無職のいちばん長い日 ~合否を待ち焦がれて~
1ヵ月間のタイ・チェンマイ留学を終えて早ひと月。無職の模範生らしく怠惰のかぎりを尽くし、ようやく労働意欲がむくりと芽生えてきたので「よーしそろそろ働くぞ!」と重い腰を上げたのが先週のこと。鉄は熱いうちに打ち、無職は労働意欲があるうちに求職するのが世の常です。
2年半前、沖縄移住する直前の無職時代から、次のキャリアを「会社員 or 独立を見据えたマッサージ修行」どちらにするかで揺れていた。そして今回応募したのは、当時から気になって求人をブックマークし続けていたタイ古式マッサージサロンである。
機は熟した。
想い焦がれたサロンに、満を持して応募した。
応募後もろもろのやり取りを経て面談を終え、「合否は4月2日までにご連絡します」とのお達し
からの迎えた4月2日、わたしの情緒不安定もMAXを迎えた。
大層めでたいことに、4月2日の朝までわたしは自分が不採用になる想定を一切していなかった。
だってワタクシ様だぜ? なんて傲慢な自信があった訳では決してない。
かつて大阪で某マッサージサロンの求人に応募した際、面接で採用担当者さんが「セラピストの採用が決まっても最初の技術研修で脱落する人がわりといるんです、期間も長いですからね」と言っていて、結局その面接のみで即採用が確定した。
この経験から、よほどの致命的な欠陥(例:シフトなどの条件が全く合わない)がない限り研修までは辿りつけるイメージでいたのだ。たった1つの事例を全体の常識かのように思い込むなど、「オレは浮気する生き物」を「男は浮気する生き物」にすり替えてしまう主語デカ馬鹿野郎のごとき馬鹿。
そんな愚考にようやく気づいたのが4月2日の朝だった。
今日中には必ず合否連絡がくるんだよな~と当初はのんきに構えていた。だが、ある瞬間にふと「仮に就活や転職活動なら、採用したい人には早々に連絡がいくのではなかったか……?」という小さな不安の種が心臓に植えつけられる。
合否連絡は4月2日"まで"にくる。
もし採用なら、昨日までの時点でもう連絡が来ていてもおかしくないのでは。
よく考えたら、採用の基準や間口の広さが以前受けたサロンと同じとは限らんよな。
このサロン応募者多そうだし、同時期に応募した人もいっぱいいるかもしれないな。
だったら研修前の時点でふるい落とされる人もけっこういるかもしれないな。
落ちる要素……
落ちる要素………
そういえば、わたし職歴ヤバいな(最たる懸念)
こうして胸に埋まった不安の種は(被害妄想という)肥料と(冷や汗こと)水を得てスクスク育ち、あっという間にたくさんの花を咲かせました🌸 言うてる場合か。
採用を前提とした行動計画しか持ち合わせていなかったわたしに、不採用だった場合の対策は当然皆無。
そもそも沖縄にタイ古式マッサージサロン自体が少なく、採用や教育を積極的に行っている店舗となるとその数は尚更減る。意気揚々とセラピストのキャリアを歩もうとした矢先に、そもそもの修行先が見つからない受難が迫る。
まだ昼前というのに、鳴らないスマホを前に焦燥感がどんどん募り、LINEやGmailの通知がくるたびにビクッと心臓がはね上がる。合否連絡じゃないと分かるたびに「もぉぉぉぉぉぉぉぉ」と牝牛のように鳴きうなだれた。
この日たまたま休みを取っていた同居人こと沖縄長男氏、わたしの情緒不安定ぶりに苦笑しつつ「このまま家にいたら頭おかしくなるよ!外行こう!」と連れ出してくれ、B'zのDVDが流れる車内でともに熱唱しながら瀬長島や奥武島をドライブした。
食べるときに唇の両端が切れるくらい口開けなあかんレベルのデカいたまごサンドが食べたいDEATH!!!と半ばやけくそなリクエストをかまし、糸満市のたまごサンド無人販売所「たまな屋」さんにも行ってもらった。
家に戻り、長男氏は所用のためいったん外出。
マンガを読んだりアニメを観たり筋トレしたり英語勉強したり、なんとか不安から気を逸らそうと奮闘するも数秒起きに鳴らないスマホを手に取ってはため息。脈のない片想い相手からのメールを待つかつての我かよ。
「たぶん、もうダメな気がする……」
帰宅した長男氏に先回りすぎる絶望を披露。再び元気づけようと、今度はくら寿司に連れ出してくれた長男氏。
悲しみに暮れながらチャレンジしたびっくらポンは1発で当たった。
その直後、採用の連絡がきた。
うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ
やっっっっっっっっっっっっっっっ
たああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!(情緒)
驚きと凄まじい安堵感で手をぷるぷる震わせながら、担当者さんと電話でお話する。電話を切ってすぐ「おめでと~~~~~!!!!!!!!」と叫ぶ長男氏。帰りにはセブンで500mlのプレモルをおごってくれた。改めてこの人めっちゃいい人だな。あとびっくらポンの前フリが100点すぎた。
ということで、お仕事決まりました
お見苦しいサマを見せつけてしまいましたが、ともあれ無事に第一志望のサロンで働かせてもらえることになりました。
といっても、タイ古式マッサージは留学で習った程度のほぼ素人。最初しばらくは技術研修を受け、お店からOKをいただき次第セラピストデビューとなります。いつか皆さんに「受けにきてネ☆」と胸張ってお声がけできるようにがんばる所存~!
そして今回の無職期間も約3ヵ月でフィニッシュ。お世話になったnoteの #無職 タグともまたしばらくお別れです。
大丈夫。きっといつかまた会えるよ。
<通販のお知らせ>
新卒クビから始まる
34歳の波乱万丈お仕事エッセイ
『あなたのキャリアはどこから? わたしはクビから』
試し読み・購入はコチラから🦒
読んでくださってありがとうございます◎