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ポルトガル13日間一人旅:その6-ポルト生活4日目
4日目は列車でアルト・ドウロ地域へデイトリップ。世界遺産のワイン畑を見にレグアへ行ってきました。そして走った。そう。走った。呆れられそうだが本日のメイン活動もランニングです。
アルト・ドウロと呼ばれるドウロ川上流には、川沿いの山の斜面がブドウの段々畑に利用され、畑を支える石垣が延々と続く。その美しい景観が世界文化遺産に登録されている。
私もレグアを走りたいという方の参考になるとうれしいです。(いないですかそうですか)Rede駅で下車してReguaまでの約8.5kmを走ったよ。
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ポルトから在来線の「MiraDouro」が運行していてReguaまでは約2時間。特別快速的な列車でReguaのひとつ手前の停車駅がRedeだ。
行き(IR861)7:25 Campanha駅---Rede駅 9:15頃 €9.80
帰り(IR868)14:35 Regua駅---Campanha駅 16:30 €10.45
ポルトガル鉄道の中距離以上の乗車券はオンラインで購入できる。専用アプリがあるのでダウンロード・アカウント作成・クレジットカードの登録までは出発前に済ませておこう。
Campanha駅まではBolt(タクシー)を利用。早朝でつかまらないかもと1時間前に家を出たがすぐ来た。そして安い。バスより安い1.85ユーロぽっちで駅まで行けてしまった。
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Campanha駅、多少は治安が悪いかとおもえば全く。スリも物乞いもおらず平和そのものだった。怖いのはトイレ掃除のばぁちゃんくらい。有料トイレのゲートで操作を誤ると容赦ない怒号が飛ぶ。これはめちゃくちゃに怖かった。
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改札はないのでモニターに表示されるホームに向かってそのまま乗車。列車は途中からドウロ川沿いを走行する。川に面した進行方向右側に座るべし。出発してすぐに検札があるのでアプリを起動しチケット画面を提示すればOKだ。
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年代物の車両にエアコンはなく足元のヒーターだけが頼り。とても寒かったが冬はまだましかもしれない。夏場は窓を開けて走行するのだろうか。風は入るが日差しも入るぞ。
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列車はしばし内陸を走り1時間半ほどするとドウロ川沿いへ出る。いやぁ。うつくしいですな。
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Rede駅に下車すると駅員さんが血相を変えて飛んでくる。
- なんてこった間違えちゃったの?次は11時にしか来ないよぉお?!
- 大丈夫、レグアまで走るの
- 走るったって、走るったってよ?!
- 間違えてないの走るのジョギングするのよ
- (*‘∀‘)ジョギング♪ ようやく安心してもらえた。
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この道をずーっと行けばいいからね8kmくらい。車に気を付けていってらっしゃい!笑顔でお見送りいただいた。
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案外車の往来は多かった。田舎で人は歩かないからね。歩行者を想定していないのでスピードも上げがちだ。
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ときどき怪獣みたいな大型トラックも通過する。目立つ色のウェアを着るなどして車にはご注意を。
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山のてっぺんから下まで全てブドウの段々畑。その景色が川の両岸にずっとずっとずーーーっと続く。「ブドウ畑の総面積25万ヘクタール」全くピンとこないので調べると神奈川県(2,416.55k㎡)くらいらしいがやっぱりピンとこなかった。とにかく圧巻のブドウ畑が続くぞ。
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せん定したツルを燃やして肥料にするのだろうかね。ブドウ畑からはいくつも煙が上がりニオイがこちらまでくる。秋の田舎が煙たいのは万国共通か・・・などとおもいながら走っているとひなびた無人駅が登場。
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ポルトガル情緒を差っ引いたら地元の無人駅と大差がない
山があって鉄道が走っていて川が流れて畑がある。ブドウ畑を田畑に変えたら・・・ん?実家と大差ない気がしてきた。
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走ってきた道が突如崩壊。レグアの市街地へ入る直前でド派手に崩落していた。いったい何が?地震?それとも大雨でも降ったのだろうか。調べてみたらですね
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奥の煙がブドウ畑で燃やしているやつです
「何もないけど(経年劣化で)崩壊した。前から危なかった」
・・・え?
