私的ゲーム・オブ・ザ・イヤー2020
激動の2020年も、アッッという間に終わりが近づいています。
今年は諸々の影響で、家の中で過ごすことが多い1年でした。
「家の中で過ごす時間が多かった」……。
……ということは、そう!
ゲームをより沢山プレイできたのです!!
……そんなわけで、2020年の「私的ゲーム・オブ・ザ・イヤー」についてつらつらと書くことにしました。
ノミネート8作品の短評の後、ゲーム・オブ・ザ・イヤーを発表する、という記事構成です。
※注意事項
・「ネタバレ」が含まれますので、未プレイの方はご注意ください!
・2019年末~2020年内に発売されたものから選出。
・プレイしたゲームは多くありますが、特に良かったものをノミネート。
・スマホゲーは別枠。
では早速いってみましょう。
↓目次&ノミネート作品一覧はコチラ↓
◆『ポケットモンスター ソード・シールド エキスパンションパス 鎧の孤島・冠の雪原』
来年2021年で、初代赤緑の発売から25周年を迎える一大RPGシリーズの最新作。開発はご存知ゲームフリーク。
ソード・シールドは昨年クリアし、今年はランクバトルをダラダラやろうかなァ~~~などと思っていましたが、年明け早々に飛び込んできたのはポケモン史上初のDLCの報せ。
個人的にポケモンシリーズに望んでいた展開だったので、大歓迎でした。
6月に第1弾の「鎧の孤島」が、10月には第2弾「冠の雪原」が配信され、それぞれ0時からワクワクでプレイ。
チャンピオンになった自分の冒険がそのまま続いていく感じはDLCならではで、ポケモンというタイトルにもマッチしているなぁ……と。
何より「史上初のオープンワールドなフィールド上で展開されるストーリー」に、ポケモンの新たな可能性を感じることができました。(「ワイルドエリア」は少し性質が異なると考えてます。)
特に第2弾「冠の雪原」の冒険では、久々に「伝説ポケモンを捕まえる楽しさ」を思い出せました。
ここ数作、伝説ポケモンはストーリーの中核で、ゲットしないと話が進まない=捕獲しやすく設定されており、簡単にゲットできちゃう印象が強かったのですが……。
みねうちでHP1!ねむり!!ボール!!!
1……2……3……
「惜しい!あとちょっとのところだったのに!」
んあああああああああああああああああ!!!!!
と、思わずAボタンを連打したくなるような捕まらなさは「伝説!」って感じで良い具合の難しさでした。
「伝説感」と言えば、広大なフィールドを飛び回るガラル三鳥には感動したものです。(1匹走り回ってましたが)
金銀時代のスイクンたちから続く「徘徊系伝説」を追いかける楽しみが、よりスケールアップしたな~と、自転車をこぎながら思ってました。
「未知の世界を冒険し、珍しいポケモンを必死こいて捕まえる」という伝説ポケモンをゲットするまでのプロセスを、最新世代に綺麗に落とし込んだ良いDLCでした。
にしても、これで3,000円は超安い!!!10連ガチャ1回分だぜ……。
◆『十三機兵防衛圏』
開発はヴァニラウェア。
水彩画のような柔らかなビジュアルから、古今東西のありとあらゆるSF作品をごった煮にした重層すぎるストーリーが繰り広げられる。
高校生!ロボ!怪獣!タイムスリップ!タイムリープ!歴史改変!宇宙生命体!宇宙戦争!エトセトラ!エトセトラ!エトセトラ……
誰がここまでやれと言った。
どデカイ規模の物語を組み立て切っていることはもちろんスゴいのですが、巧みなのは、そのお話の提供の仕方・プレイ体験の設計でしょうか。計算され尽くしてます!
