何を連れて行くのか。
ブリッジズさん(臨床心理学者、組織コンサルタント)が研究した「トランジション」についてです。
トランジションは移行、過渡、変化といった意味の言葉です。
トランジションのモデルには「終わり」「中立圏」「始まり」の3つのステージがあるとされています。
終わりとは人生での段階が切り替わる時で、何かが終わるとき。
中立圏は終わりから始まりへの間の部分で、葛藤が起きるとき。過去から変わりたくないと思ったり、未来への不安があったりする時期。
始まりは、その葛藤を終え、新しい始まりを受け入れるとき。
終わりのときというのは、例えば仕事で異動をすることになったとき。辞令をもらって、怒りなどはなくても、以前の場所でまだこれがしたかったな…ここではもう私は要らないのかなといった悲しみのような気持ちが起こることもあります。
物事が終わる時、寂しさや後悔も含めてマイナスな気持ちが出てくることは自然なことなのかなと思います。
中立圏では現在の自分ではなく、今までの自分(過去の自分)にしがみつくことがあります。新しいところに慣れてもいない、でももう過去の場所にはいない。でも自分知っているのは過去にいた自分。
このシーソーのような状態の時、葛藤が起きやすいとされています。この時期は結構しんどいこともあるかもしれませんが、ここで悩んだあとに、過去とはどのようなかたちであれ、あなたはお別れをします。
人は跳び上がる前に、かがまねばならない
とブリジッジズは言っています。
たとえば、
・1人で考える時間、場所を持つ
・悩んでいる今の状態の記録をつける
・本当にしたいことは?を考える
1人の時間を何のために取るのかというと、過去の自分について今どんな気持ちを持っているのか知ることや、他にも新しいステージにむけて勉強すること、未来に向けて出来ることがないか動くこと、をするための準備の時間です。
何を自分は今後連れていき、何を置いていくのか。
自分自身に徹底的に向き合うこと。そうすることで、いつのまにか始まりを迎えていることがあります。
動けていないな…と感じる中立圏で、
じっくり向き合いながらお散歩していると、思ったよりも遠くに来ていて、新しい景色が見えていて、あぁここが新しい始まりなんだなと気づく。
綺麗にこの段階を踏まないこともあるかもしれませんが、段階があると知っていることは、あなたがただ止まっているだけではないと知れて少しだけでも心が軽くなるのではないでしょうか。
本当はどうしたいのか、たまには矢印を自分に向けてみるのも良いかもしれません。
ここまでお読みいただきありがとうございました(*´꒳`*)