富里市役所野球部のこれからを願う
明後日18(火)から、千葉県では国体予選が始まります。社会人軟式野球では天皇賜杯に次ぐ大きな大会です。
5年前の国体予選で、私は社会人軟式野球の素晴らしさに出会いました。
きっかけをくれたのは、富里市役所野球部のみなさん。
昨年、みなさんはコロナの影響で全ての大会を棄権せざるを得ませんでした。
いつ彼らの笑顔に会えるのか。
先日、思いもよらぬところで再会。久しぶりに会えた嬉しさと、まだまだ続く不安と、改めてみなさんの明るい未来を願わずにはいられなくなりました。
今回はその思いを書きます。
ガラガラの観客席に響き渡る、選手たちのはつらつとした声
富里市役所野球部と出会って、一目惚れに近い感覚だったのを思い出します。
撮影を終えた帰り道、近くの球場で試合をやっている声が聞こえてきました。
何の試合だろう。
立ち寄ってみると「国民体育大会千葉県大会」と看板が。
通称、国体予選。
国体には軟式野球競技があります。そこに出場するのは予選を勝ち抜いた各県代表。企業や官公庁のチームだったり、クラブチームだったり。社会人のチームです。
少し話はそれますが、昔、何度か社会人軟式野球は見たことがありました。
高校時代からずっと応援してきた選手が、大学卒業後に選んだ企業が軟式だったから。
そのころは選手の応援に夢中で(もちろんチームが勝てばうれしかったですし、大学野球で見たことある選手も結構いました)、軟式野球の楽しさを俯瞰してみることはできず、魅力には気づいていませんでした。レベルの高さとかもよくわからなかった。
今となれば、あの時のメンバーはすごかったなあと思えます。
応援していた選手が引退したのが2013年。
それから縁遠くなっていた軟式野球。
久しぶりの軟式野球を、せっかく見るのなら撮りたいな、と撮影帰りだったので手持ちの機材から野球が撮れそうなものを持って観客席へ(70-300mmが入っていた)。
観客席、誰もいない。
そして、選手もチームも全然知らない。
ただ、球場全体に選手たちの声がやむことなく響いている。元気で、はつらつとしていて、すごく楽しそう。そして全体的にプレーのレベルが高い!
富里市役所と京葉ガスの試合でした。
特に富里市役所ベンチの元気がすごい。
え、この人たち役所で働いてる人たちなんだよね??
こんなに楽しそうに、だけどレベル高くて必死にプレーする社会人って初めて見たよ。高校野球より声出てるよ?!
一瞬でファンになりました。この人たちの試合をもっと見たい!
次の日も、その次の日も試合に駆けつけました。
2016年の国体予選は決勝トーナメントで敗退。
だけど、たくさん試合をみることができて楽しかった思い出。
近年の低迷、さらにパンデミックが襲う
すっかりハマってしまい、熱心に通ってSNSで細々と発信していたら、選手の目に留まり、みなさんとつながりができました。
大学の後輩がいたり、さらに入ったりと、うれしい関係が続きます。
(私は順天堂大学出身ですが、卒業後に野球を続ける選手は非常に少ないので、野球を続けていてくれてるだけですごいことなのです)
水野聡選手(習志野ー順大)
大学時代はちょうど見てない世代でした。
初めて見た試合に出ていたけど気づかず、当時の順大野球部マネージャーが私のSNSの投稿を見て教えてくれました。
大野駿投手(習志野ー順大)
大学時代、下級生のころから大車輪の活躍。富里市役所を受けると知ったときは本当にうれしかったです。
かわいい後輩たちの紹介すみません(笑)
富里市役所野球部は千葉では上位に位置するチームです。
2017年には官公庁の全国大会で準優勝しています(公務員の甲子園といわれている大会です)。もちろん、決勝は現地で見てました。
素晴らしい戦いぶりで、これからもっと強くなっていくのだろうなあ、と楽しみしていました。
しかし、2018、2019年と見ていてもどかしい試合が増えるようになりました。
なかなかみなさんの笑顔が見られず、今季こそ!というタイミングで歴史的なパンデミックが起きてしまいます。
初めに書きましたが、昨年は全ての試合を棄権。
他のチームの試合を見に来られていて、何人かに会えたけれど、寂しそうでした。
