オタクによる好きなものベタ誉め長文01-燭台切光忠
先日Twitterでバズってたこちらの記事。
https://note.mu/makichang23/n/ndd5a274906eb
この記事の熱量に影響されて、自分も好きなものをベタ誉めする長文を書いてみようと思いnoteを始めてみました。
(使いこなせていないあまりリンクの張り方すら分かってないです、すみません)
まずはいま私の心を一番捕らえて離さない最推し、
刀剣乱舞のキャラクター「燭台切光忠(しょくだいきりみつただ)」
に、ついて、できる限り語ろうと思います。
最初にお断りしておきますが、この記事に書いてある内容はあくまでも私の主観です。
皆さんがそれぞれ彼に対して抱く印象とは異なる場合がございますので、ご了承ください。
その前に、まずはゲーム「刀剣乱舞」の世界観についてざっくりと。
その辺の背景から入らないと、知らない方には何のこっちゃですので。
ソーシャルゲーム「刀剣乱舞」の世界観
そもそも「刀剣乱舞」とは、DMM.comとニトロプラスが提供するソーシャルゲームです。
PCブラウザ版とスマホ版があって、内容は同じ。両者を連携させて家ではPC、出先ではスマホでプレイするということもできます。
ストーリーは以下の通り。
西暦2205年の未来、自分たちの思う通りに歴史を変えようとする謎の軍団「歴史修正主義者」が襲来。
歴史改変のために彼らによって過去の時代に送り込まれた「時間遡行軍」に対抗するため、時の政府は日本刀に宿った付喪神「刀剣男士」を顕現する能力を持つ者を「審神者(さにわ)」に任命する。
審神者の命を受けた刀剣男士は歴史を守るため、時を遡り時間遡行軍と戦うのである。
ゲームのプレイヤーは審神者となって、刀剣男士の主として采配を振るうわけです。
で、私の最推し「燭台切光忠」は、この刀剣男士のうちの一振りというわけです。
厳密にいうと、「燭台切光忠」という名前の日本刀に宿った付喪神。それが審神者の力によって人の形に顕現した存在です。人ではなく刀なので、一振り二振りと数えるわけです。
ちなみに、刀剣乱舞にはアニメ2作品、舞台、ミュージカル、実写映画などのメディアミックスが存在します。
同じゲームを原作としながらもそれぞれの世界観は別々のものであり、燭台切光忠が登場するのはアニメ「刀剣乱舞-花丸-」、舞台「刀剣乱舞」(通称「刀ステ」)です。もう一つのアニメ「活撃/刀剣乱舞」にもワンシーンだけ出演しています。
今回は、これらメディアミックスについては触れません。キリがないのと、刀ステについては残念ながら最初の一作品しか見れてないので…いつかは全作視聴したいです…。
日本刀「燭台切光忠」の略歴
刀剣「燭台切光忠」は、鎌倉時代に刀派「長船派」の祖と呼ばれる刀工・光忠によって作られた刀のうちの一振りです。
つまり「光忠」とは、作った人の名前(または屋号)なのです。光忠作の刀は「○○光忠」という名前で呼ばれるわけです。
この○○部分を「号」と言うのですが、最初からあるわけではありません。刀ができたばかりの時は、どれも一律に「光忠」です。
来歴には諸説ありますが(織田信長が光忠作の刀を気に入って集めていたので、その中にあったのではないかという説もあります)豊臣秀吉から伊達政宗に贈られたと言われている刀です。
政宗がこの刀で家臣を手打ちにした際に、側にあった青銅の燭台まで切れたという逸話から、「燭台切」という号がつけられました。
伊達の付喪神・燭台切光忠
刀剣乱舞に登場する付喪神「燭台切光忠」は、かつての持ち主であり彼に号をつけた人でもある伊達政宗を強く意識したキャラクター造形を与えられています。
お洒落でかっこいい男のことを、伊達政宗の名を取って「伊達男」といいますが、燭台切光忠もまた伊達男の名に相応しい刀剣男士です。
外見は、だいたい20代くらいの青年です。
身長186センチの長身。肩幅広く、胸板厚く、脚が長い。きっちり着込まれた服の上からでも分かる、がっちり体型。
藍色がかった黒髪は程よく遊ばせるスタイル、美しい裏地を忍ばせた漆黒の燕尾服の上にシンプルな武装を纏った、お洒落に拘った出で立ち。
右目につけた眼帯と両手の黒い手袋はいかなる時も外さない、隠されると気になるミステリアス性。
眼帯に隠れていない左目は凛々しいツリ目、瞳は燭台の炎を映したような黄金色。
ついでに、声も低くてセクシーでかっこいい。CVは佐藤拓也さんです。
総合すると…全身黒ずくめで眼帯をした、イケメンだけど目付きが鋭くて厳つい大男。
…燕尾服でなくスーツなら、どう見ても裏社会の危ないお兄さんです。
良くてホスト、悪ければヤクザの若頭。
実際、彼を担当したイラストレーターさんは「ナンバーワンホストのイメージで」とのオーダーでデザインしたようです。
伊達政宗と言えばいろいろとヤンチャな人だったようなので、そこも意識されているのでしょうか…
皆を見守る、優しい神様
しかし。ちょっと待っていただきたい。
彼の一人称は「僕」なんです。
性格は物腰柔らかでしっかり者。主がだらけていればたしなめ、仲間の間に亀裂が入れば仲裁に入ろうとする面倒見の良さを見せます。
そして、特技は料理を作ること。
彼の最大の魅力は、この見た目と中身のギャップ。そして皆を包み込む優しさにあります。
こんなかっこいいけど怖そうな見た目で、中身は優しくて頼れるお兄さん。しかも料理が上手い!