幾重にも張り巡らされた伏線とミスリード、進めれば進めるほど驚きの展開が連続し、寝食を忘れてのめり込んでしまいました。
まるで一冊の超分厚い小説のページを集めながら、飛び飛びで少しずつ読み解いていくような……。
13人の誰から進めるか?によって真相に気付くタイミングはプレイヤーごとに異なり、最高にナラティブしてたな~と思います。
まさに、ゲームでしかできないSF体験でした。
全編を支えるベイシスケイプの音楽も、本当に素晴らしかった。渚のバカンスは名曲。
この異常なこだわりが詰まった作品が無事、世に送り出され、世界中の人々に評価されている事実こそ、「奇跡」だと思ったりします。
そして、東雲諒子を生み出してくれてありがとう……。
様々な因果と想いが絡み合った末の、東雲諒子の機兵起動シーンは、今作きっての名シーンです。
でも私は、13人の1話目だけ入れて、「?」しか浮かばなかった謎の存在、『プロローグ版』を忘れんからな……。なんだったんだアレ。
◆『ペルソナ5 スクランブル ザ ファントム ストライカーズ』
アトラスとコーエーテクモゲームスの共同開発。
ペルソナ5は無印をクリアし、ロイヤルはスルー。
個人的に無双ゲーはあまり趣味でなく、期待してなかったんですが……、とっても楽しめました。
無双チックな爽快アクションに、本家の頭を使って弱点を狙うバトルがうまいこと混ざり合い「ペルソナ感のあるアクション」が実現できてます。
コマンドからアクションになったことでキャラの性能もより個性的になり、「全員を操作してェ~~!」という気持ちにさせてくれる。
これがラスボス戦の演出で美しく昇華されるのも本当に素晴らしい。
新ストーリーと、新キャラであるソフィアと長谷川善吉もとてもイイ味を出していました。
今後のオールスター作品には、ぜひ怪盗団の一員として登場してほしい。
総合して「かなりペルソナしていた!」作品。
続編として文句なし。6以降も続けてほしい試みです。
▼ネタバレ込みの詳しい感想はこちら
◆『FINAL FANTASY VII REMAKE』
言わずと知れた、スクウェア・エニックス、ファイナルファンタジーシリーズの伝説的作品、そのリメイク。
E3の初情報で大騒ぎしてから、出てくるまでになんと5年かかりました。
1997年のオリジナル版発売から数えて、23年。
その積年のプレッシャーを吹き飛ばす、素晴らしい出来でした。
新しさと懐かしさが混ざり合い、絶妙なバランスで整えられていることに脱帽。
特にフィールドの美術の作り込みは圧巻でした。
PS時代に夢想したミッドガルが、生きてそこに広がり、自由に歩けるのがマジで最高。ウォールマーケットの雰囲気だけで飯が食える。
初登場以来、様々な世界線で色々な描かれ方をしてきた主人公・クラウド。
原点にある人間くささ・憧れてしまうカッコよさの両面が改めて描かれ、ますます好きになってしまいました。
リメイクで再び「クラウドになる」価値はあります。
近年のFFシリーズの中で一番楽しめました。
唯一のネックは……続編が出るまでのスパンですね……。頼むから発売のペースを上げてくれ……。
◆『グノーシア』
プチデボット開発のインディーズ作品。
PS Vita版の評判はかねがね聞いており、Switch版が出るのをきっかけに遊んでみることに。
SFのループ構造と、役割を変えて何度も楽しむ人狼ゲームが美しく融合している点が秀逸。
周回しながら人狼の腕前を上げ、少しずつ真相に近づいていくのは、まさにループものの主人公を体現しているようでした。1プレイが10分程度でお手軽なのも良い。
最も感心したのはキャラクター。人格やクセ、プレイの傾向が細かく設定されており、生きている人間を相手にしているかのようなリアリティがある。
「人狼がマジでおもしろくなる14人を用意しました!」って感じ。
12月にはパッケージ版も発売。
更に多くの人々が旅に出かけ、グノーシアの面白さが広まることを願ってやみません。
▼詳しい感想はコチラ!