みなさん、市民のために働いています。
こういう状況です。野球やってる場合じゃない、それはよくわかります。
いつかまた堂々と野球ができる日が早く来ますように、と待つしかありませんでした。
久しぶりの再会と先の見えない活動
先週、高松宮賜杯の試合が富里中央公園野球場でありました。市役所の隣にあり、野球部の練習場所でもある球場です。
例年でしたら自由に観戦できるのですが、いまは観戦する人も検温と署名が必要なため、受付が用意されています。
球場のスタッフは富里市役所野球部の方でした(着ているものでわかった)。けれど、若い子が多く、マスクもしているし、誰だか分からず声はかけませんでした。
試合中のボールボーイや整備もしてくれていました。
みなさんの活動はどうなのだろう。練習はできているのだろうか。貴重な休日に練習せず、こうしてお手伝いしてくださっている。その姿を写真を残しておこうとファインダーを覗くと、ひとり、仲よくしてくれている選手がいたことに気づきました。
佐藤啓介投手です。
見出し写真の、ボールボーイ右側が啓介くんです(いつもそう呼んでいるので今回はこの書き方で行きます)。
初めてみなさんに出会った試合で、最後を締めた投手でした。よい笑顔とガッツポーズ!!
Twitterの発信を見つけてくれたのも確か啓介くんで、よくお話しさせてもらってました。
もう3年前になるのかな。肩を手術しました。投げるまでに時間がかかる大怪我でした。
2020年シーズン始めのオープン戦で、ようやく野手としてなら試合に出られるまでに回復したのに、コロナで活動ができなくなります。
2020年3月のオープン戦。一塁手で出場。
このオープン戦以降、状況がどんどん悪化して、大会は順延。順延した試合も棄権。みなさんに会うことはできませんでした。
試合の合間に啓介くんに声を掛けました。
「コロナになってから全体練習は全然できていなくて、試合も出られなくて、動けるのにこんなに野球しなかった、試合をしなかったことは野球人生で初めて。モチベーションをどう保ったらいいのかもわからない」
先が全く見えない中で、自主練習を積み重ねることしかできない。自主練習すら、ままならなかったこともあったでしょう。想像しただけでも胸が痛い。
チームメートには全然会えてないと話してました。部署も違えば会うこともないですよね。
大変な中、いろいろ話してくれました。お顔は元気そうだったので、そこだけは少し安心しました。
啓介くんと話した後、遅れて手伝いに合流した吉田選手も挨拶してくれて、少し話ができました。気づいてくれてありがとう~
球場で、笑顔のみなさんに会える日まで
今年は国体予選、天皇賜杯予選とエントリーはされていますが、直前まで出場できるかはわからないということです。昨年も大会直前での棄権でした。
同じような悩みを持つ、企業や官公庁のチームは多いはず。昨年の今ころも、練習もままならない、実戦はほぼできていない、といった声を多く聞きました。
富里市役所のみなさんがもし仮に出ることができたとしても、ぶっつけ本番です。
最後にみなさんの試合(公式戦)をみたのは2019年6月の天皇賜杯予選です。ほぼ2年、公式戦からは遠ざかっています。
不安しかないと思います。
心から楽しむことなんてできないかもしれません。
でもグラウンドに立ったら、野球ができる幸せな時間をかみしめてほしい。
勝手なことを言いますが、もし試合に出る許可がおりるのなら、そうであってほしい。勝ち負けは結果でしかない。今できること、今のみなさんの気持ちをぶつけてほしい。
どんな状況でも決して諦めず、最後まで声を切らすことなく戦えるのが富里市役所野球部のよいところなので、そういう姿が見たい。
くれぐれも怪我だけはないよう、なにか少しでもみなさんにとって未来が明るく、希望の持てる試合になればいいなと思います。
たとえどんな結果になっても、私にとって大切なチームであることは変わりません。
球場で、笑顔のみなさんと会える日を楽しみに待っています。
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