細胞の神
夜中に、どこか遠くから「どぉぉん...」という、音量としては小さいながら、思わず身構える音が聞こえた。25年前の地震のあと、真夜中に余震に苛まれながら、しばしば聞いた地鳴りによく似た響きだった。
それは実際には、流れ星が日本の上空で燃え尽きてゆく音だったらしい。宇宙には無数の岩石があり、それらは日々地球へ向けて落下しているという。だがそのほとんどは地上に到達する前に燃え尽きてしまうし、地上まで到達したとしても、人が住む場所に落ちる確率はきわめて低いのだという。
とはいえ、そんなちょっとした岩石の一つが、もしも燃え尽きずに地上に衝突したらどうなるのだろう。それも、もしも町に落ちたとしたら。そのときは25年前の地震どころではないだろう────そんなことを夜中に考え、不安になった。
去年、国立科学博物館に観に行った恐竜展を想いだしていた。テレビで観て気になっていたデイノケイルスという、とても大きな手を持つ恐竜の、立派な化石や全身復元骨格を見ることができて満足だった。あのときわたしは、数千万年、あるいは数億年という時間を前にした制度的宗教とは何なのか、考えていた。
記事に共感していただけたら、献金をよろしくお願い申し上げます。教会に来る相談者の方への応対など、活動に用いさせていただきます。