寒露(二十四節気)・鴻雁来(七十二候)と百事大吉
10月8日頃、二十四節気の寒露です。暦便覧には『陰寒の気に合って、露むすび凝らんとすれば也』、七十二候では寒露の初候「鴻雁来(こうがんきたる)」です。雁が飛来し始める頃という意味で、清明の次候「鴻雁北(こうがんきたへかえる)」と対になっています。寒露とは霜が降る手前の頃の冷たい朝露の事、この頃になると秋の長雨も終わり秋らしい季節となります。
秋を感じさせる雁や露は和歌の中でもよく登場します。
なきわたる 雁の涙や 落ちつらむ
物思ふやどの 萩のうへの露
(古今和歌集:読み人知らず)
なきながら飛ぶ雁の涙が落ちてきたのだろうか
物思う我が家の萩についている白露は
秋の訪れを告げる雁の鳴き声や露は昔から秋や悲しさ、寂しさを感じさせてきたようですね。
また、秋は果物や野菜の収穫の時期、写真の文人華は百合、柿、橙をあしらった「百事大吉」。百合が百、柿が事、大きな柑橘は大吉を表し、秋のおめでたい席によい盛物です。
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