5才児語録 #8
5才児だった息子も、もうすぐ誕生日を迎え、6才になる。
「浦島太郎がもらった箱の中って、ヒゲが入ってたんじゃない?」
そうか。
サンタクロースの仮装の小道具みたいなやつかな。
それにしても、浦島太郎の絵本を読んでいたわけでもないのに、脈絡なくそんなことを言ってくる。唐突に、私の脳みそは昔話の世界に投げ込まれる。
しかし、5才の彼にとっては、唐突でもなんでもないのだ。彼はまさに玉手箱のことを考えていたのだ。そして、私が浦島太郎のことなんて考えていなくても、彼には問題にならないのだ。
5才児語録は今回でおしまい。
日々の中で、彼の口からこぼれて、なにもしなければ記憶の隙間にすべり落ちていく言葉たちを、ほんの少しでも記録できたことがうれしい。
これから出会う言葉たちも楽しみ。