のないヒーローが主人公である。いや、主人公はカプセルかもしれない。なにしろプレイヤーたちは、相変わらず節操なくカプセルを投げ入れてくるマリオに振り回され、そのカプセルを回転させまくるからだ。いま思えばこの診療・処方は合法なのか。保険適用されているのか。院内処方と思われるが、医療事務員を雇おうとしないのはなぜなのか。新型コロナウイルスにも有効か。自分の病気が治療できるとしても、あまりお世話になりたくないものである。まあ、医学上の実験を描いているのかもしれないが……。
それはそうとこのゲーム、コツをつかめばなかなか面白い。ある程度、連鎖を組めるようになれば十分に楽しめる。ただ筆者が親友のSとプレイしたときは、彼に惨敗してしまった。彼がBGMに乗せて妙な歌を歌うのだ。
「♪げろが出た ♪げろが出た ♪はげしい ♪はげしい ♪げろが出た」
(著作権はS君にあります)
この歌詞が完全に脳に焼きついてしまったため、筆者はまともにプレイできなくなった。BGMを変更しない限り、このゲームで彼に勝てなくなってしまったのである。対戦ゲーム必勝法には、このような手もあるのだ。ゲームの奥深さを感じさせられた、高校時代の秋であった(ドクターマリオほぼ関係ねえ)。
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