◆『The Last of Us Part II』
2013年にNaughty Dogが世に送り出した、サバイバルアクションの金字塔「The Last of Us」。
その続編として、全世界のゲーマーの強い期待を向けられながら、登場した本作でしたが……。
発売直後から内容への激論が巻き起こり、人それぞれの視点で、種々様々な意見が飛び交ったのは記憶に新しいです。
私個人としては、この上なく満足させてもらいました。
断言しますが、1よりも好きです。
まず、総合的なゲームとしての完成度が異様に高い。
グラフィック・操作性・音楽・演出などなど……すべてが2020年のトップクラス。
プレイ中は次から次へと魅力的なシチュエーションが襲いかかってくるので飽きが来ず、コントローラーを手放せませんでした。
「次はどうなる?プレイしたい!」という気持ちがずっと前に出てきます。
サバイバルアクションとして、これほど面白いゲームは暫く現れないのでは……、と。
また、論争の中心となるシナリオですが……。
私的には、あの世界の人々の生き様を真摯に描き切った、挑戦的かつ見事な内容だったと考えています。(批判点も理解します。)
「自分が操作しているゲームキャラクター」のはずなのに、彼女たちの行動と思考、その瞬間の感情に対してどんどん理解が追いつかなくなっていく。
「感情移入」なんてもってのほかなのに、それでも惹き付けられて目を離せない。理解したい、共感したいと思わせてくる。
どこまでも追求されたリアルが、現実の人間を相手にしているような「理解への難しさ」をもたらしていたように思います。
もし『PART III』が発売されるなら、きっと何よりも楽しみなソフトになるでしょう。
▼詳しい感想はここから。
◆『Ghost of Tsushima』
Sucker Punch Productionsが開発。
FF7R、ラスアス2の後に、新規IPながら旋風を巻き起こした傑作です。
ラスアス2が現実世界に即した、徹底的なリアルさを追及した作品だったとすると、ツシマからは「時代劇」という作られたフィクションを、いかにリアリティを持って魅せるか、という意志を感じました。
……や、言葉にすると似た感じになっちゃうんですが。
すべてのシーンや構図が、切り出した時に「時代劇」っぽく見えると言いますか……。そこに「リアルなフィクション」としての美しさがある、ような……。
美術設計が全体的に「決まりすぎている」んですよね。
あり得ないくらい一面に花が咲いていたり、あり得ない場面で風が吹いたり。
フィクションとしてどうカッコよく「キメるか」を追求した結果だと思います。リアルさは二の次で。植生とか考えたら色々とおかしいですから。
「対馬」という巨大な時代劇のセットの中を、フィクションっぽいな~と認識しつつ、それでもリアリティを感じながら駆け回る……。なんとも稀有な体験でした。
感動したのは、何もかもから漂う「美しい日本っぽさ」。
風景、そこに生きる人々、話す言葉、食べるもの、まとう服、考え方……。
これを海外のスタジオが生み出していることに驚きつつ、凄まじいリスペクトを持った「日本人じゃない人」でないと作れなかっただろうとも思う。
特に「誉れ」なんて、日本人にも言語化が難しい概念を、よく言葉として導き出し、ストーリーと境井仁の生き方の中核に据え、描ききったよね……。
この作品が日本で売れなかったらウソだろ!と思っていたので、凄まじく愛される一作になり本当に嬉しいです。
サッカーパンチの次回作にも、期待大。
▼詳しい感想はこちらに。
◆『原神』
中国のゲーム開発会社、miHoYoが満を持して世界に放った意欲作。いろんな意味で。
リリース前から、そのルックで話題を呼びました。いろんな意味で。
リリース後、英題の「Impact」に恥じない衝撃をもたらしました。いろんな意味で。
当初はスマホやPCでのプレイを考えましたが、結局PS4で遊んでいます。ので、こちらにノミネート。
現状は正直言って、ゲームとしての粗がかなり目立つ状態です。
・PS4に最適化されていない操作性とローディングの長さ。エラー落ちもあるぞ!
