比べて良いのは、過去の自分だけ!
○○○の利用者を見渡してください。自閉症にダウン症、アンジェルマンにプラダ―ウィリー…年齢も、18歳から72歳まで。精神年齢も、測定不能から7歳代まで。記憶力が抜群な人がいれば、音楽が好きな人も、拘りも人それぞれで、一人ひとりみんな違いがあり、実に様々な人がいます。人は、みんな違いますよね。
■■の基本理念では、利用者一人ひとりの才能や能力を最大限発揮できるように支援することとしています。その基本理念から人は生涯に渡って発達し続ける生涯発達と言う考え方を基にして、個別支援計画を作成し、プログラムを考えて、日々の支援を行っています。平たく言えば、利用者一人ひとりに合わせた“出来た”・“分かった”を増やしていくこと、利用者の成長を促すこそが、■■が行う支援と言う仕事の本質と言えるのではないでしょうか。
さて、令和元年度も早5か月が過ぎようとしています。そろそろ個別支援計画の中間総括の準備を始める頃ですね。このように支援には、半期ごとのアセスメントやサービス利用時のアセスメントが非常に重要です。アセスメント=評価とも言えますが、利用者のことを良く知ることがこの仕事には欠かすことが出来ません。
評価ですが、アセスメントは他者と比べての優劣を付けるものではありません。自閉症の中で1番優秀とか、同じ年齢の中でビリとかを付けませんよね。あくまで、4月に立てた目標に対して、どれくらい出来ることが増えたか、理解できるようになったか、即ち一人ひとりの発達度合い・成長を評価するものです。
利用者に中間総括があるように、職員にも自己申告書があります。面談も10月にはありますから、ご自身の目標に対しての評価をしなければなりません。僕たち日本人は、学校で評価されてきました。概ね試験の点数でクラスの中で並べられて、良ければ5、ダメなら1とか…他者との比較の中で評価成績を付けてこられました。なかなか自己評価に関して、この癖が抜けません。。。学校教育も、何とかして欲しい。そう思う今日この頃です!
毎年4月の新任研修で必ず言うことがあります。『同期とか先輩と比べちゃダメだよ!比べて良いのは、今の自分とね♪1か月経ってごらん。今は知らない利用者の名前覚えてるよ。3か月経ったら、関係性出来てる利用者いるよ!今日と比べたら、絶対に成長感じられるから…』伝え方が悪いのか、新任に限らず人と比べて落ち込んだり、辞めたいって思ったりする人がいるようです。そもそも人の価値は、ある一面で秀でたから良いという物ではありません。人には得手不得手、長所短所もあります。文章書くのが上手い人もいれば、話が上手い人もいます。自閉症は上手く支援できるのに、ダウン症は苦手っていう人もいます。ある一面だけを他者と比べて、自分はダメだなんて思う必要もないのです。そう思うようになったのも、自分自身がそういう考え方だったからです。そればかりか自信がないばかりに、自分より劣っている人を作り出して、その人の悪口なんかを言って、さも自分は優秀だとアピールすることさえありました。まったくひどい奴だったと思います。気付けて、少しはましな人間になれました(笑)
生涯発達の考えに従えば、自分を良く知り、人と比べずに自分の成長の為に地道に努力できる人を、僕は尊敬するし輝いて見えます。そういう人に1歩でも近づきたいと思っています。人生の価値は、他者との勝ち負けではありませんよね。僕の場合は、自分自身がどれだけ満足した人生を送れるかの方が大切です。
心配しなくても大丈夫!僕たちの中で生まれた瞬間から、歩けた人も、言葉を話せた人も、文字を書けた人もいませんよね。ここまで成長してきたのだから、必ず今より成長している自分がこの先に待っていますよ!自分を信じて生きていきましょう♪
2019.8 しせつちょうだよりより
だれかの気づき・きっかけになりますように!