その溢れる包容力を称して「本丸(刀剣男士と審神者が生活する拠点)のお母さん」なんて呼ぶ人もいます。
…たぶん本人ならぬ本刃は、そう呼ばれたら嫌がります。
というわけで私の堕ちポイント、まず一つ目。
彼に甘えたい!心身ともに疲れきった時に、あの低くて落ち着く声で頑張ったねって言ってほしい!よしよしってしてほしい!
普段は「だらけちゃいけないよね」って言うけど、どうしても気力がついていかない時はきっと「しょうがないなあ」って苦笑しながら甘えさせてくれるよね…。
体の大きさもむしろ包容力の高さに一役買ってますね。厚い胸板に飛び込むのもいいけど、後ろから抱きついて広い背中にもたれかかってみたい。
もともとギャップ萌えの傾向にあった私ですが、それに加えてこの性格にやられました。
ちなみに、畑仕事などをするとき専用のジャージ姿もあるんですが(このジャージもスマートでお洒落なデザインです)、この格好になるとよく分かるのがきゅっと括れた腰。
砂時計体型です。素晴らしい。
抱きつきたい。
戦場では雄々しく、格好よく
燭台切光忠は、刀剣男士です。
過去の時代に飛び、時間遡行軍を倒して歴史を守るために存在しています。
仲間や主に優しい彼も、戦場に赴けば一振りの刀。敵を斬り、葬る、一人の戦士と化します。
彼の戦闘中のセリフからは、かつては戦国武将の腰にあった「実戦向きの刀」であることを誇りに思い、戦場で存分に活躍できることを嬉しく思っているであろうことが感じられます。
戦場を「晴れ舞台」「見せ場」と称し、本丸にいるときより少し低い声で、なおかつ生き生きと楽しそうにしゃべっているのが声のトーンから分かります。敵からダメージを受けた時でさえ、強敵とやり合えるのが嬉しいような反応を返すのです。
戦場で戦うことが刀の本懐。
そういうの大好きです。堕ちポイント2つ目。
戦う君は美しい。
そんな彼の姿勢はステータスにも表れています。
高打撃(パワー)、高統率(ディフェンス)、高生存(スタミナ)。半面、機動(スピード)は低い。「実戦向き」の自称に恥じない、典型的な重戦士という感じです。
普段の人当たりのいい彼からは想像しにくい一面、こういうのもまた「ギャップ」ですね。
元の主・伊達政宗への秘めた思い
燭台切光忠がよく口にする言葉「格好良く」。
隊長に任命して出陣すれば「格好良く行こう!」とみんなを鼓舞し、敵を攻撃する際には「格好良く決めたいよね!」と叫びます。
演練(他の本丸との模擬戦)に出るときは「訓練だからって、手を抜いたら格好悪いだけ」と言います。
反面、敵から大きくダメージを受けて傷だらけになれば「何たる無様な」「これじゃ格好つかない」「見苦しい」と悔し気に零します。
日常生活でも「格好は常に整えておくべきだよ」「適当な服を着てたらだめだよ」と事あるごとに主をたしなめます。
これらのセリフから見えてくる、彼にとっての「格好良い」とは何か。
それは、いついかなる時も身なりを整え、何事にも全力で、なおかつそれが当然のように余裕をもって振る舞うという事です。
このポリシー、「敵にみっともない死に姿をさらさないように、戦場でも身だしなみに気を遣う」戦国武将の精神に通じるところがあります。
それも当然です。
燭台切光忠は、独眼竜・伊達政宗の刀だったのですから。
普段の彼は、かつての主だった政宗のことを全くと言っていいほど口にしません。その反面、刀帳(入手した刀剣男士のデータを集めた台帳)に書かれた自己紹介では「かつての主について悪い感情はないんだけど、名前の由来がもう少しカッコ良いものだったら良かったのに」というようなことを言っています。
入手時のセリフでも、自分が青銅の燭台も切れる刀だと言ってから「やっぱり格好つかないな」と苦笑しています。戦闘での負傷関係以外で彼が「格好つかない」という言葉を出してくるのは、ここだけなんですよね。
そこだけ見ると、彼は伊達政宗のことをあんまりよく思っていないのだろうかと考えてしまいがちです。
が。実際は逆です。少なくとも私はそう思います。
