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アラサーOLの午後休〜銀座のパン屋で知る身の丈

木村屋にはじめて入った。
そう、銀座に本店があるあの老舗パン屋に。
午後休をとって銀座をマップ片手に散歩していた田舎者OLの私は、銀座木村屋聰本店の文字を見つけ足を踏み入れてみようと思い、急遽方向転換をしたのだった。

レジ前に木箱で置いてあった、1個約200円の名物と思われる酒種あんぱんが小さすぎて驚いてしまった。


せっかくきたんだし有名なものをと思い、木箱で恭しく置かれているあんぱん購入列に並んだ。

いざレジ前に来て現物を確認した私は焦った。「何個買おう。」
ある程度の大きさを想定していたので、当然1個と思っていた。
しかし手のひらにころんと乗るくらいのこのサイズ感、1個買いすること想定されてないぞ……。
木箱に入っていたから見えていなかったのだ、大きさが。

急遽想定外の問題に出会し、パニックになっている私が時間稼ぎのために咄嗟にした質問は、「日持ちどれくらいしますか?」。
「5日です」という回答を待つ間に、「庶民の私は恥を捨てて1個購入しよう」という覚悟ができたため、「じゃあ1個ください」と注文した。
日持ちを聞いて5日と言われたのに1個しか買わない私。全部察して顔色ひとつ変えない笑顔の店主。

そこに、常連の顔をした親子連れが入ってきた。「あーいつものあんぱん2つの味しか残ってないねー」「明日の朝ごはんに4個ずつ買ってこうかー」と小慣れた会話をしている。
今さっき大きな葛藤と戦ったばかりの私は気が抜けてしまった。
いや子供見た感じ幼稚園生じゃん。確かに綺麗な格好してるけど、わりかし普通の人に見えるよ?!

生活水準の差を感じてショックを受けるとともに、木村屋のあんぱんが当たり前の子供ってどんな感性を持ちどんな大人になるんだろうかと考えた。
結論、いつもわたしがインスタでフォローしてるハイスペックでさっぱりした雰囲気の美男美女なのかな?と思った。
彼らは見た目に表れるような「いかにも家柄からいいセレブ」なお嬢様お坊ちゃまじゃない。そういう人らはもはや憧れない。目指せる対象じゃないから。
だけど、美人でいつも綺麗な服きていい大学をでて企業でのキャリアもあるような読モの人は一般の人間と錯覚して憧れ、ついついフォローしてしまう。
ただ、(私はSNS中毒なので)そういう人の投稿をよくよく見ていると、実は実家が太いし、私らにとっての「ちょっといいもの」が当たり前の世界にいる。
社会人歴も長くなってきて、「高級なもの」が当たり前の世界は手が届かないけど「ちょっといいもの」が当たり前の世界は手が届きそうな気がしてしまって、わたしもできそうな気がしてしまう。
こんな普段の生活を節制しなくてもいいんじゃないか?と、唐突にに真似してしまう。しかし経験済みだが、いいパン屋で定期的に(あくまで日常的にではない)買い物する感性でいると1〜2ヶ月後に破産が来ます。
でも今日わかった。そりゃあ真似しちゃダメだわ。小さい頃から生活水準が違うんだもん。引き続き、節制生活は継続したほうがよさそうだ。

それにしてもどんな人付き合いをしてどんな人生送るんだろうなあの木村屋にいた子供は。読モの姿は想像ついても、そこに行き着くまでの人生は、生まれも育ちも埼玉のわたしには想像がつかない。

ちなみに、日比谷ミッドタウンの中のおしゃれパン屋には結構ちびちび買いをしているOL達がいて心地よかったです。

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