映画感想『大いなる不在』 ー認知症は怖い
『大いなる不在』という映画を見てきました。この映画は、その緊張感あふれる冒頭から心を掴まれ、深いメッセージと感動をもたらしてくれました。
※ネタバレを含みます。
第一印象
映画は閑静な住宅街で、警察の特殊部隊が一軒家を取り囲むシーンから始まります。その後、スーツをきっちり着た中年の男性(主人公の父)が扉から出てきて、大きな事件が起きているのだと思わせます。この不穏な雰囲気が、観客を一瞬で映画の世界に引き込みます。
印象に残ったシーン
最も印象に残ったのは、介護施設での主人公、主人公の嫁、そして父との対面シーンです。認知症を患っている父が「日本に帰りたい」「国際会議があるんだ」と支離滅裂なことを言い始め、その中で義母の自殺を告げるシーンが特に衝撃的でした。この瞬間から映画のミステリー要素が深まり、一気に物語に引き込まれました。
テーマとして感じたこと
「愛する人の存在はかけがえのないものである」ということ。
認知症になっても大切な日記を持ち続け、いなくなってしまった人を探すために身なりを整え、引きこもりがちだった家から探しに出ていく姿には感動しました。愛の力がどれほど強いかを描いた作品です。
映像が美しかった
特に目の前に広がる海の映像はとにかく美しかったです。全体的に引き絵で心理描写が強調されており、自然の美しさが認知症の進行による怒りや悲しみと対比されていました。音楽もこの感情をさらに引き立てる要素となっていました。
映画を見た後の感情
映画を見終わった後、改めて認知症の怖さを感じました。愛する人が自分のことを忘れ、赤の他人として扱われる恐怖。それでも、無性の愛を持つ義母が最後のお別れのために戻る姿は感動的でした。愛の力はすごいと実感しました。
オススメポイント
この映画は、熟年夫婦が認知症に直面した時の残酷な現実と、それを乗り越える愛の力を描いています。様々な人との対話を通じて、起きた出来事を深く考えさせられる作品です。ぜひ、多くの人に見てほしい映画です。
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