・何かとハメ系の技を撃ってくる敵が多く、いちいち動きが制限される戦闘。難易度上昇=敵の体力と攻撃力が上がるだけなので、マンネリがち。
・更に、ザコ敵のくせにモーションやボイスの作り込みのクセが強すぎて、無用な存在感を放つので癇に障ります。(ゼノブレ2のスペルビア兵を10000倍ひどくした感じ。ゼルダのボコブリンがいかに優れた敵デザインかを再認識できます。)
・洗練されていない期間限定イベント。ソシャゲのマラソン的発想で、同じことの繰り返しを強制されます。しかも移動や戦闘などに対して制限が課せられるものばかり。
普段自由なオープンワールドを謳っているだけに、ゲームバランス設計の未熟さが現れています。
・見過ごせないのが、はちゃめちゃなローカライズで違和感満載の日本語。
せっかく豪華声優陣も参加しているのに、日本語的な気持ち悪さが勝ってしまい、どうにも集中できません。お話も頭に入ってこない。
などなど……。
減点ポイントを挙げだすときりがありません。
「………。」
「じゃあおめーなんで遊んでんのよ?」と訊きたくなりますよね。
私もそう思います。
大きく2つ。
1つは、トゥーンルックなオープンワールドゲームとしての完成度がしっかりあるから。
『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に影響を受けたと公言されている本作ですが、あの作品の根源である「広大な大地を自由に駆け回る面白さ」は、原神からも十分に味わうことができます。
「オープンワールド」と言えばリアル指向に寄りがちなゲーム界に風穴を空けたゼルダBotWの良いところを、丁寧に“トレース”したな……と。
もちろん単なる代替ではなく、原神の独自性も随所に存在します。一番大きいのは自機キャラを任意で変更できることでしょう。キャラごとに探索の性能が違うのは面白い。
まぁこれも、ガチャに人を誘う仕掛けになっており、よく思いついたな……と。
「ブレワイベースに、ガチャとアクションとオタク受けするキャラ足したら最強じゃね?」みたいな発想に臆面もなくチャレンジし、実現してしまっているところにパワーを感じるわけです。
プレイサイクルの設計思想と、それを受け入れるフィールドマップのデザインがマッチし、「スマホで無料で超遊べるすげぇゲーム」のポジションを確立しちまったなぁ、と考えています。
もう1つは、日本の文化に多大な影響を受けつつ、中国の文化的な背景・思想が混ざり合い、出力された彼ら独特の文化観を感じ取れること。
特に2つ目の国「璃月(リーユェ)」は、中国をモチーフにしただけあって作り込みが細部まで行き届いています。
「仙人」や「仙境」が出てきたり、水墨画のような険しい山々を模したフィールドがあったり、日本発のコンテンツではなかなかお目にかかれない世界に触れることができます。
音楽も、中国の伝統楽器やメロディがふんだんに使用されており、抜群に良いです。
以前、中国のアニメ映画『羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)』を観ましたが、あれから感じ取れた面白さに近いものを、原神に見ている気がします。
そんなこんなで、特に琴線に触れるキャラもいないのでガチャってませんし、気が向いたらダラっとプレイするスタイルなので、ちょうど良い距離感を保ちながら、遊ばせてもらってます。
もう少し世界が広がっていって、それでもなお楽しめるようなら……、「なぜ私達は『原神』を“許せる”のか?」みたいな記事でも書こうかな……。
はい。
以上ノミネート8作品でした。
それではいよいよ発表です。
◆発表!私的ゲーム・オブ・ザ・イヤー2020は……!?
『The Last of Us Part II』
でした。
今年プレイしたどの作品よりも、感情を揺さぶられ、コントローラーを強く握りしめて熱中したゲーム。
得られた体験は、唯一無二の極上のもの。
文句なしの、私的ゲーム・オブ・ザ・イヤー2020です。
◆あとがき
というわけで、マジに私的なゲームがたり2020でした。
お付き合いいただいたあなた、ありがとうございました。
きっとゲームがお好きな方とお見受けします。
あなたの私的ゲーム・オブ・ザ・イヤー2020は、なんでしたか?
2021年もたっくさんの面白いゲームが遊べるのか~!と思うと、今から興奮しっぱなしだ~~~~~。
今現在は『ライザのアトリエ2 〜失われた伝承と秘密の妖精〜』をメインにプレイ中ですが、1からの改善点が非常に多く、かなーり楽しめてます。
並行して『天穂のサクナヒメ』も遊び始めていますが、これは本腰を据えたいゲームだなと思い、ひとまず保留中……。
期待している新作は、2021年3月発売の『モンスターハンターライズ』。
『モンスターハンター:ワールド』がPS4で出た今、Switch特化型でどのようなゲームデザインになっているのか、気になりすぎて待ちきれませんね。
他にも、PS5で幾つか気になるソフトが出るな~と思ったりしています。
まぁ目下のところ、本体が手に入る雰囲気が全く無いのが辛いところですが……。
そんなわけで。
最後に、大変な世の中にあっても、素晴らしいゲームを生み出してくださっている開発者のみなさま、それを届けてくださっているパブリッシャーのみなさまへ、最大の敬意と感謝を表して、この記事を締めくくります。
ゲーム、最高~~~~~!!!!!
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