枠を捕らえよ。現代4コマ「囚人」の備忘録
はじめに
4コマ漫画から離れた4コマ、「現代4コマ」。
4コマを根元から捉えなおして、色々遊んじゃおう!という作品群です。
新たな表現、面白い作品制作を求め、日々あれこれ考えています。
今まで、コマの間だったり…
コマの形をガッツリ変えたりして作品を作ってきました。
半年程度物を作って今では40作品くらい、まあそこそこの数やってきたのかな、と思います。色々と表現も探索してきました。もちろん、他の作家たちもあらゆる方向から作品を発想しています。
しかし、少なくとも自分にとって未開のフロンティアがあることにある日気づいたのです。
そう、「枠線そのもの」を核とすることに…!
枠線が核って?
今まで、枠線を四角から変形させた作品を数多く作り、言わば「コマをどういう形にするか」を考え続けてきました。着目しているのはコマの内側・外側の空間です。
しかし、4コマの要素はその二つだけではなかったのです。
そう、境界線たる「枠線」があります。
ここを主題とする作品、つまり線の太さに強弱を与えたりして、枠線そのもので何かを表現できれば、新しい境地に踏み込めるのでは…!?そう思い立ったわけです。
枠線で何を作る?
思い立ったので、何を表現できそうか考えてみます。
当然、線は細いので細長いやつとか向いてそうですね。蛇とかどうだろう?
う~ん…あんまり面白みがないな…
太さの強弱ついてるのがしっぽの先と頭くらいで地味なのと、4個コマを並べる意味をしっかりつけたいところです。
数日考えてもモチーフが湧かないので、一旦太さに強弱付けてどうなるか見てみます。
あ~~いいね。新しい感じ出てるよ。いい意味で枠線らしくないですね。これを利用して何かに落とし込めればいいんですが、どうすっかな…
ここで一旦アイデアを温めて、しばらく置いていたのですが…
ある日ぼんやりと考えていたら、ふっと閃きました。
そう、しま模様を作れることに!!
コマ上下の線、コマとコマの間、コマの内側を同じ幅にすることで、4コマとは思えない密度のしま模様を実現!!これは絶対誰もやってねぇ!!
あとはしま模様から連想できるモチーフを決めるだけです。
シマウマ…は縦じまなのでやめて、横じまで分かりやすいやつは…
完成
囚人服だね!
という経緯での完成したのが現代4コマ「囚人」です。
胴体に3コマのみ用い、1コマは帽子に当てはめ。顔の表現は悩みましたが、表現を単純にしたかったので2コマ目の上を抉って表現しました。本当は無い白い半円が浮かび上がって見えると思います。
枠線の太さ変更、枠線とコマ間とコマ内でのしま模様表現、シルエットの脳内補完誘導と工夫モリモリにしながら、シンプルにまとめられたと思います。
新しい境地に踏み込んだ実感もあって、これはかなりの自信作になりました。こういう閃きをずっとしたいものです。なかなかできないけどね。太さ変更はもうちょっと遊べそうなので、掘り下げてみると面白いかも?
みんなも現代4コマ作ってみてね!