見出し画像

昨日もゾンビの夢をみた

 わたしは日々夢の中でゾンビと闘っている。本当にゾンビなのか分からないけど、見た目がゾンビだから一応ゾンビとして認識している。わたしのゾンビに噛まれても感染される恐れはないが、彼らの動きは普通の映画に出てくるゾンビより遥かに速い。普通の女性が3cmのヒールを履いて走ってるのと同じくらい速い。
 昨日の夢の中のなんちゃってゾンビはとにかく活発的で積極的だった。いつものゾンビはそこら辺で走り回ったり、他のモブキャラを襲ったりするけど、わたしを攻撃することは無い。昨日のゾンビはわたしを狙ってきやがる。
 事の始まりはもう覚えていない、だって夢なんだから。しかも3つのうちの2つ目だから、記憶が薄い。1つ目は既に綺麗に忘れた。とにかくわたしはゴミ山の様な高速道路を自転車で走ってた。最初は車だったかもしれない、途中から自転車になった。凸凹している道路に、薄くて臭いトンネル、わたしはその先にあるどこかを目指して必死に必死に自転車を漕いでた。山の中の高速道路だから他の車はあんまり通ってなくて、果物を籠に入れてそれを背負って歩いている人がいたり、薪のような雑草のような物を運んでいる人がいたり、わたしと同じく自転車に乗ってる人がいたり、あとはすごーく環境に悪そうなバイクに乗ってる人もいた。
 とにかくわたしは必死に必死に自転車を漕いで薄暗くて臭いトンネルを抜けて、Y字交差点に辿り着いた。方向音痴は夢の中でも発揮することが分かった。わたし自転車から降りて、推しながら「さぁこの先どっちに行けばいいんだろう」と悩み始めた。左の方は土だかけの上に登ってく坂道で、右の方は山を下ってく地震で壊れたコンクリートの坂道。どっちにも行きたくない!でも恐らくわたしは山の上に用がある訳では無いらしいから、右の道へ行こうとしていた。
 Y字交差点だから当然人も増える、そして何故か一方通行のはずなのに向こう側から男の人2人が近づいてくる。身長の高い色黒の男2人だった、汚れた白いタンクトップを着ていて多分履物はスリッパ。カカオでも育ったそうだなーと考えてたのもうっすら覚えている。そして天気が急に蒸し暑くなる、空が緑がかった黄色っぽい色になる。如何にもゾンビ映画っぽい雰囲気になってきた。
 そこで、いきなり、本当にいきなり、なんの前触れもなく、男2人組がわたしに向かって猛ダッシュしてきた。わたしの分からない言葉を叫ぶ!全然理解できないけど絶対わたしを殺しに来てるよねと悟り自転車に乗り、疲れているのにまた必死に必死に漕ごうとした。とにかく逃げなければと!ただ妙なことに、さっきまで無事だった自転車がガダガダし始め、全然前に進んでくれない、あれ??気が付くと後ろ向きに進んでる!!!
 猛ダッシュしている2人はもう近くまで来ている、まさに絶体絶命。そこでわたしは閃いてペダルを踏まずに地面を蹴りながら前へ進もうとした!大成功!!!少しずつだけど、怖い2人から離れている。と思った瞬間に何故か追いつかれた。
 自分の夢なのにどうしてここまで追い詰められてるのか本当に意味わからない。わたしがちょうどトンネルに入った時に追いつかれ、幸い近くにすごく強そうなマッチョな方がいた。見た目通りの力持ちで、そこら辺に落ちている鉄のポールの付いた交通標識を拾い、それを簡単そうに持ち上げ、孫悟空みたいにあの発狂状態の2人を野球ボールみたいにカキーーーンと一撃、また一撃!しかもちゃんと頭部を狙ってくれた!
 筋肉のお兄さんありがとう!!!わたしはこれで逃げれるよ!!とホッとした瞬間。発狂2人組の1人は鉄ポールにやられ、そのままパタン。もう1人はなんと、顔がぐちゃぐちゃのまんま筋肉のお兄さんを倒した。何か道具使ったか、それとも噛み付いたかは見れなかったけど、お兄さんの逃げろーー!とああーーー!!だけははっきりと聞こえていた。
 このままだとわたしもやられる、逃げなきゃ、とまた必死に必死に自転車を漕ぎ始める。発狂2人組の生き残った1人が今回登場するゾンビなわけさ。
 彼は体は細いわ力持ちで頭も良さそう、ちゃんと考えることができるゾンビだと感じた。もはやゾンビではなく違う怪物かもしれません。なんと今回彼は自分が殴られた時の鉄のポールを手にしてわたしを追ってくる。
 暗い赤に生臭い匂いにゾンビの叫び声にトンネルの中のゴミ…もうこんなの嫌!!
 と思った次の瞬間わたしは出発地点に戻れた。
 夢の主だからある程度チートはできるようだ。
 空もすっかり暗くなって、月が登り、おばあちゃん日本に居ないのに、おばあちゃん家が目の前にある。おばあちゃんは集合住宅の1階に住んでいるのにここは周り田んぼだらけの庭付き一軒家。それでもおばあちゃん家として認識した。そして安心する。
 もうセーフゾーンに入ったからこれからの夢はゾンビ無しの家族劇なんだろうな〜と油断した瞬間に、後ろなのか前なのか横からなのか、あの全顔面ぐちゃぐちゃで血だらけのゾンビがいきなりでてきた。
「ワア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」と如何にもゾンビらしい叫び声とゾンビらしいポーズでわたしを襲ってくる。

そして、パタン!!

なんちゃってゾンビの夢が終わり、次の夢になった。

いいなと思ったら応援しよう!

今ヌ
70億分の1の私を見つけてくれてありがとう。

この記事が参加している募集