ほら…ね、やっぱりうちの近所のあの道(Cais das Pedras=石の桟橋)も信用なんてしちゃダメだわ。それにしてもこのニュース2024年3月6日と出てくる。規制線が張られたまま修復工事のはじまる様子がなさそうなのだが。
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崩壊ポイントのあたりからは河川敷に遊歩道が延びている。走っていると散歩のおじさまおばさまたちに口々から「GOOD」と声をかけてもらい、おおいに気をよくした。
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この旅、おかげさまでこの先も愉快で楽しい日々を送ることができたが、唯一の失敗が食事。今日こそ何かおいしいものをと意気込んだのにサンドイッチを片付けたらガッツリ昼食をとる気分ではなくなってしまった。
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引き続き軽く流して対岸の川沿いも走ってみる。
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隣に車両も通行できる石橋
さらにその上の高台を繋ぐ橋
レグアの橋渋滞ゾーン
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高台へ上ってドウロ峡谷を見下ろしてみても良かったなと反省。
町へ戻ってきてDouro Museumを見てみることに。いわゆる箱モノ!という感じの博物館で入館料は7ユーロ。
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1階はワイン畑の歴史、ワイン畑の開墾や育成の映像や古い農具の展示など、2階はポートワインについての展示で古いワインボトルやラベルの印刷機などがあった。
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正直なところこの博物館7ユーロの価値があるかと言われると答えに困るのだが、ちがうのです。わたしは致命的なミスをおかしたのです。
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バブルガムのにおいが駄菓子屋のフィリックスくんのガムそのもので笑った
1階のミュージアムショップで入場チケット(レシート)を見せるとポートワインの試飲ができるのだ。なんてこった。すっかり忘れて出てきてしまった。グラスワイン1杯飲めて7ユーロならばお値打ちじゃないのー!
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Campanha駅へ帰還。家までは3kmちょっとでタクシーに乗っても夕方の渋滞につかまるだけなので歩いて帰る。今日もよく走りよく歩いた。
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本日の買いもの
スーパー「Minipreço」で今日の夕飯を買う。朝から生ハムサンドしか食べておらず究極に腹ペコ。無性にパスタが食べたくてフジッリを買っちゃった。
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マッシュルーム €1.89
水(カフェで)€1.00
パスタ €0.79
生ハム €1.99
山羊と牛のチーズ €4.39
トマトピュレ €0.79
ばんそうこう €2.36(パンを切って指も切った)
パンとチーズを齧りながらトマトソースをつくる。炭水化物の波状攻撃だ。チーズは涼しげな見た目に反して攻撃力の高いかおり(夏場の生ごみしか連想できない)に怯んだが食べるとあっさりと癖のない味。「POLPA DE TOMATE」水煮よりも煮詰めてあって濃度がある。このままで普通にトマトソース。うますぎる。山盛りのパスタを食べてしまった。
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冷やしておいたヴィーニョ・ヴェルデを飲む。ポルトガルの北端でつくっているほんのり微発砲で軽くて口当たりのよいワイン。アルコール度数が低く9%くらいのもある。日本でもよく飲むが昼飲みの罪深さが全くないワインだ。何ならノーカンなんじゃないかというくらいに軽い。今日飲んだのは11.5%と比較的度数は高めだった。
本日の出費
・Bolt €1.85
・駅のトイレ €0.50
・ポルトガル鉄道 €9.80 €10.45
・ドウロ・ミュージアム €7.00
・スーパー「Minipreço」€10.05
・ばんそうこう・水 €3.36
合計:€43.01 ¥7,010 ※163円換算
実際にワイン畑を見て博物館で歴史の一端に触れると俄然愛着がわいてくるというもの。すっかりドウロ・ワインびいきになっちゃった。