Exmentのメリットとは?業務改善の活用事例4選
こんにちは。NTTデータCCS UXチームのnote編集部です。
今回は、データ管理システムの開発方法を探している方に向けて、「Exmentを導入してどうよかったのか」「どんなふうに業務の改善ができたのか」をお伝えしていきたいと思います。
「Exmentってそもそも何?」と疑問に思った方は、別の記事でExmentの概要について紹介しているので、ぜひそちらも併せてご覧ください。
【データ管理ができる「Exment」って何がいいの?】
機能の特徴
Exmentは、データベースのような構造をしていて、画面上で直感的にデータを操作できるのが特徴です。元々用意されているテンプレートを使い、開発なしで画面や機能をつくることができます。(ここからはExmentに備わっている機能を「標準機能」と呼びます。)標準機能では、データベースと同じようにデータ登録・更新・削除・検索などを行うことが可能です。
一方で、例えば複雑な業務に対応できるシステムを作ろうとしたとき、標準機能ではどうしてもカバーできないケースもあります。そういった場合は、開発によって画面やバッチなどのプラグインを作ることで、より複雑な業務に対応することができます。(ここからは開発による拡張機能を「カスタマイズ機能」と呼びます。)
3つのメリット
実際にExmentを使って業務改善をして感じたメリットは、この3点です。
低コスト
無償版としてGPLライセンスでの利用が可能です。標準機能を活用することで、開発コストを安く抑えられます。高い拡張性
カスタマイズ機能を使って、標準では備わっていない独自の機能を後から付け加えられます。スピーディーな開発
標準機能やプラグインで作ったものを画面に即反映できるので、すぐにお客様が利用できます。
上記をまとめると、標準機能とカスタマイズ機能をうまく使い分けることで、「コストを抑えながら、お客様の要望にあった業務改善をすばやくできる」のがExment最大の魅力だと思います。
活用事例
ここからは、弊社が2021年の夏頃から行っている、東京都社会保険労務士会様(以下、社労士会様)の「会員管理システムのリニューアル」から、具体的な事例を4つご紹介します。
事例は、先ほど紹介した「低コスト」「高い拡張性」「スピーディーな開発」のメリットに着目します。
1.「低コスト」で会員データを一元管理
Exmentには標準でデータを一元管理できる機能があり、無償版でも利用することができます。その機能を社労士会様のシステムでも活用しました。その具体的な内容をご紹介していきます。
社労士会様では、Exmentを導入する以前、会員に関する情報を以下のような複数の場所で個別に管理していました。
会員管理パッケージソフト
表計算ソフト
紙の書類
それに対し、新会員管理システムでは標準機能である「データ閲覧画面」を最大限活用して、会員ごとに関連データをまとめた閲覧画面を用意しています。
これまで別々の場所で管理していた情報を、会員が持つ登録番号に紐づけて管理し、「会員Aさんがどのような状態か」を1画面にまとめて表示できるようになりました。
複数のソフトを立ち上げる必要がなく、会員を検索するだけで一度に関連データを見られるようになり、大きな業務効率化につながっています。
この事例で活用した、データの登録や閲覧、関連する情報同士を紐づける機能は「標準機能」として用意されているので、カスタマイズなしに実現できます。先ほどもお伝えした通り、Exmentは無償版の利用が可能です。
「データを一元管理したい」という要望であれば、コストをかけずに実現することができます。
2-1.「画面を拡張」して複雑なデータを出力
新会員管理システムでよく使っているプラグインの1つが、画面の拡張です。
以前は、業務に必要なファイルを作るために、表計算ソフトでファイル同士を合体させたり、手作業で修正したりする必要がありました。
それを改善するために、必要なデータを1ファイルに一度で出力できる画面プラグインを開発しました。
ここでプラグインを開発したのは、実は標準機能ではデータの出力に制限があり、複数のテーブルを合体させて出力するのは難しい場合があるからです。そこでカスタマイズ機能を使うことで、一度の操作で複数のテーブルからデータを取り出し、複雑なファイルを出力できるようにしました。
これにより、簡単な画面操作だけで出力でき、表計算ソフトでデータを加工する手間も解消されました。
画面のプラグインはとても自由度が高く、ソースコード次第で、お客様の要望にあった便利なインタフェースを作ることができます。(CSSやJavaScriptももちろん使えます。)
2-2.「バッチを拡張」して複雑な業務に対応
拡張性のもう1つの事例として、バッチのプラグインを紹介します。
社労士会様のシステムでは、お客様の要望にあわせてこのようなバッチを開発してきました。
会員の未来日の申請を適用するバッチ
会員ごとに請求情報を自動作成するバッチ
会費の入金状況を集計し、未納額を自動計算するバッチ
会員の生年月日をもとに、年齢を自動計算するバッチ
今回は、1つ目の「未来日の申請を適用するバッチ」について詳しく説明していきます。
元々の会員管理ソフトでは、基本的に「現在」の会員データしか保持できませんでした。例えば「1か月後に住所を変更したい」という申請が会員から来た時、変更する当日までは入力を待つ必要がありました。
そのため、お客様には「未来の申請を前もって入力したい」という要望があり、それを実現するためにバッチのプラグインを開発することになりました。
このとき作成したバッチの仕組みを簡単に説明すると、このような流れになります。
会員の未来の変更情報を入力する
入力した変更情報が、「会員情報の変更管理」テーブルに保存される
変更を適用する日になったら、「会員情報の変更管理」テーブルから「現在の会員情報」テーブルに変更情報をバッチで反映する
これを作ったことで、申請が来た時にすぐ入力ができるようになり、更新日まで作業を待つ必要がなくなりました。
バッチのプラグインも、画面のプラグインと同じくとても自由度が高いので、プログラム次第でお客様の業務にあった処理を実現できます。
バッチのプラグイン開発については、過去の記事で詳しく紹介しています。技術的な話に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
【Exmentのプラグインでバッチ処理を作るには~エンジニアがソースコードを解説~】
3.画面に即反映して「スピーディーに開発」
ここまでの事例で標準機能やカスタマイズ機能の説明をしてきましたが、どちらも画面上で簡単にリリースすることができます。
例えば、活用事例の1で紹介した会員の閲覧画面は、このような設定画面を使って作ります。
「画面のどこにどの項目を表示させるか」をドラッグ&ドロップで直感的に操作し、すぐに画面に反映させることができるのが便利です。
また、カスタマイズして作ったプラグインは、Zipファイルにして管理画面からアップロードするだけで、すぐに画面上で使うことができます。
しかも、この管理画面では、プラグインのソースコードを直接変更することもできます。
例えば「このボタンの配置を少し変えたい」という時に、画面上でさっとソースコードを変更して、即確認できるのでとても便利です。
作った画面を一度お客様に見てもらい、フィードバックを受けてすぐに修正して、また見てもらい…というサイクルを回すことで、お客様の要望にあわせた開発をすばやく進めることが可能です。
今のデータ管理に不満なら「Exment」
この記事では、実際に使って分かったExmentの魅力について、紹介してきました。
「低コストでスピーディーに開発したい」「機能をどんどん拡張して複雑な要件にも対応したい」という開発に、Exmentはぴったりだと思います。
活用の仕方としては「標準機能を使ってコストを抑えながらすばやくモノを作り、お客様に実際に使ってもらう。標準機能では対応しきれない要望が出てきたらカスタマイズ機能で拡張していく。」というのがおすすめです。
この記事を読んで、業務改善ツールの選択肢の1つとして検討してもらえたらと思います!
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