【詩】ねんどろーん
舞い上がった気持ちは
吹き飛び去るほどもでもなく こねこねと
私の手中に収まっている
手放せてしまえたら楽なのに
ずっと嚙み砕くように揉んでいる
誰かに飲み込んでもらえるように
でも引っ込み思案だから
ぶち込めないんだ うねうねと
ねぇ どう行けば飛ぶ?
奥手な私の放筆力は
だんだん狭くなっている気がする
活力を注いで活路を開けろ!
まるで血潮を巡らせるように
途切れる前に届けたいんだ
もにょもにょ ごにょごにょ……
とか思う間に暗闇が
容赦のない獲り合い合戦が
クレーンゲームのように始まる
私の気持ちは舞い上がって
どこかに見失いそうになる
うねうね ゆめゆめ
こねこね ごねられ
長年の友が翻弄されて
どうしても無くしたくなくて
私は渾身の力を振り絞った
宇宙の果てまで飛んでいけ!!
球体の心は
真っ直ぐと力強く
羽撃く いきいきと
見送った私は微笑んで
次の気持ちに手を伸ばした
ドロンと消えながら
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