パイナップルは逆さまにして一晩おく
今週のとある日、母からLINE
「明日、パイナップル送るね。時間は何時にする?」
実は、母にリクエストしたのです。
ここ最近あの黄色くてジューシーで甘酸っぱい果物が無性に恋しくて。季節外れとは思いつつも、どうやらここ最近の沖縄ではスーパーで沢山売られているのだと聞いて、母に甘えてしまいました。
その2日後、指定した時間に郵便局の方が届けてくださいました。
箱を開いた瞬間に、その場にトロピカルな香りが広がります。詰めやすいように葉の部分はカットしてありました。
太陽の光をたっぷりと受けて、大地からは水と栄養をしっかりと吸い上げたパイナップル。パワーが欲しい時には、ありがたい存在です。
一晩〜数日間、ひっくり返すとおいしくなる
そんなパイナップル、実は頭側とお尻側とでずいぶんと甘味の差があるのはご存知でしょうか?
個体差はありますが、お尻側の方が頭側よりも糖度3度くらい高いのだそうです。「糖度3度」と聞いてもピンとこないですよね。
調べて見るとグラニュー糖と三温糖の糖度差がちょうど3度くらいだとか。
三温糖も十分に甘いのですが、確かにグラニュー糖の方がよりはっきりと甘さを感じます。
パイナップルの場合「酸味」もあるので、糖度による甘味の差ががはっきりと感じられる傾向があるのだそうです。
そうして頭とお尻で甘味の差があるので、上下をひっくり返して置いて一晩ほど(場合によっては2日)寝かしておくと、お尻の糖分が全体に行き渡ってよりおいしく食べられるのだそうです。
このことは大人になって知りました。もしかするとわたしが知らなかっただけで、祖母や両親はそっとこれをしていたのかもしれません。
試してみると、ひっくり返した時とそうでない時はカットした後の甘さが全然違います。
実は今回のパイナップル、待ちきれず一個はそれをせずにカットしました。
十分に熟していたけれど、やっぱり頭の方は甘さが控えめ。あのひと手間が大事なんだと、思い知らされました。
それでもやっぱりこの果実は格別なおいしさです。体が喜んでいるのを感じます。
もし丸々1個のパイナップルを手に入れた時は「上下をひっくり返しておく」を試してみてくださいね。
台湾がつないでくれたパイナップルの歴史
日本でパイナップルを生産しているところといえば沖縄。それはきっと多くの方がご存知のことでしょう。
さらにいうと「沖縄県石垣島」がパイナップルの聖地なんです。
1935年ごろ、日本の植民地であった台湾のパイナップル農家さんが、石垣島に来島。人種差別や環境の違いによる苦労を強いられながらも、パイナップル生産を島の主力事業に育てたという歴史があるそうです。
その後まもなくして、郵便局の暑中見舞いサービス、県外の大手製缶メーカーとの協業によって、沖縄のパイナップルは全国的に有名になりました。
今では石垣島のシンボルである「水牛」もパイナップルと一緒に台湾からやってきたのだそうです。
台湾と沖縄。深い深い縁があるのですね。
そのドラマは映画「はるかなるオンライ山の向こうで」(2015年)で見ることができます。
甘くないパイナップルの行先
パイナップルは追熟しない果物でもあります。
追熟とは…
収穫後、一定期間置くことで、甘さを増したり果肉をやわらかくする処理のこと。追熟する果物はバナナ、マンゴー、キウイフルーツなどがある。
だから切ってから食べてみて「甘くないな…」という果実に出会ったら、次なる道を考えなければなりません。
今回のパイナップルの中にもそんな子たちがいました。
ひとまずジップロックにいれて一旦冷凍庫へで休んでいてもらおうと思います。
母はよくジャムを作っていました。私もそれを真似しようかとも思いましたが、台湾のパイナップルケーキが恋しくなりました。
作れるのかな?
あとはアップルパイならぬ、パイナップルパイとか。ゆっくり考えてみよう。
この食べる幸せ、たのしみをくれた母に感謝ですね。
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