まず、見た通り。右目の眼帯を筆頭とした伊達姿。
格好の良さにこだわる姿勢。
料理が好きというのも、手料理で客人をもてなすことに拘った伊達政宗の精神を受け継いでいます。仲間の刀剣男士とのやり取りが見られる「回想」では、政宗の好物であるずんだを作っている様子が。
これだけリスペクトしておいて、「悪い感情はないんだけど」程度に思っているわけがないでしょう。
なにしろ、政宗が号をつけたことによって、彼は「数ある光忠の刀の一振り」から「燭台切光忠」という特別な刀になったのです。
そして、おそらくはともに戦場を駆け抜けた(であろう)という、彼の歴史の中で最も刀らしく充実した時間が、政宗の刀だった時代なのではないかと思います。
でも、現在の主の前ではそれを口にしない。
過去を表に出すのは未練がましくて格好悪いと思っているのでしょうか。
「名前の由来が格好つかない」というのは、おそらく彼の照れ隠しです。
…まあ、政宗公のネーミングセンスがよろしくないのは事実なのですが。初めての子供に五郎八(いろは)なんてつけちゃうし。それも女の子に。
失われた刀にもう一度光を
先ほど、「燭台切光忠にとっては、政宗公とともに戦場に出ているときが最も刀らしく充実していた」という話を出しました。
現在の付喪神としての彼にとっても、「刀らしく」戦場で戦うことは喜ばしいことです。
一方、本丸での暮らしも、彼は楽しんでいるように見えます。畑仕事や馬の世話をしたり、料理を作ったり。
回想のセリフで「この体で一番いいのは料理を作れること、次に頭を撫でてあげられること」と言っている通り、「人間のように」活動することもまた、彼の喜びとなっているように感じます。
武器である刀としての自分、人間のように動ける自分。
どちらも楽しんで生きているのが燭台切光忠なのです。
そんな彼を見るたび、私は「本当に良かったね」と思わずにいられません。
なぜなら「燭台切光忠」は、一度歴史から消えた刀だったからです。
日本刀・燭台切光忠の略歴を書いた下りで、伊達政宗に号をつけられたところまでは書きました。
では、その後どうなったのか。
燭台切光忠は、江戸時代までは政宗の手元にありました。その政宗へ、徳川御三家の一つである水戸徳川家の藩主から打診があり、譲られていくことになったのです。
この経緯には諸説あり、相手は徳川頼房または徳川光圀、政宗が一度断ったが強引に持って行った、「光忠を我らに嫁(婿)入らせ候へ」と言われた、などなど複数の逸話が伝わっているようです。
水戸に渡り、明治以降は他の刀などとともに大切に蔵にしまわれ、代々の家宝として伝えられてきましたが、後に悲劇が起こります。
大正12年に起こった関東大震災。街中が炎に包まれ、蔵の中にあった燭台切光忠は他の多くの収蔵品とともに焼けてしまったのです。
その後、燭台切光忠の行方は分からなくなってしまいました。「焼失」してしまったのです。
そんな風に、炎に焼かれて刀としての自分を失い、誰の目に触れることもなく眠り続けていたであろう彼が、ゲームの中では自分の体を得て想いのままに動いている。
仲間とともに、刀として戦場で戦い、人のように暮らす。
そんな生活を心から楽しんでいる彼を見て、嬉しさがこみ上げずにはいられないのです。
そして奇跡の復活へ
日本刀「燭台切光忠」に転機が訪れたのは、まさに、ゲーム「刀剣乱舞」がきっかけでした。
最初に実装された刀剣男士のうちの一振りだった燭台切光忠は、その時はまだ「火災で行方知れずになった、あるいは失われた刀」でした。
しかし、熱心なファンたちが現存の可能性について調べ、水戸徳川家にまつわる品々を展示する美術館「徳川ミュージアム」に問い合わせたところ、なんと焼身の状態で保管されている事が分かったのです。
多くの要望が寄せられ、焼けた刀である燭台切光忠を公開展示するという異例のことが実現。
元の刀のフォルムが失われることなくしっかりと残った黒い刀身に、蒔絵のように付着した金のはばき(刀が束から抜けないように取り付ける道具)という「焼身の日本刀の美しさ」に、現物との対面を待ち望んだファンたちをはじめとした多くの人々が息をのみました。
