蒜輪 努

晝は夢、夜ぞ現。ひるわゆめです。覚えていってね

蒜輪 努

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最近の記事

私は太宰治には到底なれないし、なりたくない

 私は時折、作家の人間性について考える。  小説を書く人は、一般人として生活する上で必要な部品……ちょっとしたネジのようなもの──が欠落している人こそなれるのではないかと思えば思うほど、自分が重くのしかかって、自縄自縛の無能感に沈溺していく。  私は才能を持った人間になりたかった。他人に尊敬されるような、羨まれるような、そんな大仰な人間になって遥か高みからみんなを見下ろしたかった。  特別なんだって、自分は価値があるんだって、思いたかった。  私は歌も絵も上手くない。楽器

    • あの日を思う

      ※当記事では東日本大震災について扱います。 地震や津波といった表現に苦しみを抱かれる方もいらっしゃると思いますので、苦しくなられた方は無理に閲覧せず、記事を閉じていただくようお願いします。 また、東日本大震災において亡くなられた皆様に於きまして謹んで哀悼の意を表します。  あの日から13年の月日が経った。私は小学校四年生で、まだまだ幼い人間であり、そして被災地からは遠く離れた東海の地に生きていたにも関わらず、あの日の出来事を鮮明に覚えている。 「宮城で大きな地震がありまし

      • 自己紹介でもしましょう。

        この人物は虚構の存在であり、実在の人物 行動 事件とは一切関係がありません。 私のお顔が正式に決まった記念に、私の自己紹介でもしてみようと思います。 名前 蒜輪 努 「ひるわ ゆめ」と読みます。 身分 大学院生です。一応。 そして就職もできず、作家にもなれず、愚図愚図してる高等遊民の一歩手前です。 住んでるところ 東海地方 趣味 小説読むこと、書くこと 行きつけの喫茶店に行くこと 気晴らしにゲームをすること  典型的な自己紹介で面白みもなく、趣向を凝らそうとする気

        • 第二回読書完走文『星の花が降る頃に』

          やってまいりました第二回目の読書完走文です。だいぶ間が空きました。テヘッ 本日は安東みきえ『星の花が降る頃に』(光村図書出版より https://assets.mitsumura-tosho.co.jp/4516/7537/4983/03k_yomu_original.pdf)です。 便利な時代になりましたね。懐かしの作品を手軽に見られるなんて……。(埋め込みエラーが出るので、リンクそのままペーストしました) 私は国語の教科書をつまみ食いするのが大好きだったので、クラスの

          第一回読書完走文『山月記』

          読書感想文ならぬ読書完走文。 「この物語読み切った!えらい!100点!感想まで書けたら150点!!」くらいの気持ちで書いてるため、そこまで深い感想は書いてないです。多分。 記念すべき第1回は中島敦『山月記』(角川文庫 『李陵・山月記・弟子・名人伝』より)です。 『山月記』は私のバイブル書と言っていいほど大好きな本です。 高校の現代国語に載っていた『山月記』を初めて読んだ時、衝撃が走りました。 そして「近代文学って面白い!」と虜になっていくわけですが……。 では、久し

          第一回読書完走文『山月記』

          今日の内言

           古本コーナーで『試着室で思い出したら、本気の恋だと思う』という本を見つけた。中身は見ていないが背表紙のあらすじか帯だったかに「試着室で可愛い服を着た時誰の顔が思い浮かんだ人がきっと好きな人」みたいな文言が書いてあった。些細な一文だがとても胸に刺さった。  そうだ。恋をしている時に服を選んでいると「この服、あの人に可愛く見てもらえるだろうか」と恋する相手が出てくる。当たり前すぎて見えていなかったけれど、こんなに素敵で些細な恋の喜びがあるのだと思い出す事ができた。 「誰ひとり

          今日の内言