全身黒に金の瞳という刀剣乱舞のキャラクターデザインとの奇跡の一致も、関係者を驚かせたと言います。
さらに、クラウドファンディングで資金が集まり、燭台切光忠の再現刀の制作が実現。
日本刀「燭台切光忠」の在りし日の美しさをよみがえらせた再現刀は現在、焼身の燭台切光忠と一緒に徳川ミュージアムに展示されています。
再現刀は在りし日の燭台切光忠の「姿」をしているけれど、当時の「記憶」を持っているのは焼身の燭台切光忠だけ。
あまりにもドラマチックだった燭台切光忠の「刃生(じんせい)」、そして再現刀との二振りの関係性に思いをはせると、どこまでも想いは深まり想像が広がっていくように感じます。
ゲームが生んだ奇跡のような復活劇。
今後の刀剣史に語り継がれる出来事なのは間違いないでしょう。
残念ながら私は当時まだ刀剣乱舞の存在を知らなかったので、これらの経緯は後になって知った話です。再現刀の完成時にはリアルタイムで聞いたのですが、こんなに大きな話だとは思っていませんでした…
本物の燭台切光忠に会いたいという熱意で動いてくれた当時からのファンたちにも、それを実現させるために力を尽くしてくれた関係者の皆様にも、本当にありがとうと言いたいと思っています。
現住所から水戸は遠く、未だ足を運んだことはありませんが、いつかこの目で見たいと願っています。
総括
怒涛の長文になってしまいましたが、燭台切光忠の魅力について語らせていただきました。
見た目は、イケメンだけどちょっと怖そう。その実は人当たりが良くて世話焼き、だけど戦場では力強く戦う戦士。
いつも格好良さにこだわり、何事にも手を抜かないしっかり者。
波乱万丈の刃生を乗り越えて、ゲームの中でも、現実の世界でも輝いている姿。
どこをとっても尽きない魅力を持った彼のことを語りつくすには全然足りないと思いつつ、とにかく今できる限りをと思って書きました。
本当に足りないんですよね、原作ゲームと実物に原典を絞り、さらに他の男士との関係性などに触れずに彼単独に絞って書いただけでも想定外の量になってしまいました…
しかもゲームの要素の中でも、畑の野菜を口説く下りとか入らなかった(笑)
書いてる間は、彼はファンも多いしこんなの語りつくされてるだろ、私が書く意味はどこに?しかもこれ褒めてるの?説明してるだけでは?べた褒めとは??などなどいろんな思いとの闘いでした。
一応「私が書く意味」として、うちの本丸の光忠さんのエピソードを。
彼目当てでゲームを始めたものの開始から1週間も来てくれず、じりじりしながら8日目でようやくお迎えした時には頭がのぼせていて操作を間違え、レベリング中に単騎で送り込んだ戦場で強敵・検非違使に遭遇…。
当然ボロボロになって帰還したので本気で泣いて謝りながら部隊を組みなおして再挑戦、見事リベンジして持ち帰ってきてくれたのが当本丸初のレア刀・膝丸でした。私こと主、また泣きました。
(それ以降、膝丸はしょっちゅう来るようになりました。膝丸が来てから髭切お迎えまで2か月かかりその間に5振りに増えました。もう検非違使から膝丸が来ても驚かなくなってしまいました。鍛刀できるようになってさらに加速しました。レアとはいったい)
また、ランクアップ画面で撮ったスクリーンショットのデータが破損という悲劇にも見舞われ三度泣きました。
刀剣男士全員、入手時とランクアップ時はスクショ撮ってるけど、破損なんて後にも先にもこの時だけだよ!嘘だろ!!
それからも長きにわたってうちの支柱でいてくれた光忠さん、今は極の修行解禁を待ちながら本丸で過ごしています。おそらく毎日厨に立って、本丸のみんなの胃袋を守っているのでしょう。
行き慣れない戦場に行くときは、たまに先発隊をお願いすることもあります。何かあると頼っちゃう、いつまでも情けない主で申し訳ない。
これからもよろしく。
と、いうわけで。
最後まで読んでくれた方がいたら嬉しいです。
ありがとうございました。